0212.25

「構造改革特別区域法」(特区法)案について日本共産党の吉井英勝議員が八日の衆院本会議でおこなった質問と、小泉純一郎首相の答弁の要旨をあわせて紹介します。

特区 法案
国民生活と地域に打撃
吉井英勝議員
   特区で規制緩和しようとしている内容は、これまで政府が全国一律で規制緩和をしようとしてきたものとほとんど同じ。思うように進まない規制緩和を進めるため“一点突破”し、全国に全面展開させる役割をもたせるということか。
小泉純一郎首相
   全国的な規制改革の実施がさまざまな事情により、進展が遅い分野があるのが現状だ。地域の特性に応じた規制改革を実施するのが目的だ。
吉井  国民の生命、身体、健康を守るべき規制も規制緩和をおし進めるのか。
首相  国民の生命、身体の安全は十分配慮しつつ、必要と考えられる規制改革は積極的に取り組んでいく考えである。
吉井  政府が進めてきた「規制緩和万能主義」は失業の増大、福祉切り捨て、貧富の格差の拡大をもたらしてきたのでは。特区法は規制緩和万能主義をさらに進め国民生活と地域経済に打撃を与えることになるのでは。
首相  規制改革によって民衆を拡大することが重要だ。計画の実態が経済的社会的効果を及ぼすものであることを(認定の)要件としている。
吉井  特別区域内で事業をおこなう企業などの実施主体は、地方自治体に計画の提案ができることになっている。事業を実施する企業の敷地だけを特別の区域にすることも可能なのか。極めて特定企業に偏重した仕組みではないか。
首相  地方公共団体がみずからの判断にもとづいて設定することになっている。対象も産業に限らず、教育、社会福祉分野など幅広い分野を対象としている。企業に偏重した仕組みであるとの指摘はあたらない。
農家と大企業弱肉強食だ
吉井  国土交通省の概算要求で「特区をささえる基盤整備のために必要となる連携事業を強力に推進する」としている。従来型の巨大プロジェクト推進と一体で進められているのではないか。特区が自治体財政をさらに危機に追いこむことになるのではないか。
首相  国として従来型の財政措置は講じないとしている。一方、地方公共団体が自発的に各省庁の予算を効率的に活用することは否定するものではない。
吉井  今回の特例によって、株式会社に農地の権利取得を容認することは、(農地はその耕作者みずからが所有するという)農地法の根本理念を否定するもの。農地のいっそうの荒廃につながるのでは。株式会社の農業参入によって、小規模農家は、価格競争でいっそうの苦境に追いこまれる。日本の農業を支えている小規模農家を、大企業との弱肉強食の競争に放りこもうというのか。
首相  企業が参入するにあたっては、地域との調和や農地の適正、効率的な利用を確保し、地域の農家に及ぼす影響についても適切な配慮がなされる。
吉井  福祉の分野では、特別養護老人ホームへの株式会社の参入を認めている。目先の利益を最優先する株式会社の参入が制限されてきたのは、福祉の増進と営利の追求とは根本的に矛盾するからではないか。
首相  有料老人ホームなどについて、すでに株式会社の参入を認めているなどを踏まえ特区に認めるもの。特別養護老人ホームが不足している地域での整備促進の効果が期待される。
吉井  国民の雇用や中小企業の営業を守り、日本経済を地域から再生させる上で必要なことは、規制緩和万能主義ではない。大企業の横暴から国民生活を守る民主的なルールをつくることこそ必要だ。