国会質問
■ 国会質問一覧
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- 1216
黒塗り資料批判と高い原発コスト/“神話”破綻させた追及
- 1205
自然エネルギー開発に力を/核燃料サイクルやめよ
- 1203
東電・原発事故/賠償進めず銀行は返済/東電に債権放棄求めよ
- 1126
半世紀たちなぜ未完成/ITER機構長招き核融合技術参考人質疑
- 1031
原発の老朽機・実証データなし/耐性試験の不備指摘
- 1027
電気料金見直し求める/大口赤字補てんを批判
- 1026
原発広報・無競争で関係法人受注/原資は電気料金
- 1026
東電手順書過酷事故の対策なし/保安院認める
- 1025
福島第1原発・全電源喪失を想定せず/東電が黒塗り手順書を一転公開
- 0913
東電の提出資料、また黒塗り/過酷事故時の手順書
- 0908
東電の黒塗り手順書/原発事故発生時の運転操作/過酷事故への対応は未提出
- 0903
福島第1原発・事故操作手順書、黒塗りだらけ/衆院委理事会 東電に再提出求める
- 0826
2011.8.26科学技術・イノベーション推進特別委員会会議録
- 0824
再生エネ法案衆院通過/電気料金抑制へ修正案
- 0811
地域発展と一体に/再生エネルギー法案で要請
- 0810
「安全神話」の原発広報見直しを/独立した規制機関提起
- 0804
再生可能エネルギーの普及と電気料金の「賦課金」低減は両立可能
- 0731
原発コストは政府試算の倍/再生エネ法案/参考人が指摘
- 0728
原発に国費16兆円/「再生エネルギーに振り向けよ」
- 0723
原発事故は「利益共同体」が賠償を
- 0721
玄海原発の説明番組/目的を「再稼働」に変更/経産省も承認
- 0720
福島第1原発・建屋内のクレーンの機能残っているか
- 0716
対北朝鮮貿易禁止は当然、日本も原発から撤退を
- 0715
原発撤退し政策転換を/再生可能エネ法が審議入り/吉井議員・本会議で質問
- 0714
電事連会長に「原発安全神話」ただす/衆院復興特
- 0714
東電・大銀行救済に固執する首相/原子力損害賠償支援機構法案
- 0708
原発事故賠償法案が審議入り/衆院本会議で吉井議員追及
- 0604
福島第1原発事故・事故処理費も国民負担/政府の賠償枠組みを批判
- 0528
福島原発事故・GE社の責任も問え/原子力協定でのアメリカの免責条項ただす
- 0528
政府に東電社員36人が在籍出向/まるで霞が関出張所
- 0526
島根原発でも冷却喪失の危険/全原発の対策要求
- 0520
内部被曝“健康に影響大きい”/危惧の声次々/衆院委参考人質疑
- 0520
「もんじゅ」開発やめよ/活断層から200メートル
- 0515
エネルギー自給率高めよ/米国いいなりを転換
- 0514
地震大国の原発集中異常/政策の転換求める
- 0512
浜岡原発は廃炉しかない/世界に例ない震源地立地
- 0430
国際的な独占禁止を/産活法「改正」案/吉井議員が提起
- 0430
福島第1原発・外部電源喪失は地震が原因/吉井議員追及に保安院認める
- 0428
福島原発「水棺」作業/強度・構造の問題ただす
- 0427
運転記録提出を命令/福島原発事故 保安院が東電に
- 0427
大津波くれば原発炉心損傷/経産省関連機関が昨年指摘/吉井議員の警告裏付け
- 0427
原発事故・首相「政府答弁は誤り」/備えなし・事故後も対策なし
- 0424
放射線量測定強化へ
- 0424
原発の輸出やめよ/「世界で信頼失った」
- 0423
政府「東電データ未入手」が明らかに/福島原発事故
- 0421
原発政策改めよ/「過酷事故」想定せず増設
- 0415
福島原発事故/今も燃料棒露出/保安院認める
- 0415
放射能汚染/食品「線量」測定体制を/国の責任ただす
- 0414
原発汚染水の海洋排出は条約違反/情報収集衛星の画像 大規模災害になぜ公開せぬ
- 0408
原発事故 根底にコスト削減論/BS番組吉井議員“安全神話”を批判
- 0407
福島原発事故は人災/警告に耳貸さず初動に遅れ
- 0402
再生可能エネルギーヘ転換を/CS番組出演/原発問題でインタビュー
- 0401
大津波・電源喪失ともに警告/冷却不能指摘し対応迫る
- 0326
電源喪失による最悪事態を警告/吉井議員繰り返し追及
- 0322
原発の危険追及した吉井質問 ネットで反響
- 0301
TPP 食料増産の流れに逆行/投機マネーで価格高騰/自給率向上策こそ
- 0226
通信衛星の軍事利用/宇宙軍拡・利権を批判
- 0211
TPP 民主の公約にも違反/労働・安全・医療まで犠牲/予算委員会で追及
黒塗り資料批判と高い原発コスト/“神話”破綻させた追及
ヨルダンなど4カ国へ危険な原発輸出を進める原子力4協定が9日、民主、自民の賛成多数で可決・承認されました。
参院本会議の採決には、輸出賛成の公明が反対に回った一方、民主は12人が棄権、衆院本会議でも10人以上が反対・棄権しました。過酷事故に反省もなく原発を他国にまき散らす道理のなさが招いた矛盾です。
原発輸出に造反
原発輸出問題で日本共産党は、通常国会では採決断念に追い込み、今臨時国会でも「事故の収束も原因究明も済んでいないのに輸出など論外」(笠井亮衆院議員)と反対の論陣を張りました。
自民党議員は「立ち止まって考えるのが責任の取り方」と“反対”論と見まがう主張を展開。採決に賛成していた公明党は世論を見て、「時期尚早」と反対に回らざるを得なくなりました。
承認を急いだのは、今月中に迫るヨルダン原発の受注を狙う財界や原発メーカーの要求に応えるためでした。原発立地県の地方紙は、「福島事故の教訓を忘れたのか」(愛媛新聞)と批判しました。
黒塗り資料批判
10月24日、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会の理事会に、福島第1原発の「事故時運転操作手順書」の一部と過酷事故時の手順書が提出されました。東京電力が長時間の全電源喪失を指摘されていながら、過酷事故対策を取っていなかったことが裏付けられました。
東電は当初、「知的財産」を盾に手順書の公開を拒み、黒塗りの資料しか出しませんでした。吉井英勝衆院議員は「加害者としての責任をどう考えているのか。知的財産を理由に非公開にする資格はない」と厳しく批判。こうした追及で、開示が実現したものです。政府はその後、すべての原発に対して、過酷事故対策の手順書を見直すよう指導する事態に追い込まれました。
高い原発コスト
政府のエネルギー・環境会議の「コスト等検証委員会」は13日、原発コストについて、1キロワット時当たり最低8.9円と発表。これまで電力会社や政府が主張してきたコストを大幅に上回り、原発の「コスト神話」は破たんしました。
原発稼働率を福島事故前の水準にし、事故損害額を限定しているため、実際のコストはさらに高くなります。同時に、吉井氏が「原発に投じた全ての予算を含め明らかにせよ」と要求し続けてきた結果、「原発は安くてクリーン」でないことを政府自身が認めたことも意味します。
民主党のある衆院議員は自身のブログでこう書きました。「吉井氏の質問時にはたくさんメモを取ります。他党であれ、的確な指摘はおおいに参考にさせていただきたい」
自然エネルギー開発に力を/核燃料サイクルやめよ
吉井英勝衆院議員は、11月30日の経済産業委員会で、高速増殖炉「もんじゅ」など破たんした核燃料サイクル計画を断念し、自然エネルギーなどの研究開発を進めるべきだと主張しました。
吉井氏は、科学技術庁の原子力局長も務めた島村武久氏が主宰する研究会(1985〜94)で、高速増殖炉について技術的困難性や放射能汚染、採算面で問題点が指摘され、プルトニウム処理がゆきづまっていると認めていたことを示し、21年も前にゆきづまりは認識していたのではないかとただしました。
枝野幸男経産相は、「原子力政策全体の見直しやもんじゅを(どうするか)検討するにあたり、一つの資料として意義のあるもの」と答えました。
吉井氏は、動燃事業団以来の経費を合わせると「もんじゅ」に4兆円もの巨費が投じられたものの、全電源喪失の時にナトリウムを冷却材に使っているから海水注入ができないなどの危険性があることを指摘し、「核燃料サイクルはやめることを決断すべきだ」と強調。廃炉や除染、医学研究、再生可能エネルギー開発などに力を集中すべきだと主張しました。
枝野経産相は、「原子力に投じた研究費に比べて再生エネルギー、省エネルギーの投資は微々たるもの」と認めながらも、「もんじゅ中止については「全体の議論の中であつかっていく」と述べました。
東電・原発事故/賠償進めず銀行は返済/東電に債権放棄求めよ

日本共産党の吉井英勝議員は11月30日の衆院経済産業委員会で、東京電力が金融機関への債務は約定どおり返済しながら、原発事故被害者への賠償がほとんど進んでいないことを批判し、速やかな全面賠償を求めました。
東電と国の確認書には「全てのステークホルダー(利害関係者)に協力を求め、とりわけ、金融機関から得られる協力の状況について政府に報告を行うこと」とされています。ところが東電は金融機関に「金利減免や債権放棄を要請することはない」との文書を出し1700億円もの返済を行う一方、被害者への賠償額は1649億円にとどまっています。
吉井氏は、東電は国に援助を求める際には金融機関に協力を求めると約束しながら、あべこべのやり方をしていると批判。枝野幸男経済産業相は、金融機関への文書について、相談がなかったことを認めました。
吉井氏は、枝野氏が銀行や株主も負担をすることが前提とのべていたことに言及し、「金融機関に債権放棄を求め、東電に速やかに全面賠償させるべきだ」と追及。枝野氏は、債権放棄について、「あらゆる可能性を排除せず、国民に理解される総合特別事業計画になるよう促していく」と表明。「(東電には)加害者としての意識が欠如している。迅速な賠償が進むよう最大限のことをしていきたい」と答えました。
半世紀たちなぜ未完成/ITER機構長招き核融合技術参考人質疑
衆院科学技術特別委員会は11月24日、ITER(国際熱核融合実験炉=イーター)機構の本島修機構長を参考人として招き、核融合による発電技術などについて質疑を行いました。
イーターは、国際協力によって核融合エネルギーの実現性を研究するための実験施設です。本島氏は「ウランを使う原子炉のように高レベルで長期に放射線を出し続けるような(廃棄物の)問題はなく、全体の放射性レベルを抑えることができる特徴がある」と強調しました。
日本共産党の吉井英勝議員は、核融合を動力炉として運用する技術が研究開始から半世紀近くたっても未完成となっている要因について質問。本島氏は「高温のプラズマの保持が難しかったことにつきる」と述べました。
また吉井氏が核融合炉の核燃料となるトリチウムの除染と回収技術についてただしたのに対し、本島氏は「イーターで安全が実証されて、技術が実用化できると思っている」と答えました。
原発の老朽機・実証データなし/耐性試験の不備指摘

日本共産党の吉井英勝議員は10月26日の衆院経済産業委員会で、原発の再稼働条件とされるストレステスト(耐性試験)について、「実証実験と(テストの)コンピューター解析が一致するか確認しないとテストにならない」と指摘し、原発の実証実験データがあるのかとただしました。
深野弘行原子力安全・保安院長は「高経年化したものは承知していない」と、データがないことを認めました。これに対し吉井氏は、香川県多度津町の実験施設を売却したためだと指摘し、「地震時の健全性を判断できないのが実態だ」と主張しました。枝野幸男経産相は「実証実験の重要性について初めてうかがった。必要な措置はとっていきたい」と述べました。
また、吉井氏は、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)公開が遅れ、住民の被ばくを招いた問題をとりあげ、国の責任は重大だと追及。当時、官房長官だった枝野経産相は、情報が官邸に届いたのは3月12日だが、公表は3月23日だったと認めました。
吉井氏は、ヨウ素剤配布や服用の遅れを招いたと指摘し、住民の健康管理に国が万全の対策を講じるよう求めました。枝野氏は「最大の教訓は複合的な災害に対する備えが十分でなかったこと。福島県とともに健康調査を継続的に行う」と答弁しました。
電気料金見直し求める/大口赤字補てんを批判

電力会社が、工場やオフィスビルなど大口向けの電力料金(自由化部門)の赤字を規制部門(家庭や中小商店向け)の利益で補てんしている実態が、10月26日の衆院経済産業委員会での日本共産党・吉井英勝議員の質問で明らかになりました。
吉井氏は、2008年度には電力5社が自由化部門で1580億円もの赤字を計上しながら、規制部門では同時期に燃料費調整額を大幅に引き上げる料金改定を実施したことを指摘。1999年の電力自由化の際、自由化部門の赤字補てんを目的とした規制部門の値上げは認めないとした当時の資源エネルギー庁長官答弁を示し、「現実には自由化部門の赤字を規制部門で補てんしている」と追及しました。
吉井氏は、電力会社は「地域独占」の公益企業であるにもかかわらず、競合他社のいない規制部門から利益を生み出し、競争のある自由化部門ではほとんど利益も出さない料金設定にしていることは許されないと批判。「電気料金は中身が見えないブラックボックスとなっている。国民にきちんと資料を示して説明するべきだ。(すべての経費を一括して計上し、利益を盛り込んで電気料金を決める)総括原価方式そのものにメスを入れるべきだ」と主張しました。
枝野幸男経産相は、新たに設置した有識者会議の報告を踏まえて見直すとした上で、「来年春までかかるというレベルでなく、オープンな議論の中ですみやかに結論を出したい」と答弁しました。

原発広報・無競争で関係法人受注/原資は電気料金
経済産業省と文部科学省が委託した、原子力に関する広告やシンポジウムなど「原発安全神話」の広報事業について、原発推進の公益法人、企業などが事実上無競争で落札している実態が10月25日、明るみに出ました。日本共産党の吉井英勝議員が同日の衆院消費者問題特別委員会で取り上げたものです。
吉井氏は、2006年度以降の6年間に、広報事業にかかわる270件の一般競争入札の中で、落札者が決まらず随意契約となったのが13件、入札を行っても受注者しか入札がなかった「一者による一般競争」が138件あると指摘。平均すると6割近くになり、一般競争入札といいながら実際は競争性のある入札になっていない」と指摘しました。
しかも、落札者は、経産省や文科省、電力会社のOBが天下りしている日本原子力文化振興財団、日本生産性本部など、原発に関連のある公益法人が受注件数の上位を占めていることを示し、「国が原発にしがみついて利益を得ている団体に安全神話の『布教』を委託しているようなものだ」とのべ、抜本的に見直すよう求めました。
さらに、吉井氏は国民から徴収した電気料金の一部が、電源開発促進勘定として「安全神話」の広報の原資になっていることを指摘。「国民の電気代で「原発は安全です』『心配ありません』という広報をするのは、消費者からみておかしい」とのべ、ブラックボックスになっている電気料金を見直すよう主張しました。山岡賢次消費者担当相は「率直にいえばおかしい」と答弁しました。
東電手順書過酷事故の対策なし/保安院認める

日本共産党の吉井英勝議員は10月25日の衆院科学技術特別委員会で、24日に明らかにされた原発事故時の東電の手順書について取り上げ、過酷事故時の対策がまったく取られていなかったことが大変な事故を招いたとただしました。
吉井氏は、1999年に過酷事故を想定した手順書について質問した際、政府が「日本の原発は安全だ」として手順書の作成を電力会社まかせにしてきたことを指摘。その上で、過酷事故対策というなら、全電源が喪失しても、炉心が冷却水面の上に出ないようにすることが大原則だと強調しました。
今回、経産省が一部公開した手順書は「消火ライン系ポンプが正常なこと」と前提条件をつけるなど「全電源喪失」を想定していなかったため、中央制御室からの操作ができなくなり深刻な事態に陥ったと指摘。「そもそもシビア・アクシデント・マニュアル(過酷事故時対応操作手順書)があったといえるのか」とただしました。
深野弘行原子力安全・保安院長は「『シビア・アクシデント・マニュアル』という名称のものは整備されていたが、電気があることが前提だったので活用できなかった」と不備を認めました。
吉井氏は「(過酷事故への)まともな対策をとっていなかったことが重大な被害をもたらした」と批判。すべての手順書を公開するとともに、測定など放射線環境対策にかかる費用は東電に負担させるよう主張しました。細野豪志原発事故担当相は「(手順書は)公開の方向でしっかりとやっていく」「(費用は)東電に求めるという考え方で基本的にやっていく」と答えました。
福島第1原発・全電源喪失を想定せず/東電が黒塗り手順書を一転公開
衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会の理事会が10月24日開かれ、福島第1原発の「事故時運転操作手順書」の一部が提出されました。過酷事故(シビアアクシデント)時の手順書も提出され、東京電力が長時間の全電源喪失を想定していなかったことによって、原子炉への注水やベント(原子炉格納容器の圧力を下げるためにガスを逃す操作)をする際に手順書にそった操作を実施できなかったことが、手順書からも裏づけられました。
同委員会の再三の要求で、経済産業省原子力安全・保安院が提出したもの。通常事故時の手順書に加えて、過酷事故時の手順書の一部について、ほとんど黒塗りせずに開示されました。
今回提出されたのは1号機の手順書の一部ですが、残りの部分や2、3号機の分も、今後提出するとしています。また事故発生時の手順書の適用状況について東電がまとめた資料も提出されました。
これらの資料によると、全交流電源(外部電源や非常用ディーゼル発電)喪失時の操作は通常事故時の手順書で定めており、直流電源(非常用バッテリー)のみで動く炉心冷却装置の操作手順が記載されています。しかし事故発生で、弁の開閉や制御盤の表示が確認できない状況となり、手順に沿った操作はできなかったとしています。
過酷事故時の手順書には、ベントの際、中央操作室から弁の開閉をすることになっていましたが、それができずに現場で「手動」で弁の開操作を実施しました。原子炉への注水でも、ディーゼル駆動消火ポンプを使用する代替注水ができず、手順書になかった消防車からの注水を実施しました。
手順書をめぐってはこれまで東電が核物質防護や知的財産を理由に開示を拒んでいたため、黒塗りの状態で理事会に提出され、国民的な批判をよんでいました。
「安全神話」が生んだ事故/東電手順書で明らかに/原因解明・全原発点検を
東京電力福島第1原発1号機の「事故時運転操作手順書」の内容の一部がようやく明らかになりました。
手順書は、事故原因の解明に不可欠なものですが、東電が開示を拒んできたために、闇に包まれていました。
政府や電力会社はこれまで、炉心の核燃料が損傷するような過酷事故(シビアアクシデント)について、「わが国では起こりえない」などとして対策を怠ってきました。過酷事故に至る状況を想定した対策「アクシデントマネジメント」は、1992年の指針策定以来見直されず、電力会社の自主的取り組みとして法規制の対象とされてきませんでした。
経済産業省原子力安全・保安院は、電力各社の過酷事故時の運転操作の内容を把握していませんでした。これだけの重大事故が起こったにもかかわらず、当初は東電に手順書提出を「要請」するだけでした。今回、国会側の強い要求で、保安院は原子炉等規制法にもとづいて、事故調査に必要として東電に手順書の提出を命令したものです(別項)。
地震・津波に対する設計上の過小評価に加えて、注水やベント操作などの対応の遅れが事故の拡大につながらなかったのかどうか――。今後提出予定の残りの部分も合わせ、事故の原因解明を進めることが求められます。
同時に、全国の原発でも手順書に問題がないか、点検が求められます。
◎吉井英勝議員の談話
全電源喪失が発生すれば当然、炉心溶融の危険性が高まり、海水注入やベントも含めてとにかく炉心を冷やし続けなければならなくなります。それに対応する手順書がない状態
で、対応しなければならなかったことが明らかになりました。
政府や電力会社は、「原発は安全」と言い続けてきました。安全であることと、過酷事故(シビアアクシデント)対策を考えることは、矛盾した論理になるため考えてきませんでした。まさに「原発安全神話」です。
私は2006年の国会質問で、電源喪失時の対応を政府にただしました。当時の鈴木篤之・原子力安全委員長の答弁は、他の原子炉から電源を融通できるから大丈夫だという内容でした。同じ敷地内で同時に発生する事態を考えて対策すべきでしたが、それをしなかったことが大きな問題だったことが、今回改めて明らかになりました。
これまで政府・東電が黒塗りの手順書しか出さなかったことにたいして、国民の怒りや批判が高まり、手順書の公開を求める世論と運動が大きく広がりました。それと、世論にこたえた国会の取り組みが力となって、今回ようやく手順書が公開されました。今後は、資料の中身を精査して、事故がどのようなものであったのか、原因の究明を進めたい。
◇手順書開示をめぐる経緯
8月26日 衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会が、経産相に福島第1原発の「事故時運転操作手順書」の提出を要求。
9月2日 経済産業省原子力安全・保安院が同委員会理事会に、通常の事故時の手順書の一部のみをほとんど黒塗りで提出。同委員会は、過酷事故時の手順書も7日までに提出するよう要求。
9月7日 東京電力が拒否し、過酷事故時の手順書は同理事会に提出されず。同委員会は経産相に12日までの提出を要求。
9月12日 保安院が過酷事故時の手順書を同理事会に開示。表紙と目次のみでほとんど黒塗りの状態だったうえ、東電の求めで閲覧後に回収。同理事会では「不誠実だ」という声が相次ぎ、法にもとづく提出命令として22日までの提出を経産相に要求。
9月22日 同理事会に過酷事故時の手順書は提出されず。
9月27日 保安院が原子炉等規正法にもとづいて、東電に事故時運転操作手順書の提出を命令。東電、1号機手順書を黒塗りせずに同院に提出。
9月28日 東電が2、3号機の手順書を黒塗りせずに提出。
10月3日 東電が保安院に対して、1号機の手順書を公開する際、内容の3〜9割を不開示にするよう要求。
10月14日 保安院が1号機の手順書の一部公開を東電に通知。
10月24日 保安院が同理事会に1号機の手順書を提出。
東電の提出資料、また黒塗り/過酷事故時の手順書
福島第1原発事故をめぐって、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会(川内博史委員長)が提出を求めていた、東京電力の過酷事故(シビアアクシデント)時の「運転操作手順書」が9月12日に開かれた同委員会の理事会で開示されました。同委員会の要求に応じて経済産業省原子力安全・保安院が提出したもの。
しかし提出された資料は表紙と目次の計3枚のみで、2日に示されたものよりさらにひどいものでした。表紙に「1号機 事故時運転操作手順書(シビアアクシデント)」と書かれ、目次に「消火系」「不活性ガス系」とあるものの、目次のほとんどが黒塗りされ50行のうち2行しか読めないため、内容についてはまったく不明で、保安院の説明も1〜2分程度。そのうえ、資料は東京電力の求めで閲覧後に回収されたといいます。
理事会では「これでは事故原因を究明できない」「不誠実だ」といった声が相次ぎ、川内委員長名で同日、経産相あてに、原子炉等規制法と電気事業法に基づく書類提出を求めることを決定しました。資料の提出要求は8月26日以来4回目ですが、法律に基づく提出命令を求めたのは今回が初めて。これまでは保安院が東電に提出を要請する形でした。
要請に対して東電は「通常の事故時」の手順書を、ほとんど黒塗りの状態で提出。9月2日、理事会は過酷事故発生時の手順書を提出するよう再要求しました。しかし東電側が知的財産権や核物質防護を口実にして開示を拒否したため、理事会は7日、改めて提出を求めていたものです。
「徹底検証を」事故調に要求
衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会(川内博史委員長)の理事は12日午前、政府の福島原発事故調査・検証委員会(畑村洋太郎委員長)を訪れ、同特別委員会として事故原因の徹底検証などを求める要望書を手渡しました。日本共産党の吉井英勝衆院議員らが同席しました。
要望書は、東京電力の資料提出問題について経緯を説明。東電の回答を「不十分・不誠実の誹(そし)りを免れない」と批判し、立法府での審議と並行して、事故調における「徹底的な検証を要望する」としています。
終了後の会見で川内氏は、畑村委員長から「事実の解明は非常に重要なことであり、重く受け止める」との発言があったと明らかにしました。吉井氏は「シビアアクシデントマニュアル(過酷事故時の手順書)がどれくらい整備されていたのか疑問。全国の原発の過酷事故対策をとらせるためにも、一つ一つきちんと考えていくことが大事だ」と述べました。
東電の黒塗り手順書/原発事故発生時の運転操作/過酷事故への対応は未提出
東京電力が作成した福島第1原発事故発生時の運転操作手順書の内容の一部が9月7日、明らかになりました。9月2日に開かれた衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会の理事会に、経済産業省原子力安全・保安院が提出したもので、同委員会の川内博史委員長(民主党)が公表しました。会見には日本共産党の吉井英勝衆院議員が同席しました。手順書はほとんどの部分が黒塗りされています。
手順書には、原子炉を緊急停止した後の圧力調整や格納容器の冷却、原子炉の冷却装置の使用などについて、当直長や運転員の操作内容が書かれています。
「原子炉圧力調整」の項目では、当直長が「SRV(逃がし安全弁)による原子炉圧力制御指示」を行い、操作員が「原子炉圧力上昇時は、SRVを順次『手動開』又は非常用復水器使用により、原子炉圧力『■MPa(メガパスカル)』〜『■MPa』に維持実施、報告」するなどとあります。(■は黒塗り部分)
提出された手順書は津波後の過酷事故への対応を含んでいなかったため、理事会は過酷事故発生時の手順書を改めて7日に提出するよう求めていましたが、東電は知的財産が含まれることや核物質防護を口実にして提出を拒んでいます。理事会は改めて提出を求め、12日に同委員会を開催する方向で調整が進んでいます。
吉井氏は「東電は加害者としての責任をどう考えているのか。東電に知的財産を理由に非公開を求める資格はない。全交流電源喪失での過酷事故を想定した手順書が本当にあるのかも疑わしい事態だ」と話しています。
(写真)9月7日に明らかになった、東京電力が作成した福島第1原発事故発生時の運転操作手順書の内容の一部
解説 全容解明へ検証必要
事故時における運転操作手順書は、事故原因を解明するうえで不可欠なものです。
今回、福島第1原発は地震・津波によって電源が失われ、原子炉の冷却が不能になりました。原子炉への注水やベント操作(原子炉格納容器の圧力を下げるためにガスを逃がす操作)など、対応の遅れが事故の拡大につながったという見方があります。電源喪失時の操作が手順書で想定されていたのか、実際の対応はどうだったのかなど検証が必要です。
東京電力が、過酷事故発生時の手順書の国会提出を拒んでいることは、言語道断です。
政府や電力会社はこれまで、過酷事故は「わが国では起こりえない」などとして対策を怠ってきました。
過酷事故(シビアアクシデント)は、原子炉の暴走や冷却材喪失などによって炉心の核燃料が損傷するような重大事故です。過酷事故に至った場合の「アクシデントマネジメント」については、1992年に指針が策定されて以来見直されず、電力会社の自主的取り組みとされて法規制の対象としてきませんでした。そのため、経済産業省原子力安全・保安院は、電力各社の過酷事故時の運転操作の内容を把握していないと説明しています。
しかし、事故の重大性を考えるなら、手順書は、一企業の社内文書として公開を拒むことは許されません。全容を国民の前に明らかにし、今後の教訓としなければなりません。(中村秀生)
福島第1原発・事故操作手順書、黒塗りだらけ/衆院委理事会 東電に再提出求める
衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会の理事会が9月2日に開かれ、東京電力が作成した福島第1原発事故時の運転操作手順書が提出されました。しかし手順書は、ほとんどが黒塗りされているなど、事故原因の解明にはほど遠いもの。理事会は、津波後の対応を含む過酷事故対策の手順書を改めて提出するよう求めました。
日本共産党の吉井英勝衆院議員によると、提出された手順書は見開き12ページ。全200行以上あるうち、原子炉の緊急停止後の炉内の圧力調整の際の当直長や操作員の手順など、13行だけしか読めず、他の部分はすべて黒塗りの状態です。東電は、知的財産が含まれているなどとして非公開としています。
一方、手順書は、津波到来後の全交流電源喪失による過酷事故への対応は含んでいませんでした。同日の理事会で東電の担当者は、津波後の対応の手順書が存在すると認めました。同委員会の川内博史委員長(民主党)は、津波後を含む過酷事故対策の手順書を、改めて7日の理事会に提出するよう求めました。
2011.8.26科学技術・イノベーション推進特別委員会会議録
再生エネ法案衆院通過/電気料金抑制へ修正案
太陽光、風力などで起こした電気の買い取りを電力会社に義務付ける再生可能エネルギー買い取り法案が8月23日、一部修正の上、衆院本会議で全会一致で可決されました。
“原発促進税”活用し普及を
これに先立つ経済産業委員会で吉井英勝議員は、日本共産党が2年前も固定価格による買い取り法案を提起したことを紹介。その上で、再生可能エネルギーの買い取り費用を賦課金として電気料金に転嫁する政府案の仕組みに対して党独自の修正案を提起しました。
吉井氏は、現在の電気料金には「隠されたコスト」として、電源開発促進税などの“原発付加金”が少なくとも1キロワット時あたり0.73円含まれており、再生可能エネルギーのピーク時の負担0.5円を大幅に超えていると指摘。党の修正案にもとづき、年間約3,500億円の同税などを再生可能エネルギーの普及に活用し、電気料金への転嫁を抑制させるべきだと主張しました。
同修正案は可決には至りませんでしたが、吉井氏は政府案について、不十分ながらも固定価格買い取り制度を導入する点で評価できるとして賛成。民主、自民、公明の3党修正についても、買い取り価格決定で国会の関与を定めた点などは評価できると賛成しました。
また、電力料金の引き上げを大臣認可ではなく届け出のみで認めるようにする電気・ガス事業法改定案は、日本共産党のみの反対で可決されました。吉井氏は討論で「公共料金の認可制度を形骸化するものだ」と批判しました。

電気代原価にメスを
日本共産党の吉井英勝議員は8月23日、衆院経済産業委員会で再生可能エネルギー買い取り法案の質疑に立ち、買い取りによる電気料金への転嫁を抑制するためには、全発電コストに一定の利益を上乗せする「総括原価方式」のブラックボックスにメスを入れることこそ重要だと主張しました。
民主、自民、公明の3党修正案では、電炉、鋳造、化学といった電力多消費産業の一定の企業の賦課金(サーチャージ)を8割以上減免します。
吉井氏は、中小企業への配慮は当然だが、超大企業に配慮する必要はないと指摘。全原発を停止し、火力発電で代替した場合、減免措置の財源とされるエネルギー対策特別会計の石油石炭税が700億円も増えることを政府側に答弁させて、減免の財源が十分にあることを明らかにしました。
また、再生可能エネルギーの買い取りを増やせば、電力会社には、火力発電の“焚(た)き減らし”による化石燃料費の減少など大きなメリットがあると指摘。再生可能エネルギーの買い取り費用を電気料金に転嫁する前に、ブラックボックスとなった発電コストを明らかにすることが大事だと強調しました。
海江田万里経済産業相は「ブラックボックスの中身に日の目をあてて国民の理解が得られるようにする」と答弁。吉井氏は、電気料金にはすでに原発推進のための“原発付加金”ともいうべき費用が含まれており、財源を組み替えれば国民負担を軽減できると主張しました。
地域発展と一体に/再生エネルギー法案で要請

日本共産党の吉井英勝議員は8月10日、再生可能エネルギー買い取り法案の審議で開かれた衆院経済産業・農林水産・環境連合審査会で、再生可能エネルギーを地域経済の発展と結び付け、爆発的に普及させるための支援を求めました。
吉井氏の質問に、環境省は、風力、中小水力、地熱、太陽光発電(住宅用以外)の導入ポテンシャル(潜在的導入可能量)は1年間の発電量で合計5兆キロワット時と答弁。吉井氏は、「現在の総発電電力量(約9千億キロワット時)の5倍以上だ」と述べ、普及促進の意義を強調しました。
高知県梼原(ゆすはら)町では、風力発電の売電収入の一部を間伐補助金に回し、端材を木質ペレットにして、ストーブやビニールハウスのボイラーの燃料にしていることを紹介。焼却灰も土地改良剤として活用できるので廃棄物処理法の対象外とするなど国としても地域循環の再生可能エネルギー普及の取り組みを応援すべきだと述べました。
江田五月環境相は、「よく検討したい」と答弁。鹿野道彦農水相は、木質ペレットについて「火力発電所での利用も推進したい」と述べました。
吉井氏は、それぞれの再生可能エネルギーについて、開発・普及段階や特性、地域や規模に合わせたきめ細かい買い取り価格を設定することで爆発的に普及するよう取り組むことが大事だと述べました。
「安全神話」の原発広報見直しを/独立した規制機関提起
日本共産党の吉井英勝議員は8月9日の衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会で、「安全神話」を振りまく原発広報を根本的に改めるよう求めるとともに、原発ゼロを目指す独立した規制機関を提起しました。
吉井氏が国による原子力広報の総額をただすと、内閣府の泉紳一郎政策統括官は、2006年度から2011年度までで約394億円(年間平均約66億円)が費やされたことを明らかにしました(資料参照)。
吉井氏は、アメリカのスリーマイル島原発事故が起きた1979年から1980年にかけて経済産業省の広報予算が2.3倍化し、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故が起きた1986年から1989年にかけても全体の広報予算が2倍化したことを示し、「大事故のたびに広報費が急増して、原発の危険から国民の安全を守ることに頭を使わないで『安全神話』を宣伝してきた」と指摘。異常な広報予算を根本的に改めるよう求めました。
細野豪志原発担当相は吉井氏が示した広報予算の動きについて「資源エネルギー庁と原子力安全・保安院が混然一体で広報予算を使い、安全サイドにたった業務がやられていなかった象徴だ」と述べ、「根本的に考え方を転換し、白地から絵をかき直さなければいけない」と答えました。
規制機関について吉井氏が、民主党のエネルギー基本政策(2002年では行政から独立した機関の設置を掲げていたはずだと指摘すると、細野氏は「行政庁の方が危機管理に資する」などと釈明しました。
再生可能エネルギーの普及と電気料金の「賦課金」低減は両立可能

日本共産党の吉井英勝議員は8月3日、衆院経済産業委員会で、再生可能エネルギー固定価格買い取り法案について、原発推進のために電気料金にもぐりこませて徴収されている「原発付加金」などを回せば、買い取りコストの電気料金転嫁の抑制と再生エネルギーの爆発的普及は両立できると迫りました。
政府案では、電力会社が再生エネルギーの買い取り費用を電気料金に「賦課金」として上乗せする仕組みとしています。
吉井氏は、月290キロワット時を使う標準世帯(東京電力)の1カ月の電気料金の中に▽原発促進が中心の電源開発促進税の負担108円▽使用済み核燃料の再処理から廃炉・解体にいたるまでの負担102円―が含まれ、すでに消費者は買い取り制度による賦課金が最も高くなるとされる2020年度の1キロワット時あたり0・5円より高い0・7円強の負担をしていることを明らかにしました。
また吉井氏は、電気料金の明細書を示し、「太陽光促進付加金」は明示されているが、原発関連の負担は記載されていないと指摘。電気料金にすべてのコストを反映させる「総括原価方式」のブラックボックスにメスを入れよと求めました。
海江田万里経済産業相は、「ブラックボックスの中をしっかり開けて無駄がないか明らかにしなければならない」と答えました。
原発コストは政府試算の倍/再生エネ法案/参考人が指摘
衆院経済産業委員会は7月29日、再生可能エネルギーで作った電気の買い取りを電力会社に義務付ける法案について参考人質疑を行いました。
日本経団連の進藤孝生環境部会長は、電炉の分野では影響があるが、新日鉄では高炉で使う以外に200万キロワットも売電していることを明らかにしました。
大島堅一立命館大学教授は「製造コストに占める電力コストは主要産業で1、2%。為替変動リスクの方が大きく、産業への影響はそれほど大きくない」と強調しました。
また大島氏は、ドイツでは固定価格買い取り制度で風力、太陽光発電などが大きく普及しており、日本でも同制度の導入で再生可能エネルギーを爆発的に普及することに期待を表明しました。その上で、▽再生可能エネルギー導入目標の設定▽買い取り価格は透明性確保のため国会で決定する▽再生可能エネルギーの優先接続、優先給電を盛り込む―などを提案しました。
日本共産党の吉井英勝議員は、地域分散型の再生可能エネルギーに切り替える意義を指摘。八木誠電気事業連合会会長は「種々の電源をもっている」と釈明しながらも、再生可能エネルギーは「重要なエネルギー源の一つ」と答えました。
吉井氏が原発の発電コストについて質問したのに対し、大島氏は「他電源と比べると(国策として)多くの財政資金を投入してきた」と述べ、事業者のコストに国の財政コストを足すと、政府試算の約2倍のコストになる試算を示しました。
原発に国費16兆円/「再生エネルギーに振り向けよ」

日本共産党の吉井英勝議員は7月27日の衆院経済産業委員会で、再生可能エネルギー買い取り法案の質疑に立ち、原発に振り向けられてきた国費の流れを切り替え、再生可能エネルギーを爆発的に普及させるよう迫りました。
吉井氏に政府は、現在価格に換算した原発の建設費の合計が約14.5兆円、原子力関係の国費の投入額が約16兆円にのぼることを明らかにしました。
吉井氏は、原発のコストは、非常に大きいという認識を出発点とすべきだと主張。海江田万里経産相は「原子力発電のコストは安い、再生可能エネルギーは高いという前提には立たない」と述べました。
吉井氏は、原発に投じた約16兆円の国費を再生可能エネルギーに投じると、太陽光発電でみても、日本の全発電電力量の9分の1は超えたはずだと指摘。資源エネルギー庁の細野哲弘長官が、地熱などでは日本の再生エネルギーは「相当ポテンシャルが大きい」と答えたのに対し、吉井氏は「日本の条件を生かす方向を前進させるため、国費の流れを変えることが大事だ」と強調しました。
さらに吉井氏は、原発立地自治体では、交付金に依存しており、農林漁業や製造業などの比率が再生可能エネルギーに取り組んでいる自治体の半分以下となっていることや、財政や産業構造にゆがみが出ていることを指摘。海江田氏は「光と影には向き合っていかなければならない」と述べました。
吉井氏は、原発促進の電源開発促進税を固定価格買い取り制度に振り向け、電気料金に新たな付加金を課すことなく再生可能エネルギーの普及をはかるべきだと強調しました。
原発事故は「利益共同体」が賠償を

日本共産党の吉井英勝議員は7月20日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、福島原発事故の損害賠償を東京電力とともに株主や金融機関、原発メーカーなど「原発利益共同体」に果たさせるよう求めました。
吉井氏は「東電には第一義的に責任集中と無限責任がある。全面賠償に誠意を持って取り組み、被害者の人生を元に戻すことに責任をもつことだ」と指摘。東電が国に資金援助を求める一方、金融機関に債権放棄を求めていないことを批判し、株主や金融機関などに負担させるべきだと迫りました。
海江田万里原子力経済被害担当相は「利害関係者に負担を求めるように伝えている」と答弁。吉井氏は「そうなっていない。債権放棄も株主責任も求めず、いくらでも何度でも支援することになっている。東電と大銀行救済スキームだ」と批判しました。
吉井氏が、欠陥が明らかになった福島第1原発の製造会社に製造物責任の補償を求めるよう迫ったのに対し、海江田氏は「東電の判断でやってもらえれば」と答弁。吉井氏は「原発メーカー、メガバンクなど『原発利益共同体』に全面賠償の社会的責任を果たさせる立場に政府が立つべきだ」と強調しました。
吉井氏は、政府が1キロワット時5円30銭で安いと宣伝してきた原発のコストについて、国の財政から1995年以降で14兆円超もの予算が投じられていることを指摘。これに今回の損害賠償や収束コストを合わせると東電の発電コストは100円前後の高いものになるのではないかと質問しました。
海江田氏は「安い電源だと言わないようにする」と明言。「(原発の)コストの安さを強調するあまり、安全対策に十分な手だてが打たれなかった」とし、今後コストを精査すると答弁しました。
玄海原発の説明番組/目的を「再稼働」に変更/経産省も承認

“やらせ”メールが問題になった佐賀県の九州電力玄海原発にかんする説明番組(6月26日、経産省主催)が、直前に「緊急安全対策の説明」から、「再起動の地元了解」へと目的が変更されていたことが、7月20日の衆院東日本大震災復興特別委員会で明らかになりました。日本共産党の吉井英勝議員が内部資料をもとに追及したもの。
吉井氏によると、政府は吉井氏の質問主意書に対する答弁書(7月5日)で、同番組について、「佐賀県から緊急安全対策等について県民への説明の機会を設けてほしいと要請があったため」と説明していました。
しかし、番組直前の6月17日、番組を受託した「(財)日本生産性本部」が資源エネルギー庁に計画変更を申請。「再起動に係る地元了解が必要であり、県民に対し原発の安全性と必要性を訴求力のあるケーブルテレビにより放映するため」として、契約金額を697万円から1276万円に倍加するよう要請。資源エネルギー庁は同23日、変更を承認しました。
再稼働押し付けの舞台づくりに経産省が関与していたことを示すもので、吉井氏は「番組自体が仕組まれたものだった。九電はもちろん経産省の責任は重大だ」と強調しました。
吉井氏は、同本部は財界系シンクタンクで原発の推進を掲げており、理事など役員には東京電力の勝俣恒久会長はじめ各電力会社・原発メーカー関係者が多数名を連ねる「原発利益共同体」の構成団体だと指摘しました。
「資源エネルギー庁と生産性本部の間で再稼働が画策されていたことは極めて重大だ。はじめに再稼働ありきの筋書きにもとづいてすすめられてきたことは明白だ」とただすと、海江田万里経産相は「調査する」と答弁。吉井氏は、黄川田徹復興特委員長に対しても、経産省の関与も含め調査し報告するよう求めました。
福島第1原発・建屋内のクレーンの機能残っているか

日本共産党の吉井英勝議員は、7月15日の衆院経済産業委員会で、07年の中越沖地震で東電の柏崎刈羽原発の建屋内クレーン1機が破損したことを指摘して、東電の福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の原子炉建屋内にある1〜6号機のクレーンと燃料取り換え機の状況をただしました。
天井クレーンと燃料取り換え機は、将来の燃料の取り出しなど事故の収束を進める上で重要な機器です。
原子力安全・保安院の寺坂信昭保安院長は1、3号機では大きく損傷していると推定されるとの考えを示しました。また、4号機は「落ちていることはないと思っているが、機能は確認できていない」と述べました。冷温停止状態にある5、6号機に関しても機能が維持されているか「確認できていない」と答えました。2号機については「一応健全な状態にあるのではないか」と述べました。
吉井氏は、「深刻なダメージを地震そのものによって受けているのではないか」と追及。寺坂院長は、使用済み燃料の取り出しについて、「非常に大切な中期的な課題として今後検討していく」と答えました。
対北朝鮮貿易禁止は当然、日本も原発から撤退を

衆院経済産業委員会は7月15日、北朝鮮の核兵器開発に対する「制裁」措置としての北朝鮮との輸出入全面禁止の延長について全会一致で承認しました。
質問に立った日本共産党の吉井英勝議員は、北朝鮮の核兵器開発に対する貿易禁止措置は当然だが、日本が進める原子力の軽水炉路線も核兵器につながるプルトニウムを大量に作り出すことになると批判しました。
吉井氏は、北朝鮮が軽水炉建設を進めるとプルトニウムが生まれると述べ、北朝鮮が現在保有しているプルトニウムやウランの量などについて質問。外務省の杉山晋輔・外務省アジア大洋州局長は、プルトニウムの量については明らかにしませんでしたが、ウランについては「年間、最大2トンの低濃縮ウラン、最大40キログラム高濃縮ウランが製造可能と報告されている」と述べました。
また、吉井氏の質問に、細野哲弘資源エネルギー庁長官は、日本の使用済み核燃料から生まれてきたプルトニウムの量について未処理のものもあわせて2009年末で158・8トンにのぼることを明らかにしました。
吉井氏は、「北朝鮮に核兵器開発をやらせないための『制裁』は当然だが、日本も軽水炉路線を進めれば、プルトニウムがたまり、それ自体が国際的不信を招くことになる」と指摘。「原発が地震のさい安全性を保つことが困難であることも明らかになった。原発からの撤退を決断すべきだ」と主張しました。
原発撤退し政策転換を/再生可能エネ法が審議入り/吉井議員・本会議で質問

再生可能エネルギーの固定価格買い取りを電力会社に義務づける法案が7月14日、衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の吉井英勝議員は「日本共産党はかねてから再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を提唱してきた。それは放射能汚染を起こさないエネルギーこそが人類社会の将来を展望した時に不可欠だからだ」と述べ、その必要性は今日の福島原発事故によって立証されたと強調しました。
再生可能エネルギー買い取り法案の質問で吉井氏は、政府はこれまで原子力発電を「安い」「クリーン」「安定供給に優れている」としてきたが、今回の原発事故がもたらした深刻な被害や、石油ショック以来2度目となる電力使用制限令を招いたことをみれば成り立たないと指摘。コストでも、政府は原発の発電コストが1キロワットあたり5円30銭で最も安いといってきたが、建設費や核燃料再処理費、電源立地交付金などを含めれば、10円68銭で最も高コストとの試算もあると追及し、原発からの速やかな撤退をもとめました。
吉井氏は、風力、太陽光、小水力、洋上風力、地熱発電など、「日本は豊かな自然に依拠した新しいエネルギーを生み出す可能性をもっている」と強調。日本国内やヨーロッパの取り組みを紹介し、再生可能エネルギーを中心にして、地域で発電しその地域で消費する「地産地消」にむけた「国レベルでの政策の転換」が必要だと迫りました。
吉井氏は、法案が、電力会社が買い取り費用を電気代に上乗せする仕組みになっており、普及を妨げることになると指摘。原発推進のため自治体にバラまかれてきた電源開発促進税を買い取り費用に充てれば、電気代の値上げなしに再生可能エネルギーの爆発的普及を図ることができると主張しました。
海江田万里経産相は、「原子力の安全性に対する国民の信頼が揺らいでいる」と述べたものの、原子力政策については「予断なく議論していく」との答弁にとどまりました。再生可能エネルギーについては2020年代のできるだけ早い時期に発電総量の20%を超える水準をめざすことを改めて表明。電源開発促進税を買い取り費用に充てることについては、「非常に困難」と答えました。
再生可能エネルギー買い取り法案/吉井議員の衆院本会議での質問
日本共産党の吉井英勝議員が7月14日、衆院本会議で行った再生可能エネルギー買い取り法案に対する質問は次のとおりです。
私たちは、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を提唱し、再生可能エネルギーの爆発的普及を主張してきました。放射能汚染という最悪の環境汚染をおこさないエネルギーこそが、人類社会の将来を展望したときに不可欠だからです。その必要性は、今回の東電福島原発事故によって実証されました。
原発コストは
第1は、再生可能エネルギーと原発をエネルギー政策にどう位置づけるかという問題です。
政府は、エネルギー基本計画において、原発は「安く」て「クリーン」で「安定供給」に優れている「基幹電源」だと位置づけ推進してきました。一方で、再生可能エネルギーは「クリーン」だが「高い」上に「供給も不安定」だと低い位置づけしか与えてきませんでした。今回の原発事故をうけて、こうした位置づけを根本的に変えたのですか。
再生可能エネルギーをいつまでにどの程度普及するのか。原発からはいつまでに撤退するのか、明確な答弁を求めます。
原発事故による大規模な放射能汚染は、福島県民はもとより全国民の健康、生命、財産を侵害し、営業と雇用そして地域経済や地域社会を破壊しました。放射能で汚染された大気、水、土壌、海、食品をはじめとした生活環境の汚染で不安な日々を送らされています。原発は、発電時の二酸化炭素排出量は少ないかもしれませんが、今回の大事故をうけても原発はクリーンというのですか。
原発事故によって、石油危機に続き2度目の電力使用制限を出さざるをえなくなりました。この10年間をみても原発は、地震、事故、トラブル隠しでたびたび停止しており、原発は安定した供給電源といえないのではありませんか。
これまで電力会社や政府・資源エネルギー庁などは、水力や火力などに比べて原発の発電コストは5円30銭で最も安く、再生可能エネルギーのコストは高く、中でも太陽光発電は原発の9倍もかかると説明してきました。しかし、今回の事故を契機に、原発コストは安いどころか隠されたコストがあることが明らかになってきました。
①原発の建設、維持管理、核燃料購入などこれまでに投じられてきた費用 ②使用済み核燃料の再処理や高レベル放射性廃棄物処分費、廃炉にいたるバックエンド(後処理)費用 ③電源立地交付金などの電源3法に基づく交付金や、旧動燃事業団以来の再処理研究開発や高速増殖原型炉もんじゅ開発などの技術開発費を含め、これまで原発のために投じてきた予算は総額いくらになりますか。
それぞれ1キロワット時あたりいくらになるのか。原発は、少なくとも1キロワット時あたり10円68銭で最も高コストの電源という試算も出ています。さらに、今回の原発事故による大規模な賠償費用や事故処理コストが加わります。総額いくら見積もっているのか。
トップクラス
第2に、これまでの原発中心の大規模集中立地から、再生可能エネルギー中心の小規模分散、その地域で発電したものをその地域で消費する「地産地消」型エネルギー政策への大転換をどう進めるかという問題です。
政府はこれまで、日本は「資源のない国」といい、エネルギーの多くを石油などの化石燃料や原発に依存してきました。しかし、再生可能エネルギー・自然エネルギーに目を向ければ、日本は世界でトップクラスの資源国だといえます。
風力、太陽光をはじめ、小水力発電、洋上風力、潮汐発電、海洋温度差発電、木質バイオマス発電、地熱発電など、日本列島はその豊かな自然に依拠した新しいエネルギーを生み出す可能性をもっています。岩手県葛巻(くずまき)町、高知県梼原(ゆすはら)町、長野県飯田市など各地で、多様で具体的なとりくみが進められています。
ヨーロッパでは、ドイツ、スペインなどで再生可能エネルギーの普及が進んでいます。それは、電力の固定価格買い取り制度の導入など国レベルで政策を進めているからです。
日本で問われているのは、国レベルでの政策の転換です。買い取り制度とともに、発送電分離について検討し、送電部門を分離して電力の安定供給と再生可能エネルギー電源の優先接続を行うことが、諸外国では当然の方策となっていますがどう考えますか。
電気代上げず
法案は、電力会社が買い取り費用を電気代に上乗せし、それを届け出のみで認めるしくみとなっています。現行の「太陽光促進付加金」のように電気料金に上乗せされると電気代が上がることになり、普及を妨げるという懸念があがっています。
検討すべきは、電気代に含まれている電源開発促進税です。標準世帯で月平均112円、全国で年間約3500億円、これまでに総額5兆円が電気代とともに徴収され、その多くが原発推進のため立地自治体への交付金の財源としてバラまかれてきました。この電源開発促進税を再生可能エネルギーの買い取り費用に充てれば、電気代の値上げなしで再生可能エネルギーの爆発的普及を図ることができるではありませんか。その方策こそ進めるべきです。
電事連会長に「原発安全神話」ただす/衆院復興特

衆院東日本大震災復興特別委員会は7月13日に原子力損害賠償支援機構法案に関する参考人質疑を行いました。
電気事業連合会の八木誠会長は、電力会社の責任は棚に上げて、「国の支援を積極的に発動していただきたい」と述べ、安全無視の原発事業に反省もなく「原子力について安全性を確保した上で今後も有効活用していく必要がある」としました。
全国銀行協会の永易克典会長は「成立が遅れた場合、東電が債務超過に転落してしまう」と述べ、国民負担による東電と大銀行救済策を押し付ける姿勢を示しました。
大阪市立大学大学院の除本(よけもと)理史准教授は、「補償対象の範囲を狭く限定して『線引き』をするのではなく、全面的に補償することが大変重要。原子力発電の『真のコスト』をきちんと計算できることになる」と指摘。東電に直接的責任があり株主や金融機関も含めた債権者が一定負担をすることがスジだが、法案では電気料金や税金を通じて国民に転嫁されていく可能性が残っていると批判しました。政府は東電に責任をまっとうさせる役割があると強調しました。
日本共産党の吉井英勝議員は、「全電源喪失も炉心溶融も何度も国会で警告してきた。それを聞き入れず、非常に重大な問題になった。安全神話があったのではないか」と質問。八木会長は「これまでの対策に不備があった」と認めました。
吉井氏が電力会社は免責されるのか問うと除本氏は「東京電力の責任制限をすべきかどうかは問題にならない。重大な過失まで指摘されている」と述べました。
また吉井氏は、貸し手先である電力会社の「安全神話」や地域独占によって銀行は確実に利益を得られた状態であったことを指摘し「債権放棄をする覚悟があるか」とただしました。永易会長は「いろんなバー(条件)をクリアしない限り応じないというのが原則的立場だ」と応じない考えを示しました。
東電・大銀行救済に固執する首相/原子力損害賠償支援機構法案
原子力損害賠償支援機構法案に対する日本共産党の吉井英勝議員の質問(7月8日の衆院本会議)に、菅直人首相は「迅速、適切な損害賠償の実施が困難になる」として東京電力の「法的処理は適切でない」と答えました。東電と大銀行救済に固執する姿勢が浮かびあがっています。
吉井氏は、東電の賠償が10兆円単位と見込まれるなかで、「東電の純資産は1兆6000億円であり、債務超過、実質破たんとみるべきだ」と指摘。「破たん企業なら通常、法的整理で資産のほかへ株主、金融債権者など利害関係者に最大限負担を求めるのが筋だ」とただしました。
東電は大手銀行や生命保険会社が支える政官業癒着の原発利益共同体を形づくってきました。
法的整理を実施し、裁判所も関与しながら処理を進めることで、東電による資産の散逸や資産の浪費を防ぎ、債権放棄や株主責任を取らせるとともに、被害者に対する公正な損害賠償を行うことが可能になります。そのために一定の時間を要するのは当然のことです。それまでの間は仮払いを行うなどして対応すればよいことです。
今回のスキームでは賠償財源は電気代となって国民負担になってはね返ってくることになります。吉井氏は「国民負担によって東電の株式上場を維持し、大株主で巨額の金融債権を持つメガバンク救済のスキーム」と批判しました。
首相の言い分は「迅速で適切」を理由に大銀行に責任を負わせることなく、東電と大銀行を救済しようとするものです。
吉井氏は、賠償財源というなら、すでに積み立てている使用済み燃料再処理等引当金2兆9000億円、原発推進の核燃料再処理費用など、東電と電力業界の内部留保と埋蔵金の活用を主張。日米の原子炉メーカーなどに責任を取らせることも求めました。
首相は、被害者の賠償債権や事故処理に関する取引債権が法的処理によって損なわれることになると弁明しました。
取引業者の債権確保は、更生計画の中で位置づければよいことです。経営責任を負うべき大銀行に債権放棄をさせて、中小業者に対する債務の支払いに充てることも十分検討されるべきです。
首相は「電力の安定供給を果たすことが困難になる」ことも理由にあげています。
電力供給は、法的整理を実施しても、国が責任をもって安定供給の責務を果たさせるようにすればよいことです。
原発事故賠償法案が審議入り/衆院本会議で吉井議員追及

東京電力福島第1原発事故による損害賠償に関する原子力損害賠償支援機構法案が7月8日、衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の吉井英勝議員は、「東電と大株主であるメガバンク救済のスキーム(枠組み)だ。『原発利益共同体』の関係者に社会的責任を果たせと求めるべきだ」と主張しました。
吉井氏は、「事故は、『安全神話』にどっぷりとつかり、警告を無視して安全対策を怠ってきた東電と歴代政府によってもたらされた人災であることを認めるべきだ」と批判。その上で、「東電に迅速で全面的な賠償を実施させることが国の責任の基本だ」として、全面賠償の原則を国として明確にするよう要求しました。そして、あらゆる被害を対象とすべきだと述べ、政府の紛争審査会の賠償指針は実態にそぐわないものだと批判し、被害者を審査会に加えるなどして抜本的に見直すよう求めました。
吉井氏は、東電は債務超過が見込まれ、実質破たんとみなすべきなのに、法案は政府と支援機構が「何度でも資金援助」し、東電を「債務超過させない」ものとなっており、異様な東電救済策だと指摘。結局、賠償原資は電気代になって国民負担にはねかえってくると述べ、「国民負担によって東電株式上場を維持し、大株主で巨額の金融債権を持つメガバンク救済スキーム」と批判しました。
賠償財源について吉井氏は、使用済み燃料再処理引当金2兆9000億円、原子力推進のための核燃料再処理費用16兆円など、東電と電力業界の内部留保や埋蔵金の活用を提起。日米の原子炉メーカーなどに責任を取らせることも求めました。
吉井氏は、原発新増設のエネルギー基本計画を見直そうとしない政府の姿勢を批判し、「原発からの撤退」と再生可能エネルギーの爆発的普及こそ必要だと強調しました。
菅直人首相は、「安全神話が政府にも事業者にもあったことは謙虚に反省すべきだ」と答えました。メガバンクや原発メーカーなどの責任については、「利害関係者への要請が前提になっている」というだけで、東電についても「資産の売却を含め最大限の努力を行う」と東電まかせの答弁に終始。電気料金の値上げについては、「申請があれば厳格に審査する」と述べるにとどまりました。
原子力損害賠償支援機構法案に対する吉井議員の質問
衆院本会議で7月8日、日本共産党の吉井英勝議員が行った原子力損害賠償支援機構法案に対する質問(要旨)は次の通りです。
今回の事故は、「想定外」ではありません。私は2005年以降、国会質問などを通じ、政府と東電に警告し、全電源喪失が起き、炉心溶融に至ることも指摘し続けてきました。
東電も政府も、多重防護による安全対策によって、そうした事態は起こりえないとしてきましたが、「あってはならない」とした事故は現実に起きました。
菅首相は、私の質問に「これまでの政府の対応は間違いだった」と答弁しました。原発事故は、「安全神話」にどっぷりつかり警告を無視し、安全対策を怠ってきた東京電力と原発推進の国策を推し進めてきた歴代政府によってもたらされた人災であることをはっきり認めるべきです。
全面賠償を明確に
この認識に立てば、東京電力は全面的な賠償に第一義的責任を果たさなければなりません。東電に迅速で全面的な賠償を実施させることが国の責任の基本です。原発事故がなかった場合に得られたであろう収入と、現実の収入との差額のすべてを賠償する。事故に起因するすべての被害を対象にする。全面賠償の原則を国として明確にすべきです。
20キロ、30キロという機械的な線引きで切り捨てない。放射能汚染と内部被ばくを含む健康被害、農林水産業・加工業、中小商工業と観光業の損害、風評被害なども含め対象にすること。自主避難を含め避難によって被ったあらゆる被害、物的精神的被害も当然、対象とすべきです。
政府の紛争審査会で賠償基準の指針づくりが行われていますが、対象を20キロ、30キロ圏内に限定するなど、まったく被害の実態にそぐわない不十分なものです。審査会委員は、9人中3人が電力会社がつくった日本エネルギー法研究所に所属し関係する法律家です。被害者側の委員は1人もいません。被害者を入れて、被害者が納得できる基準づくりができるよう、審査会のあり方を見直すべきです。
原賠法は目的から「原子力事業の健全な発達」の文言を外し、被害者救済に徹する制度に改めるべきです。
東電は実質破たん
東電に第一義的な賠償責任を果たさせるためには、全資産を可能な限り賠償にあてさせ切ることです。賠償は少なくとも数兆円から10兆円単位と見込まれます。東電の資産は1兆6千億円であり、債務超過、実質破たんとみるべきです。破たん企業なら通常、法的整理で資産のほか株主、金融債権者などステークホルダー、利害関係者に最大限の負担を求めるのが筋です。
ところが法案は、政府と支援機構が「何度でも資金援助し」、「債務超過にさせない」(閣議決定6月14日)仕組みで、東電の存続を絶対の前提にした異様な救済策、東電救済スキームです。法案は「特別事業計画」で「関係者への協力の要請」を規定していますが、なぜ株主責任やメガバンクに債権放棄を求めないのでしょうか。
法案は、賠償資金として交付国債などの公的資金と税金投入も予定していますが、地域独占体制と総括原価方式のもとでは結局、返済原資は、電力会社の事業収入コストすなわち電気代となります。
結局、三井住友銀行など3メガバンクと経産省・財務省がつくったシナリオに基づく、国民負担によって株式上場を維持し、大株主で巨額の金融債権を持つメガバンク救済のスキームではありませんか。これでは到底、国民の理解を得ることはできません。
埋蔵金と内部留保で
国民に安易に賠償負担を求めることは許されません。賠償財源として、東電と電力業界のいわゆる埋蔵金、内部留保を活用すべきです。すでに積み立てている使用済燃料再処理等引当金2兆9千億円を取り崩すことをはじめ、原発推進のための核燃料再処理費用で、今後も電気代から積み立てられる約16兆円を活用すべきです。
原子炉メーカーなどに責任をとらせることも大事です。福島第1原発は米国GE社製のマークIを原型としています。今回、欠陥品であったことが証明されたわけであり、納入メーカーなど関係事業者に賠償責任を問うべきではありませんか。
そもそもわが国の実用原発は戦後、日米原子力協定のもと日米の原子力産業によって導入、推進されてきました。東芝、日立、三菱重工、GEなど原子炉メーカーと鉄鋼、セメント、ゼネコン、大商社、メガバンクで形成されてきた「原発利益共同体」とも言うべき財界中枢の利害関係者に社会的責任を果たすよう求めることを強く主張します。
エネルギー政策の抜本的転換は不可避です。ところが政府は、昨年決定した原発を14基新増設するエネルギー基本計画を見直すといいながら、いまだにその方向すら示していません。
わが党は、原発からの撤退、再生可能エネルギーの爆発的普及を提言しています。この方向こそ求められていることを強調して質問を終わります。
福島第1原発事故・事故処理費も国民負担/政府の賠償枠組みを批判
日本共産党の吉井英勝議員は6月1日の衆院経済産業委員会で、福島第1原発事故の損害賠償を支援する政府の枠組みについて、「東京電力を救済するスキームになっている」と批判しました。
賠償スキームは新機構を設立し、東電の支払い能力を超える部分を政府が支援するというものです。吉井氏は損害賠償以外にも事故処理費などの経費が膨大になることが予想され、事故処理ビジネスの利益を生み出すことを指摘。東電の3月期決算では事故処理費を4262億円計上しているが、「今後どれほど膨らむのか」とただしました。
資源エネルギー庁の細野哲弘長官は「決算時に見込めるものと見込めないものがあり、将来、変更がありうる」と答弁しました。
吉井氏は、電気料金が、すべての費用を転嫁できる「総括原価」方式で決められていることをあげ、「事故処理費も国民が負担することになる」と追及。海江田万里経産相は「ストレートに電気料金にのせないよう努力をしている」と弁明に終始しました。
吉井氏は、電力会社はそもそも「地域独占」で利益を確実に確保できる仕組みになっているとして、「この『地域独占』『総括原価方式』を切り替えないと福島原発事故を引き起こした構造は打破できない」と強調しました。
福島原発事故・GE社の責任も問え/原子力協定でのアメリカの免責条項ただす
日本共産党の吉井英勝議員は5月27日の衆院経済産業委員会で、福島原発事故被害者への全面賠償には、東京電力とともに米ゼネラル・エレクトリック(GE)社などの製造者責任も問うべきだと追及しました。
吉井氏は、福島第1原発は1号機はGEが作り、2号機以降もGEと東芝などが作ったことを指摘しました。1958年発効の日米原子力協定では、アメリカの要求で、米国側が提供した核燃料の加工、使用などによる損害については第三者に対する責任を含め「その責任を免かれさせ」るとした「免責」条項が盛り込まれており、68年協定でも引き継がれていることを確認。現行の88年協定でも「旧協定の下で開始された協力は…継続する」とされておりGEの責任が免責されかねないとただしました。
外務省の武藤義哉審議官は「88年の現協定では旧協定の免責規定は継続されていない」と答弁。吉井氏が、GEの元技術者が第1原発の欠陥を指摘しているが製造物責任を問えるのかとただすと、武藤氏は「後は関係法令や契約内容で判断される」と述べました。
吉井氏は、東芝や米国企業による日米チームが「事故処理ビジネス」にも乗り出している実態を示し、これまで1〜6号機の建設費総額のうちGEに支払われた特許料・技術料や、東電が先の決算で示した4262億円の収束処理費のうち米側に支払われる内訳を質問。「確認できない」(細野哲弘資源エネルギー庁長官)などとして答弁できない政府側に、これら東電のコストは「総括原価方式」で国民の電気代に転嫁されるもので「アメリカに気を使ってモノが言えないエネルギー政策の根本転換が必要だ」と力説しました。
政府に東電社員36人が在籍出向/まるで霞が関出張所

東京電力から政府への在籍出向者が36人にのぼる実態が5月27日の衆院経済産業委員会で明らかになりました。日本共産党の吉井英勝議員が取り上げたもの。吉井氏は「まるで東京電力の霞が関出張所。官民癒着といわれてもしかたない」と批判し、きっぱりやめるよう求めました。
在籍出向は、内閣官房の副長官補、内閣府の原子力安全委員会事務局、高速増殖炉「もんじゅ」の開発にかかわる文部科学省原子力研究開発課など原子力・電力政策関係部門に集中しています。
吉井氏の質問に対して政府は、東電からの在籍出向は、内閣官房12人、内閣府15人(現在3人)、文科省9人(現在2人)にのぼると答弁。さらに全電力会社からの在籍出向数は内閣官房が20人、内閣府が65人(電力関係公益法人含む)、文科省が14人(03年以降)と答えました。約100人の電力会社からの在籍出向のうち東電からの採用が3割を超えています。
吉井氏が「企業に在籍のまま、公募もせず、前任者が東電に戻ると次の人が翌日から採用される構造が続いている」と指摘すると、海江田万里経産相も「おかしなものがある」「官房長官ともよく相談して本来の官民交流の趣旨が徹底されるよう検討したい」と述べざるをえませんでした。
吉井氏は、経産省には東電の在籍出向者はいないものの、東電への天下りが極端に多いことをあげ、在籍出向と合わせて、「官民癒着が原発利益共同体の重要な一部を形成している」とあらゆる癒着を断ち切るよう要求。海江田氏は「官民交流が癒着とか利権構造の中に組み込まれていることはあってはならない」と答弁しました。

島根原発でも冷却喪失の危険/全原発の対策要求

日本共産党の吉井英勝議員は5月25日の衆院経済産業委員会で、島根原発では想定内の津波による引き波で海水取水ができなくなり、冷却機能が失われることを指摘し、全国のすべての原発について津波・地震対策をとらせるよう求めました。
原子力安全・保安院は、福島原発の事故を受けて原発の緊急安全対策を実施するよう電力各社に指示。今月6日に「(対策は)適切に実施されている」との判断を下しました。
吉井氏が、「東日本大震災による女川原発(宮城県)の原子炉建屋や中越沖地震時の柏崎刈羽原発(新潟県)のタービン建屋で記録した2000ガルの地震に遭遇した時の原発プラントの健全性がどうなるのか調べたのか」とただすと、原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は「(指示は)津波への緊急安全対策で、それ以外の部分については本格的に含まれていない」と答弁しました。
吉井氏は、津波対策をみても、島根原発では海水引き込み口の水位が1号機でマイナス2.4メートル、2号機でマイナス3.5メートルしかないと指摘。津波による引き波の想定は標準海水面からマイナス5.7メートルなので、「海水で熱交換して冷却する機能が失われる」と追及しました。寺坂院長は「引き波による水確保への対応もカバーしている部分が相当ある」と釈明しました。
吉井氏は、2006年から引き波による冷却機能の喪失問題を取り上げているのに「まだ対策がとられていない」と指摘。さらに、問題の根本には地震列島である日本での原発立地にあるとして、「原発依存のエネルギー政策はやめるべきだ」と強調しました。
内部被曝“健康に影響大きい”/危惧の声次々/衆院委参考人質疑

衆院科学技術特別委員会は5月20日、福島第1原発事故に関連して、放射線が健康に与える影響についての参考人質疑を実施しました。
琉球大学の矢ヶ崎克馬名誉教授は、放射性物質が体内で引き起こす内部被曝(ひばく)の影響は外部被曝よりもはるかに高いと指摘。崎山比早子・元放射線医学総合研究所主任研究官は、被曝線量に比例して発ガン率が高くなるという見解は、国連科学委員会も採用する国際的合意だと指摘。「放射線に安全量はない」と述べました。
一方、原子力安全委員会の久住静代委員は、年間100ミリシーベルト以下では被曝直後に健康上の影響は出ず、将来のがん死亡率上昇も0.5%程度で、発がん性への影響は「検出できない」と述べました。
これに対し矢ヶ崎氏は、校庭での年間20ミリシーベルトという基準値は「とんでもない数字」だと発言。崎山氏も、子どもが20ミリシーベルトも浴びれば、発がん年齢を早める可能性があり、がん死亡率0.5%上昇は“大したことない”との議論は「論外だ」と批判しました。
日本共産党の吉井英勝議員は、炉心溶融で放出されたさまざまな放射性物質の核種ごとの線量を定点観測すべきだと指摘。中部大学の武田邦彦教授は、プルトニウムなど重要な核種の測定値を明らかにしない政府は、「被曝する人のことを全く考えていない」と批判し、矢ヶ崎氏は、核種ごとの粒子の大きさと分布など内部被曝調査の重要なデータを公開すべきだと述べました。
「もんじゅ」開発やめよ/活断層から200メートル

日本共産党の吉井英勝議員は5月19日の衆院科学技術委員会で、活断層から200メートル付近にある高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の開発中止を政府に要求しました。
吉井氏は、「もんじゅ」は水との接触で爆発するナトリウムを冷却系に使用しており、注水冷却は不可能だと指摘。鉄塔倒壊などによる全電源喪失のさい「核燃料の崩壊熱をどう取り除くのか」とただしました。
日本原子力研究開発機構の鈴木篤之理事長は、電源がなくても「自然冷却」ができる設計になっているほか、4つある冷却ループ(循環)のうち1つが確保できれば「冷却は維持できる」と説明。吉井氏は、鈴木氏が原子力安全委員長在任時に国会で、福島第1原発で全電源喪失が発生しても複数の非常用電源があるから安全だと答弁したことを挙げ、今回の事故で「その発想はダメだということが明らかになった」と批判しました。
また、「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故(1995年)に言及し、大地震による配管破断が起きれば、ナトリウムが大量に漏れ、空気や水と反応して火災や爆発を起こすと指摘。「プルトニウム循環路線」が行き詰まっている以上、2050年までに150万キロワットの高速増殖炉を稼働させる計画と「もんじゅ」開発を中止し、研究者は廃炉関連の研究に従事してもらえばよいと迫りました。
玄葉光一郎国家戦略担当相は、「非常に重い課題だ」「核燃料サイクルは高速増殖炉がうまくいかなければ成り立たないが、現状は必ずしもうまくいっていない」と認め、「オープンな議論のなかで検証していくことは必要だ。関係閣僚と連携して議論していきたい」と表明。吉井氏は「原発依存のエネルギー政策を根本的に改めることなく、今日の危機打開の道は開かれない」と主張しました。
エネルギー自給率高めよ/米国いいなりを転換
日本共産党の吉井英勝議員は5月13日の衆院経済産業委員会で、戦後日本のエネルギー政策がアメリカによってゆがめられてきたことを指摘し、エネルギー自給率を抜本的に高めるよう求めました。
吉井氏はまず、原発の燃料となるウランの大半がアメリカからの輸入濃縮ウランであることを指摘。細野哲弘資源エネルギー庁長官も「米国が一番多いのは事実」と認めました。
吉井氏は、戦後日本のエネルギー政策をみると、終戦直後の日本復興の柱は国内の石炭だったが、1960年前後から炭鉱がつぶされ、米国の石油メジャーの原油に頼るようになったと指摘。その後、アメリカが日本への原発売り込みをはかってくると、軽水炉を導入して原発推進に転換したと述べました。
吉井氏は、アメリカいいなりを批判し、「エネルギー自給率は4%。非常に深刻な事態になっている」と指摘。「再生可能エネルギーの普及、地熱や国産のメタンハイドレートなどの活用を含めてエネルギー自給率を飛躍的に高める取り組みが必要だ」と強調しました。
海江田万里経産相はエネルギー自給率の低さを認めた上で、今後「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」などに基づく取り組みを進める意向を示しました。
地震大国の原発集中異常/政策の転換求める

日本共産党の吉井英勝議員は5月13日の衆院経済産業委員会で、地震大国・日本に54基もの原発が集中している異常さを指摘し、エネルギー政策の転換を求めました。
吉井氏は、アメリカ地質調査所(USGS)の世界の地震地図で、日本列島から北回りに南北アメリカ大陸の西岸部にかけてが一つの地震の多発地帯だと示した上で、世界原子力発電事業者協会(WANO)の原発地図をみると、その中で原発の集中地帯になっているのは日本列島だけだと指摘しました。
104基の原発が運転中の世界一の原発大国・アメリカでも、原発は地震のない中・東部に集中しており、西部の地震地帯にはほとんど立地していません。第2位のフランスは地震のない国です。
吉井氏は、米国では「活断層法」で活断層地帯には原発をつくらせないことになっており、地震のないフランスでも高速増殖炉の計画が中止されたと述べ、「地震大国・日本での原発増設は異常だ」と強調。「再生可能エネルギーの爆発的普及によって原発から段階的に撤回すべきだ」と迫りました。
海江田万里経産相は「長い時間をかけて段階的にというのは議論しなければいけない」と答弁。吉井氏は、「地震のないドイツでも今後10年で原発をなくそうとしている。実際の取り組みが必要だ」と強調しました。
浜岡原発は廃炉しかない/世界に例ない震源地立地

日本共産党の吉井英勝議員は5月11日の衆院経済産業委員会で、運転停止が決まった中部電力・浜岡原発(静岡県御前崎市)について取り上げ、「浜岡は、そもそも原発立地にはふさわしくないところだった」として、とりあえず停止ではなく廃炉に持っていく以外に問題は解決しないと主張しました。
吉井氏は、日本共産党の不破哲三書記局長(当時)が1981年の国会で東海地震の想定震源域の真上にある同原発の危険性を示し、政府の責任を追及していたと指摘。それから30年遅れたものの、運転を停止せざるを得なくなったのは当然だと強調しました。
その上で、「世界中探しても、震源域の真上に原発をつくっている国はない」と追及。原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は、他国で震源域の真上に建設された例は「承知していない」と答弁しました。
吉井氏は、M6.8の新潟中越沖地震(2007年)によって東電柏崎刈羽原発(新潟県)で3000カ所以上が損傷し、消火栓も役に立たなかったと指摘。東海、東南海、南海、日向灘の地震帯が連動してM9を超える大地震が発生すれば、地震や津波、液状化によって浜岡では冷却水配管を含む原発プラントが損傷を受けるとただしました。
寺坂院長は、M8.7の地震を想定して浜岡原発の再評価作業をしていると説明。海江田万里経産相は、「中部電力に(浜岡原発の)緊急安全対策はやってもらった」と述べました。
吉井氏は、「緊急対策ですむ話ではない」と指摘し、M9超の地震を想定すべきだと強調。再生可能エネルギーを爆発的に普及させ、原発は廃炉にもっていくべきだと述べました。
浜岡原発 緊急策では間に合わない
浜岡原発はとりあえず「停止」ではなく廃炉にすべきだ――。運転停止の首相要請を受け入れた中部電力。日本共産党の吉井英勝議員は11日の衆院経済産業委員会で、日本共産党が30年前から浜岡原発(静岡県)の中止を求めてきたことを紹介しつつ、有数の地震国で震源域の原発立地を認可した政府の誤りと原発ゼロに向かうべき方向を鮮明にしました。
吉井議員「震源域の真上」他にあるか
保安院長 世界では事例承知していない
1981年2月4日の衆院予算委員会で当時の不破哲三書記局長は、浜岡原発が東海地震の想定される震源域の真上にあることを指摘し、1、2号機に加えてさらに3号機の建設を認可した政府を追及。「確実にくる大地震への備えこそ最大の安全保障だ」と計画中止を求めました。
この質問を紹介した吉井氏は、「菅直人首相は30年遅れたが、ようやく運転停止を求めた」と述べた上でただしました。
吉井 世界と日本で、震源域の真上に原発をつくっているのはどこか。活断層から1キロメートル以内に設置している原発はどこか。
寺坂信昭原子力安全・保安院院長 震源域の真上にある原発は、世界では承知していない。活断層から1キロ以内にある原発は、美浜発電所、敦賀発電所、「もんじゅ」がある。
世界でも例のない、危険な浜岡原発の立地を認めた政府。吉井氏は、「日本のように震源域の真上に原発をつくっている国はない」と述べ、アメリカでは近くに震源域があるとわかって建設を中止した事例もあると指摘。「活断層の集中地帯に原発を立地すること自体が国際的にみても異常だ」と批判しました。
吉井議員 M9超の想定が必要
保安院長 政府のチェックはM8.7
吉井氏は、浜岡原発3号機について政府が81年時の答弁で、「マグニチュード(M)8.6という理論的に考えられる最高震度を想定した」「最大の地震動のすべてを勘案して安全審査をした」などと「安全神話」をふりまき、建設を進めたことを指摘。すでにM8を超える巨大地震が過去1000年間に4回も起こっていることにもふれ、こう問いました。
吉井 東海・東南海・南海地震などが連動して動いた場合には、マグニチュードはいくらになると想定しているのか。
寺坂院長 マグニチュードの数字はもちあわせていないが、当時の最大加速度は600ガル(地震の揺れの強さを表す単位)を想定していた。
吉井 多くの地震学者がM9を超えることも考えないといけないと指摘している。M6.8の中越沖地震でも柏崎刈羽原発(新潟県)では原発のタービン建屋で2000ガルを超え、約3000カ所の機器類が損壊していることを考えないといけない。
「津波対策をとるというが、M9なら、地震だけでも、とてつもない損壊を受けることを考えておかなければならない」と迫る吉井氏。吉井氏は、その一つとして、液状化の問題をとりあげ、30年前の静岡県の調査では300ガルの加速度で地盤が液状化するとしていることを紹介し、液状化によって取水管が壊れ、原子炉の冷却水が取れなくなる問題をただしました。
吉井 今回の地震で千葉県浦安市では市域の85%が液状化して上下水道管が破断した。浜岡の冷却水配管は砂をまきこまないように(取水口まで)1キロぐらい先へ延ばしている。液状化したらどうなるのか。
寺坂院長 建屋は岩盤に直接支持されていることを事業者が確認している。現在、そうした点も含めてチェック作業を進めている。
しかし、政府のチェックはM8.7の地震を想定したものです。
吉井氏は、「(震源域が)連動したときにM9を超えることを考えないといけない。配管が(地震の)衝撃によっても破損するし、液状化によっても崩れると考えておくべきだ」と想定の甘さを批判しました。
再生可能エネルギーの普及を
吉井氏は、その後、政府も震源域への原発立地について「直下に大きな断層があり、大きな震源域となりうる場合には、多分そういうようなところに(原発を)立地することは難しくなるのが通常であろう」(07年11月に当時の鈴木篤之原子力安全委員長)と答弁したことを指摘。班(まだら)目(め)春樹原子力安全委員長も、その考え方は「結局は同じになる」と答えたのを受けて、海江田万里経産相の認識をただしました。
吉井 いまとりあえず停止だが、浜岡原発は(そもそも立地が難しいという)この問題にあたると思うが、どうか。
経産相 (福島原発事故後)中部電力に緊急の安全対策はやってもらった。地震が発生すれば津波が襲う可能性が高いので、同時にこれ(津波対策)もやってくださいとお願いしている。
津波対策だけでことをすませようとする海江田経産相に対し、吉井氏は、「これは緊急対策ですむような話ではない。原子力安全委員会の考え方としては、震源域での立地は難しくなるといってきている。とりあえず(運転)停止ということだが、そもそもここは原発立地にはふさわしくないところだった」と指摘。原発については、再生可能エネルギーの爆発的普及によって段階的に廃炉にもっていくことが必要だと主張しました。
国際的な独占禁止を/産活法「改正」案/吉井議員が提起
日本共産党の吉井英勝議員は4月27日の衆院経済産業委員会で、「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法改正案」(産活法「改正」案)について、「国際的な独占禁止と公正取引の仕組みをつくる必要がある」と提起しました。
吉井氏は、公正取引委員会の企業結合審査に対し同法案が所管大臣と公取委の事前協議を義務付けていることについて「公取委が(国際競争力の強化を図るとする)産活法の目的に拘束される。法案に入れるべきでない」と批判しました。
公取委の竹島一彦委員長は「あくまでも協議であり縛られない。企業結合審査は独禁法に照らして違法か違法でないかに尽きる」とのべました。
吉井氏は、世界最大の鉱業会社であるBHPビリトンが鉱業・資源グループであるリオ・ティントとの合弁会社を設立しようとし、撤回に追い込まれた事案を紹介。「2〜3社で世界市場を支配する資源メジャーが現れようとした。国際カルテルや多国籍企業の世界市場支配に対する独禁法の執行力と公取委の役割・機能がいっそう重大だ」と指摘しました。
海江田万里経産相は「国内的な競争の公平性は、国際社会においても守られなければならない」と表明しました。
吉井氏は「巨大な多国籍企業への民主的規制と生産手段についても公正な競争が妨げられるやり方を規制していくのか、公正な取引や競争を確保するのかを考えるべきだ」と主張しました。
産活法改正案可決/原発売り込み加速/吉井議員反対討論
衆院経済産業委員会は4月27日、「産業再編」「巨大合併」を推進するとともに、新たに原発などのインフラ輸出を支援対象とすることを盛り込んだ「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法改正案」(産活法「改正」案)を民主、自民、公明各党などの賛成多数で可決しました。自民党が提出した修正案も賛成多数で可決されました。日本共産党はそれぞれに反対しました。
採決に先立つ反対討論で日本共産党の吉井英勝議員は、1999年に制定された産活法が、株主資本利益率の向上を最優先とし、リストラ・人減らしを支援してきたことを告発。民主党政権自身が「新成長戦略(基本方針)」(2009年12月)で、自公政権の構造改革路線により「選ばれた企業のみに富が集中し中小企業の廃業は増加」し、「実感のない成長と需要の低迷が続」き、「格差拡大も社会問題化し、国全体の成長力を低下させることになった」との認識を示している点をあげ、「企業の成長力を向上させることが国の成長につながらないのであれば、抜本的に見直すべきだ」と主張しました。
吉井氏は同法案に反対する理由として、?企業競争力を強化するための「産業再編」や「巨大合併」を推進する?福島第1原発事故の収束のメドがたたないもとで原発の売り込みを加速させる?公正取引委員会による企業結合審査の際に所管大臣との事前協議を義務付けており公正取引委員会の権限制限につながる――などをあげました。
自民党が提出した修正案については、公取委と所管大臣との事前協議のいっそうの迅速化を求めるものであるとして、反対しました。
福島第1原発・外部電源喪失は地震が原因/吉井議員追及に保安院認める
日本共産党の吉井英勝議員は4月27日の衆院経済産業委員会で、地震による受電鉄塔の倒壊で福島第1原発の外部電源が失われ、炉心溶融が引き起こされたと追及しました。経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は、倒壊した受電鉄塔が「津波の及ばない地域にあった」ことを認めました。
東京電力の清水正孝社長は「事故原因は未曽有の大津波だ」(4月13日の記者会見)とのべています。吉井氏は、東電が示した資料から、夜の森線の受電鉄塔1基が倒壊して全電源喪失・炉心溶融に至ったことを暴露。「この鉄塔は津波の及んでいない場所にある。この鉄塔が倒壊しなければ、電源を融通しあい全電源喪失に至らなかったはずだ」と指摘しました。
これに対し原子力安全・保安院の寺坂院長は、倒壊した受電鉄塔が「津波の及ばない地域にあった」ことを認め、全電源喪失の原因が津波にないことを明らかにしました。海江田万里経産相は「外部電力の重要性は改めて指摘するまでもない」と表明しました。
福島原発「水棺」作業/強度・構造の問題ただす
日本共産党の吉井英勝議員は4月27日の衆院経済産業・内閣連合審査会で、福島第1原発事故で1号機から始まった原子炉の「水棺」作業をめぐり、政府としての責任ある対応を求めました。
吉井氏は、政府が「水棺」の方針を採るなら圧力容器や核燃料プールに大量の水の重量に耐えうる強度や構造があるのかが問題になるが、政府は責任ある機関に諮っているのかと質問。海江田万里経産相は「保安院などとも意見交換し、慎重にやっている」と述べるにとどまりました。
吉井氏が格納容器からの窒素ガス漏出量をただすと、海江田氏は、数値も答えられないのに「東電が出したものを政府がチェックし、アメリカの機関とも意見交換をしてきた」と答弁。吉井氏は「日本には多くの専門機関があり研究者もいるのに、何かあれば東電やアメリカと相談というだけではおかしい」と批判しました。
その上で、福島原発の強度については2004年の質問主意書で、コンクリートの劣化の原因となるアルカリ骨材反応について質問したが、約束していた調査はどうなったのかと質問。原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は「安全上問題ないとの結果が出ているが、現在の状況も確認は必要だ」と述べました。
吉井氏は、「もともと福島原発のアル骨反応試験データは改ざんが問題になっていたものであり、評価をきちんと早期にやらないと深刻な一問題が出てくる」と警告しました。
運転記録提出を命令/福島原発事故 保安院が東電に/吉井議員要求
経済産業省原子力安全・保安院は4月25日、東京電力に対し東日本大震災によって福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の事故が発生直後からの運転記録などを報告するよう命令しました。22日の衆院経済産業委員会で日本共産党の吉井英勝議員が提出させるよう求め、海江田万里経産相は「出させるよう文書で指示する」と答弁。25日の参院決算委員会で質問した日本共産党の井上哲士議員に、海江田経産相は命令を出したと答えていました。
報告を求めた項目は、原子炉圧力容器内の水位や圧力、温度、原子炉格納容器内の圧力、温度、格納容器の一部である圧力抑制室の水位、緊急時炉心冷却系(ECCS)の操作実績、原子炉格納容器ベントの開閉実績など。
福島第1原発が現在の深刻な状況に陥った原因の一つとして、事故発生直後の重大局面できちんとした対策が取られなかったことがあげられています。そのとき実際の状況はどうだったのかを明らかにするうえで、事故発生直後からの運転記録は欠かせません。
東電は地震発生から1カ月近くだった8日、3月11日午後7時半以降の、1〜3号機の原子炉内の状態を示すデータを公表しました。しかし、それ以前のデータは未公表で、以降のデータも欠落が目立ちます。
12日に水素爆発を起こして原子炉建屋が大破し、大量の放射性物質を放出した1号機の圧力容器内の水位は11日午後9時半に通常より1メートル程度低い、核燃料の頂部から45センチ上までしかなかったことなどが明らかになっています。早い段階で異常な状態となっていたとみられていますが、それより前の水位はわかっていません。
東電は記者会見などで、中央制御室の放射線量が高くて長時間とどまることができないため運転記録を取得できないと説明していました。
大津波くれば原発炉心損傷/経産省関連機関が昨年指摘/吉井議員の警告裏付け
経済産業省所管の原子力安全基盤機構が、津波による原発事故の危険性について、東京電力福島第1原発に酷似した条件で分析し、昨年12月の成果報告書にまとめていたことが26日までに分かりました。確率的には、波高7メートルの津波によって炉心損傷に至るケースの頻度が最も大きく、7メートル以上の津波では頻度は小さくなるものの、ほぼ確実に炉心損傷に至るという結果がでました。こうした分析がありながら津波対策を軽視してきた政府や東京電力の責任が、いっそう浮き彫りになっています。 (中村秀生)
報告書のタイトルは「地震に係る確率論的安全評価手法の改良」。地震や津波時の炉心損傷の頻度などを分析・評価しています。
津波の分析では、地震による機器の損傷はなく、原子炉の停止にも成功したと仮定。海水ポンプが損傷して海水取水不能による冷却機能喪失▽停電や非常用ディーゼル発電機の故障などですべての交流電源を喪失した後、交流電源を必要としない原子炉隔離時冷却系(緊急炉心冷却装置の一種)で冷却を試みるが失敗▽原子炉建屋内に海水が浸入して機器損傷―といった炉心損傷に至る複数のシナリオを想定。一方、外部電源や非常用ディーゼル発電機が回復して、炉心損傷に至らないケースも想定しました。
海水周りの条件として、原子炉建屋の開口部や、軽油タンクや燃料移送ポンプなどの屋外機器が設置された敷地は、基準海水面から高さ13メートル、海水ポンプが設置された位置は高さ5メートルとしました。
波高3〜23メートルの津波の高さごとに、津波発生頻度と炉心損傷に至る確率を合わせた確率を分析した結果、炉心損傷に至るケースの頻度が最も大きいのは、波高7メートルの津波が発生する場合でした。防波堤(高さ13メートルと仮定)の効果を考慮した分析では、波高15メートルの場合でした。
このとき、防波堤の効果がなければ波高7メートル以上の津波で、防波堤の効果があっても波高15メートル以上の津波で、「条件付き炉心損傷確率がほぼ1.0となり、炉心損傷頻度は津波発生頻度とほぼ同一になる」と結論づけ、津波による影響を評価しました。この条件のもとで津波が到来すれば、ほぼ確実に炉心損傷に至ることになります。報告書は、これらの波高を超えた場合に海水ポンプが機能喪失すると仮定していることが、結果に影響していると説明しています。
福島第1原発1〜4号機の敷地の高さは10メートル。5、6号機は13メートルです。東電は、海水ポンプ(敷地高さ4メートル)と防波堤は、5.7メートルまで対策済みだったと説明しています。
今回の報告書の分析では、波高が海水ポンプの設置点より2メートルを超えた場合にポンプが機能喪失すると仮定。福島第1原発1〜4号機に当てはめれば、少なくとも津波が波高7.7メートルを超えると、ほぼ確実に炉心損傷に至ることになります。
東電の発表では、3月11日に福島第1原発を襲った津波の高さは14〜15メートル。海水ポンプのある海側も、原子炉建屋や主要機器のある敷地も、ほぼ全域が浸水。海水ポンプや非常用ディーゼル発電が機能喪失したほか、長時間の電源喪失の事態が発生して、冷却機能が失われ炉心破損に至りました。
日本共産党の吉井英勝衆院議員は、早くから国会で津波による原発事故を警告。海水ポンプの水没や電源喪失などで原子炉が冷却できなくなり、炉心溶融につながる事故を懸念し、対策を求めてきました。報告書は、吉井議員の警告を裏づけたものであり、必要な対策を取ってこなかった政府や東京電力の姿勢が改めて問われます。
*原子力安全基盤機構(JNES)
経済産業省所管の独立行政法人。原子力安全・保安院と連携し、原子力の安全確保に関する専門的・基盤的な業務を実施する機関として2003年に設立されました。原子力施設の検査や原子力災害の予防・復旧に関わる業務、原子炉施設の安全性の解析・評価、安全確保の調査・研究などを行います。

原発事故・首相「政府答弁は誤り」/備えなし・事故後も対策なし

日本共産党の吉井英勝議員は4月26日の衆院予算委員会で、福島第1原発で起きた「あってはならない事故」(菅直人首相)を引き起こし、拡大させた政府と東京電力の責任を明らかにし、すべての被害者への全面的な補償を求めました。
吉井氏は、2005年の質問主意書以降、地震や津波による電源喪失や冷却機能不能の危険性を繰り返し提起してきたのに「万全を期している」などといって自公政権も民主党政権も一顧だにしなかったことを指摘。菅首相が「当時の答弁は間違っていた」と認めたのに対し、「原発災害は、必要な対策をとらずに起こした明確な人災だ」と強調しました。
事故後の対応でも、首相は東電に原子力災害特措法に基づく明確な指示を出さず、海江田万里経済産業相にベント(蒸気排出)命令を出させたのも地震発生から16時間後、海水注水命令は29時間19分後だったと指摘。「東電いいなりでまるで国家の機能を果たしていない」と批判しました。
補償問題では、東電の清水正孝社長が「公正で迅速に補償するには国のご支援も必要だ」と述べたのに対し、吉井氏は「加害者だということを忘れ、税金でみてほしいとはとんでもない」と指摘。首相に対し「すべての被害者への補償を東電にやらせきると約束せよ」と迫りました。
首相は「一義的な補償責任は東電にあるが、適切な補償がなされるよう政府としても責任をもって対応する」と答弁しました。
備えなし/事故後も対策なし/政府と東電による「人災」

「あってはならない事故が起こったのは、必要な対策もとらなかったからだ。事故後も直ちに対策をとらなかった人災だ」―。4月26日の衆院予算委員会で、福島第1原発での事故を取り上げた日本共産党の吉井英勝議員。「安全神話」に立って事故を引き起こした政府と東京電力の責任が浮き彫りになりました。
首相、誤り認める
吉井氏は、2005年から原発の全電源喪失による冷却機能喪失と炉心溶融の危険を再三にわたって国会で指摘していたにもかかわらず、政府は「多重防護でしっかり事故を防いでいく」(10年、直嶋正行経産相)などとしてまったく対策をとってこなかったことを指摘しました。
吉井 これまでの政府答弁や対応は間違っていたと考えるか。
首相 事実として、間違っていたといわざるをえない。
吉井氏が送電鉄塔の倒壊による外部電源喪失の対策をとっていなかったことを指摘すると、原子力安全委員会の班目春樹委員長も「耐震上の注意はしていなかった」と認めました。吉井氏は「『安全神話』にたって事故に備えてこなかったことが事故を引き起こした」と強調しました。
東電まかせの対応
事故後の対応はどうだったのか―。吉井氏の質問に、菅首相は地震発生の3月11日夜には班目委員長に炉心溶融の危機を伝えられ「十分理解していた」と答えました。
吉井 (首相は)原子炉規制法に基づいて東京電力にベント(蒸気排出)と海水注入を命じることができた。なぜ、直ちに危機回避の措置をとらなかったのか。
首相 ベントをすべきだと午前1時30分に経産大臣から指示をだした。
しかし、吉井氏は実際に法律に基づく命令は、ベントについては地震発生から16時間後、海水注入は29時間19分後になったことを指摘。「結局、電源喪失して炉心溶融に至る危険を知らされながら、東電まかせの対応だった」と批判しました。
さらに吉井氏は、東電に放射能の放出状況など全データの提出もさせていないため、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)やERSS(緊急時対策支援システム)が1カ月半にわたって機能していなかったことをあげ、「政府が『全力で収束させる』といっても東電いいなり、国家の機能を果たしていない」と指摘しました。
全被害者に補償を
原発事故による被害は、住民の生活や仕事、子どもの教育をはじめ広範囲に及んでいます。
吉井氏が全面的補償を求めたのに対し、東電の清水正孝社長は「公正で迅速に対応するが、国の支援も必要」などと答弁。吉井氏は「加害責任を忘れて、税金で面倒を見てくれというのはとんでもない」と批判し、首相にただしました。
吉井 東電が農林漁業、中小企業をはじめ総ての被害者に補償させることを約束せよ。
首相 国策として推進してきた。一義的責任は東電にあるが、適切な補償がするよう責任をもって対応する。
吉井氏は「国策だといって事故を起こした。東電に被害者の全面的な補償をさせるのは当たり前だ」と強調しました。
◆福島原発事故の初動対応◆
【3月11日】
14時46分
地震発生
夜
原子力安全委員会の班目委員長
「原子炉の圧力を下げ、圧力容器からベントしなければならない。それをしなければもっと大変なことになる」
海江田大臣、総理に報告
【3月12日】
6時50分
政府がベントを命令(地震発生から16時間後)
10時17分
東京電力がベントを開始
15時36分
1号機で水素爆発
20時05分
海水注入命令(地震発生から29時間19分後)
放射線量測定強化へ
文部科学省と経産省原子力安全・保安院、原子力安全委員会は4月22日、共同会見で福島第1原発周辺の放射線量測定を強化すると発表しました。放射性物質の分布を示す「線量等分布マップ」を作り、実施していなかった水産資源の調査も水産庁の協力を得て行うとしています。
同日の衆院経済産業委員会で日本共産党の吉井英勝議員が、固定放射線モニタリングポストの大幅増設を要求していました。
吉井氏は、福島県内で文科省が設置している固定放射線モニタリングポストが2カ所しかないことを指摘。移動式のものだけではなく、簡易固定モニタリングポストを県内約59万本の電柱と5700局の携帯電話基地局に設置すれば、民家が多い地域の時々の放射線量も累積線量もわかり、線量の分布地図「等高線」もできると迫りました。海江田万里経産相も「固定のモニタリングポストをできるだけ設置することは大事」「まだ足りない」と認めました。
吉井氏は「画像も出さない8千億円の情報収集衛星に比べれば安いものだ」と述べ、周辺海域への設置も求めていました。
原発の輸出やめよ/「世界で信頼失った」
日本共産党の吉井英勝議員は4月22日の衆院経済産業委員会で、原発輸出を促進する産業活力再生特別措置法改定案について、福島原発で大事故が起きたのだから原発輸出を中止するのが当然だと求めました。
吉井氏は、同法案は「新成長戦略」にもとづく「トップセールスでの原発輸出」と一体のものだと指摘。昨年10月には、原発輸出をすすめる国際原子力開発株式会社が、電力9社などの出資で設立されていることにもふれ、原発輸出を資金面で後押しする国際協力銀行法案とも連動するものだと述べました。
とくにアジアへの原発売り込みについて、事故が起こった場合の日本やアジアへの環境影響評価もないままトップセールスを行うのはやめるべきだと強調しました。
海江田万里経産相は「原発事故が起きて、安全性の徹底向上という観点で見直さなければいけない」としながら、「いまの時点でどうするとはいえない。輸出は日本の原子力発電は安全性が高いという世界の信頼に基づいて行われていたものなので、まず今の事故を抑える」と答弁。吉井氏は「世界でも信頼を失ったのだから決断すべきときだ」と中止を迫りました。
政府「東電データ未入手」が明らかに

日本共産党の吉井英勝議員が4月22日の衆院経済産業委員会で、原発事故の収束をはかる上で東京電力に、放射能の放出状況などを示す基礎的データを含む全データを提出させよと迫り、政府がいまだに東電の1次データをつかんでいないことが明らかになりました。
これまでも原子力安全委員会が東電からSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)用のデータを得ていないことはわかっていましたが、班目春樹委員長は吉井氏の質問に「3月21日と27日に項目まで示して、原子力安全・保安院に求めたが、まだデータはいただいていない」と答えました。
排気筒や排水口などのデータも集中している保安院の緊急時対策支援システム(ERSS)のデータも「とれてない」と発言。「事故状態判断支援システム」や「予測解析システム」のデータについても、それらを運用するオフサイトセンター自体が事故後、福島県庁に移転したため、「現在運用されていない」と述べ、基礎的データをまったくつかんでいないことを明らかにしました。
吉井氏は、「深刻な問題だ」と強調。安全委員会にデータを提供する保安院の寺坂信昭院長もいまだに「東電に求めている」と述べるにとどまりました。
吉井氏は、どんな機関もデータがなければ役にたたないと述べ、大臣が東電に提出を命じるよう要求。海江田万里経産相は「原子炉等規制法に基づき、データを全部出させるように文書で指示したい」と述べました。
吉井氏は、「徹底的に出させるべきだ。国家が機能していないのと同じだ」と厳しく指摘しました。
原発政策改めよ/「過酷事故」想定せず増設/経産相“安全神話は全く失われた”

日本共産党の吉井英勝議員は4月20日の衆院経済産業委員会で、「過酷事故」を想定せず無謀な増設をすすめてきた政府の原発政策を根本的に改めよと迫りました。
海江田万里経産相は「私自身が安全神話を信じ込んでいたことは確か。いまや安全神話は全く失われたわけだから、しっかりした対策を講じなければいけない」と述べました。
吉井氏は福島第1原発について「最初の地震の一撃でプラントのどこが痛んだのか」と質問。原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が「確定されていない」と述べたことに対し、政府が状況をつかまずに事故収束の工程表に責任をもつことなどできないと指摘しました。
その上で、吉井氏の質問主意書に対して政府が、崩壊熱を除去できなかった場合の燃料棒焼損については「評価していない」(2006年)と述べ、プルサーマル利用原子炉での過酷事故については「起こるとは考えられない」「周辺の公衆に著しい放射線災害を与えないことを確認している」(05年)と答えていたことについてただしました。
「確認した以上の事態が生じた」という寺坂氏に、吉井氏は、第1原発の建設に携わった豊田正敏元東電副社長も02年の「記念文集」で「盲点は、所内電源系」「非常用電源の…信頼度が当時極めて低かった」と記していたことを指摘。日本原子力学会も1993年の学会誌で過酷事故研究の現状として電源喪失問題などを列挙して研究報告を掲載していたことを示し、反省が必要だと述べました。
福島原発事故/今も燃料棒露出/保安院認める
日本共産党の吉井英勝議員は4月14日の衆院消費者問題特別委員会で、福島第1原発の事故機で炉心溶融が起きていることは明白だと述べ、放射性物質の核種ごとのデータなどの公開を求めました。
吉井氏は、政府がようやく明らかにした記録によると、事故直後に冷却水の水位が下がり、燃料棒(4メートル)の露出が▽1号機では3月12日午前8時36分〜4月8日午前6時まで1.7メートル〜1.8メートル▽2号機では3月14日午後5時以降、最大で2.7メートル▽3号機では3月13日午前8時に3メートル――に達していたことを指摘しました。
経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は、現在も1号機で1.6メートル、2号機で1.5メートル、3号機で1.75メートル〜2.25メートル程度、燃料棒が露出していると認めました。
さらに吉井氏は原子力安全委員会の班目春樹委員長に対し、3月11日の大震災で外部電源と内部電源が失われ、早期に炉心溶融が起こると判断できたはずだが、官邸に危険な状態だと伝えたのはいつかとただしました。
班目氏は「原子炉の圧力を下げて最終的に格納容器からベント(排出)をしないと大変なことになるということは(当日午後)8時、9時くらいから経産大臣に伝えているし、(深夜の)1時か2時には総理も含めてご理解いただいた」と話しました。
吉井氏は「かなり早い時期に炉心溶融の危険性を認識して提起されながら対策が遅れてしまったことが、事故の拡大につながっている。責任は非常に重い」と指摘しました。
放射能汚染/食品「線量」測定体制を/国の責任ただす
日本共産党の吉井英勝議員は4月14日の衆院消費者問題特別委員会で、放射能汚染の心配のない食品を提供するために消費者庁が責任を果たすよう求めました。
吉井氏は、消費者庁としても、毎日、食品の放射線測定値と累積被ばく線量を公表してこそ、消費者の信頼向上に資することができると指摘。国民生活センターや各地の消費生活センターで、商品の線量測定体制を構築すべきだと求めました。
蓮舫消費者担当相が「センターは測定する機器を保有しておらず、外部機関にテストしてもらうことになる」と答えたのに対し、吉井氏は「いまこそ国民生活センターの廃止など機能弱体化ではなく、体制強化が必要だ」と強調しました。
原発汚染水の海洋排出は条約違反/情報収集衛星の画像 大規模災害になぜ公開せぬ

日本共産党の吉井英勝議員は4月13日の衆院内閣委員会で、福島第1原発事故で東京電力が、「低レベル」放射性物質の汚染水を海に排出したのは、原子炉規制法とともに、高・中・低レベルの放射性物質による海洋汚染防止を定めたロンドン条約にも違反していると追及しました。枝野幸男官房長官は、汚染水の拡散防止を怠ったことは「適切な対応ではなかった」と答弁。今後、同じことが行われないよう「見直しをさせている」と答えました。
枝野長官が「やむをえない措置」だと開き直ったのに対し、吉井氏は、放射性物質の「核種(放射性元素の種類)」や濃度さえ公開されていないと批判。「低レベルであっても、長期にわたって生物に被害を及ぼすものがある。簡単に捨ててはならない」と強調しました。
さらに吉井氏は、1998年度から今年度まで8248億円を投じている情報収集衛星(スパイ衛星)の撮影画像が公開されておらず、捜索・救命活動や原発事故現場の解析にも役立っていないと批判。放射能汚染にさらされながら活動している消防隊員らや、原子力関係の学者や研究者にも公開して、「いろんな知恵を結集すべきだ」と求めました。
枝野長官は、情報収集衛星は「安全保障上の観点から、具体的な能力、運用は答えられない」としながらも、「最大限に活用するよう指導する」と答弁しました。
原発事故収束に責任果たせ
4月13日の衆院内閣委員会で福島第1原発事故での政府の対応をただした日本共産党の吉井英勝議員。「低レベル」放射性物質の放出、大規模災害で活用されない情報収集衛星などの問題点が、あらためて浮かび上がりました。
放射性物質の海洋投棄
吉井 明白にロンドン条約違反
官房長官「今後こうしたことないよう見直す」
吉井氏は、「低レベル」汚染水を放出したとしながら、「低レベル」かどうかを判断するためには「核種」(放射性元素の種類)ごとのデータを明らかにするよう求めました。
経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は、発表ずみの放射性ヨウ素・セシウム以外は「少し時間がかかる」としか答えられませんでした。
吉井氏は「何が放出されているのかさっぱり国民に公開されていない。東京電力いいなりで、とんでもない話だ」と批判しました。
吉井氏は、海洋汚染防止条約(ロンドン条約)が、陸上で発生した高・中・低レベルの放射性物質の投棄による海洋汚染の防止義務を定めており、条約違反だと追及。枝野幸男官房長官は「やむをえない措置」だと強弁しました。
吉井 私は1996年5月16日の科学技術委員会で、放射性物質の外部流出や海洋汚染をさせない対策は必要だと主張した。当時の宮林(正恭)科学技術庁原子力安全局長は、「『多重防護の思想』で厳格な安全審査をやっている」と答弁した。しかし、今回は放出をやっている。ロンドン条約や原子炉規制法などの国内法に違反する。
枝野長官 津波に対する準備をしてこなかったこと、放射性物質を含んだ水が海洋に拡散しないように準備してこなかったことは適切な対応ではなかった。今後、こうしたことのないよう見直しをさせているところだ。
吉井氏は、「明白にロンドン条約違反だ。こういうことは絶対に許してはならない」と強調しました。
地震加速度・元素の種類など
吉井 基礎データ何も公表ない
官房長官「あらためて公表を指示する」
吉井氏は、原子力安全・保安院が、緊急消防援助隊に現場の消火栓・消防用水が使える状態だったのかどうかを伝えていたのかとただしました。
寺坂院長は、「消火栓の状況に関しては、必ずしも十分な把握ができていない部分があった。消火栓が使用ができると考えていた」と答弁。東電は当初、真水を使っての冷却を検討していましたが、結局、消防用水は使えないことが分かりながら廃炉を恐れて、海水による冷却を始めるまで時間がかかってしまったことが明らかになりました。
吉井氏は、「東電の判断は、海水を注入すれば廃炉にしなければならず、株主代表訴訟等で訴えられることを恐れるという個人的な思惑や東電の利益をどう守るかということが働いて、冷却が非常に遅れたと思う。これは重大な問題だ」と指摘しました。
吉井氏は、原発内の地震の加速度さえ明らかにされていないなど、「基礎的なデータがまだ何にも公開されていない」と指摘。「破損箇所のデータ、地震動を含めた基礎的なデータを全部公開しないことには、学者・研究者もエンジニアも(事態打開の)対策について協力のしようがない」と述べました。
枝野長官は、「政府、東京電力が出していない資料があるとすれば許されない。もっているデータは公表するよう、あらためて指示する」と約束しました。
情報収集衛星の画像
吉井 大規模災害になぜ公開せぬ
官房長官「外交・防衛上の配慮は最小限に」
吉井氏は、日本政府がこれまでに8000億円以上の予算をつぎ込んでいる情報収集衛星(スパイ衛星)が「大規模災害への対応」を重要な目的の一つに掲げながら、実際にはどのように活用しているか明らかにされていない実態を告発しました。
吉井 なんのための情報収集衛星なのか。大規模災害に備えて役割を果たすのが、国民の税金を使ってきた情報収集衛星の本来の目的ではないのか。
枝野長官 情報収集衛星は安全保障目的にも運用している。個別具体的な運用実態について答えることは、安全保障上の観点からできないが、利用できるものについては、しっかりと利用させていただいている。
吉井氏は、道路もなくなった津波被災地では衛星画像は重要だと述べたうえで、「放射線を浴びながら活動している人たちに衛星写真でないとわからない画像を提供して働けるようにするとともに、学者や研究者のみなさんにも公開するなどして、いろんな知恵を結集しなければ、情報収集衛星など“ガラクタ”にすぎない」と批判しました。
しかし、枝野長官は「外交、防衛、安全保障上の観点から、具体的な能力、運用についてお答えできない」と繰り返しました。
吉井氏は、「情報収集衛星に98年度から今年度予算も含めて8248億円も使っているのに、大規模災害対応で全く活用できていない。こんな予算の無駄遣いはゼロにして、被災地の復興予算に回すべきだ」と主張。これに対しては枝野長官も「指摘の趣旨は非常に理解する」と述べ、外交、安全保障上の配慮は「必要最小限にとどめて、最大限に活用するよう指示する」と答えました。

原発事故 根底にコスト削減論/BS番組吉井議員“安全神話”を批判
日本共産党の吉井英勝衆院議員は4月6日夜放送のBS11番組「インサイドアウト」に出演し、「原発事故『想定外』政府の言い訳は通用しない!」のテーマで発言しました。
司会の小西克哉国際教養大学客員教授は、「政府やマスコミで流される『想定外』という言葉は聞き飽きた。何年も前から国会でも問題を取り上げてきた吉井さんに聞く」と紹介しました。
番組では、同日の衆院経済産業委員会での政府に対する吉井氏の質問の様子も映し出されました。
吉井氏は、「地震から1時間後に『全電源喪失』だと政府に連絡があった。絶対に炉心を露出させず、今回のような事態を引きおこさせないために全力を尽くすのが東京電力と政府の責任だったが、やっていなかった。海水注入など東電がやらないなら政府が命令を出すべきだったが、遅すぎた」と述べました。
小西氏は「これまでの吉井さんの質問に、政府や電力会社の態度はどうだったのか」と質問。吉井氏が「『日本の原発は安全、大丈夫』という繰り返しだった」と指摘すると、小西氏は「国会でそういうやりとりだったとは信じがたい」と驚きの表情を見せ、コメンテーターの金子秀敏・毎日新聞論説委員は「呪文のようなものだ」と述べました。
吉井氏は、原発の「安全神話」の根底に「『安全かコストか』という発想」があると指摘。「技術的にはいろいろ考えられるところを、コストを安く抑えるために『安全神話』を使ってきた」と述べると、小西氏は「今度の事故で安全神話は完全に粉砕された」と述べました。
福島原発事故は人災/警告に耳貸さず初動に遅れ
福島第1原発の重大事故を招いたのは、“2つの人災”だった―。4月6日の衆院経済産業委員会で日本共産党の吉井英勝議員は、原発事故を招いた政府の責任をただし、危機脱却のために英知を結集するよう求めました。
“海水注入命令は翌日になった” 海江田経産相
人災の1つは、地震や津波などによる全電源喪失が原子炉の冷却機能を破壊し炉心溶融を招くことを、吉井氏が2005年以来、質問主意書や国会質問で取り上げてきたのに、政府が耳を傾けなかったことです。吉井氏は、今回の危機について「国も電力会社も原子力安全・保安院も“原発安全神話”を信仰し、情報を公開せず、国民の安全より企業利益第一主義に走ったのが最大の要因だ」と告発しました。
昨年5月、国会で全電源喪失による炉心溶融は現実には起こらないと吉井氏に答弁していた寺坂信昭・経産省原子力安全・保安院長は、「当時の認識に甘さがあったことを深く反省している」と答弁。鈴木篤之元原子力安全委員長(現・日本原子力研究開発機構理事長)も、「現実にこのような事故が起きた。申し訳ない」と陳謝しました。
吉井氏は、原子力安全基盤機構(JNES)の研究報告が、全電源喪失で0.6時間後に核燃料が落下、1.8時間後に圧力容器が破損すると警告していたと言及。重大局面に菅直人首相や班目(まだらめ)春樹原子力安全委員長が現地視察のため4時間半も原子力災害対策本部を離れたことは「重大な問題だ」と指摘。さらに、「視察から戻ってからも、12日の20時5分に経産相が東電に海水注入などを命令するまで10時間以上もきちんとした対策をとらなかったことが、今日の重大な事態を招いた」とのべ、重大な局面で対策を断行しなかった“もう1つの人災”について批判しました。
班目原子力安全委員長はJNES報告を知らず、「どれぐらい緊急を要しているか把握していなかった」と弁明。海江田万里経産相は、ベント(蒸気排出)や海水注入を命令したのは「日をまたいでから」だったと認めました。
吉井氏は、多くの研究者や技術者から、政府に提言を受け付ける窓口がないとの声が上がっていると述べ、「受付部門をつくり、日本の英知を総結集して、深刻ないまの事態を食い止めるべきだ」と主張。枝野幸男官房長官は、「おっしゃるとおりだ。関係当局と相談したい」と応じました。


保安院長「認識甘く深く反省」/経産相「(「想定外」は)使うべきでない」
福島第1原発事故発生後、初めて集中審議が行われた6日の衆院経済産業委員会で、同事故を取り上げた日本共産党の吉井英勝議員。未曽有の事故を引き起こした責任の所在と、危機打開の道筋が鮮明になりました。
警告が現実になった
吉井氏は昨年5月26日の同委員会で、地震や津波による「電源喪失」が招く炉心溶融の危険性を指摘。これに対し経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は「論理的には考えうる」と述べ、現実には起こらないと答弁していました。
吉井議員 “理論的な話”ではなく、現実のものとなったのではないか。
寺坂院長 現実に、指摘のような事態が発生した。当時の認識に甘さがあったことは深く反省している。
2006年3月1日の衆院予算委員会で、当時の原子力安全委員長だった鈴木篤之氏(現・日本原子力研究開発機構理事長)は吉井氏に、外部電源やディーゼル発電機、蓄電池など多重、多様な電源設備があり、他の原発からの電力“融通”も可能だから「大丈夫だ」と答えていました。
吉井 設計上“大丈夫”だという話だったが、全ての電源が喪失したのではないか。
鈴木理事長 国民に大変な心配、心労、迷惑をかけていることを大変申し訳ないと思っており、痛恨の極みだ。
今回の事故について、菅直人首相や東京電力の清水正孝社長は、「想定外」としています。吉井氏は、日本の原子力安全基盤機構(JNES)の研究報告でも、全電源喪失で0.6時間後に核燃料が落下、1.8時間後に圧力容器が破損、16.5時間後には格納容器が過温で破損すると警告されていたと述べました。
吉井 全電源喪失を考えて、いかなる場合にも今回のような事態を起こさせないというのが、原子力安全行政であり、原子力安全委員会の使命ではないか。
班目(まだらめ)春樹原子力安全委員長 おっしゃる通りだ。今回の事故を深く反省し、二度とこのようなことが起きないよう指導してまいりたい。
海江田万里経済産業相も、「想定を超えるものが現実の問題として起こったわけだから、(想定外というのは)使うべきではない」と答えました。
10時間以上 対応に空白
大地震発生から約1時間後の3月11日午後3時42分、原子力安全・保安院はすでに全電源喪失による炉心溶融の可能性を認めていました。ところが、原子炉格納容器からのベント(蒸気排出)などの緊急措置が行われたのは翌12日の午前10時以降。
吉井 なぜ早い時点で東電を指導しなかったのか。あるいは、東電が指示に従わなかったのか。
海江田 法律にもとづく命令というのは、日をまたいでのことだった。
吉井 班目委員長と寺坂安全・保安院長は、危機感を持って臨んだのか。
班目 どれぐらい緊急を要しているのか把握していなかった。
官邸の対応はどうだったか。
吉井 炉心溶融から危険な事態にすすみうることを認識して、はっきり東電に圧力容器の蒸気(を出して圧力)を下げろ、海水を含めて冷却水を入れろといわれたのか。
枝野 電力が回復しない、ベントもなされない、水も入れない状況が一定時間続いて、急がないといけないということを午前1時半の段階で行った。
こうした甘い認識によって、結局、実際に1号機でベントが行われたのはそれから9時間後の午前10時17分。東電が最初の海水注入を実行したのはさらに10時間後の午後8時20分でした。
それもそのはず、そういう措置を判断する重大局面だったはずの12日午前6時すぎ、菅直人首相と班目委員長はヘリコプターで福島第1原発に向かい、原子力災害対策本部を4時間半も離れてしまったのです。吉井氏はさらに、原子力緊急事態宣言を出した12日午前7時45分から同日の午後8時5分に経産相が東電に海水注入を命令するまで、なんの対応もみられない“空白の10時間”があったと指摘。
「東電がやらなかったら、やらせなきゃいけない。総理と原子力安全委員長が4時間半空白をつくっただけじゃなく、12日の7時45分(原子力緊急事態宣言)から空白の10時間がある。これだけ深刻なものだということが明らかになっているのに、きちんと対応しなかった責任はきわめて大きなものがある」と吉井氏はただしました。
危機脱却へ英知総結集を/官房長官「提言踏まえ相談したい」
吉井氏は、原発危機から脱却するために積極的な提案をしたいとして、全国の研究者や技術者が情報不足で提言したくてもできないという声があがっていることを紹介し、「研究者番号を伝えて意見を聞かせてもらえる受付部門をつくり、原発危機からの脱却へ日本の英知を総結集すべきだ」と提起しました。
枝野官房長官は、「おっしゃる通り、さまざまな専門家の英知を結集することが大事だ。ご提言も踏まえて関係当局と相談したい」と応じました。
吉井氏は「国も電力会社も原子力安全委員会もみんな『原発安全神話』を信仰し、“原発利益共同体”を築き、情報公開しないで、国民の安全より企業利益第一に走った。思い込みと秘密主義こそが重大な事態をもたらした要因だ」と締めくくりました。
対策を怠った政府の責任は重大 原発事故直後の動き
《3月11日》
14時46分 地震発生
15時42分 第1原発1、2、3号機・全電源喪失(経産相に通報=以下同じ)
16時45分、18時08分 同1号機など注水不能、原子炉冷却材漏えい
19時03分 第1原発に原子力緊急事態宣言
21時23分 第1原発半径3キロ圏避難、10キロ圏屋内退避指示
22時00分 原子力安全・保安院「2号機炉心露出か燃料棒被覆管破損」の予測発表
《3月12日》
1時20分 第1原発1号機・格納容器圧力異常上昇
1時30分 枝野官房長官がベント(蒸気排出)指示
2時30分ごろ 首相が福島原発視察を決定
5時54分 第2原発1、2号機・圧力抑制機能喪失
6時00分すぎ 枝野官房長官が東電に「どうしてベントがすすんでいないのか」
6時14分 菅首相が原発視察にヘリ出発
★首相、安全保安委員長が不在に
6時50分 経産相が東電に第1原発1、2号機原子炉格納容器内の圧力抑制を命令
7時45分 第2原発に原子力緊急事態宣言。避難・屋内退避指示
★10時間以上東電に命令せず
10時17分 1号機ベント開始
10時47分 首相がヘリで官邸帰着
15時36分 1号機で水蒸気爆発
17時16分 第1原発・敷地境界線放射線量異常上昇
17時39分 第2原発10キロ圏内住民に避難指示
18時25分 第1原発20キロ圏内避難指示
20時05分 経産相が東電に海水注入などを命令
20時20分 1号機に海水注入開始
再生可能エネルギーヘ転換を/CS番組出演/原発問題でインタビュー
日本共産党の吉井英勝衆院議員は、3月31日夜のCS放送「朝日ニュースター」番組の「ニユースの深層」に出演しました。原発の現状をどうみるか、再生可能エネルギーへの転換などについてインタビューに答えました。
司会者の葉千栄氏は、現在の福島第1原発の事態をどうみるのか、次々と吉井氏に質問。その中で、福島以外の原発について間かれ吉井氏は、「外部も内部も電源がダメになり核燃料を冷やす冷却能力を失った。これが今回の(福島第1原発の)深刻な事態ですから、どこでも同じ問題が起こりうるということをみて対策を考えなければいけない」と話しました。
吉井氏は「日本で電力をつくっているうち3分の1は原発でつくってきた。一度に全部なくすのは現実的じゃないですね」と話し、ただちに原発を全廃するのではなく、再生可能エネルギーを中心にしてエネルギーの転換に取り組むこと、日本の経済社会そのものを省資源・低エネルギー型社会へかえていく、という道筋を示しました。
「再生可能エネルギーは、具体的にどういったものを考えていますか」との問いに、太陽エネルギーや、小規模の水力発電などの組み合わせで十分原発になりかわることを説明。再生可能エネルギーの爆発的普及と、中小企業の仕事おこし、地域経済の再生・発展につなげる道を考えるべきだとの考えを示しました。
大津波・電源喪失ともに警告/冷却不能指摘し対応迫る
日本共産党は「安全神話」に反対し、既存の原発の危険性をただすために全力で取り組んできました。
今回の福島第1原発の重大事故は、地震と大津波によって、冷却機器とその電源設備が破壊されたことによって引き起こされました。この2つの危険を、ともに国会で追及してきたのが、日本共産党の吉井英勝衆院議員でした。
5年前の2006年3月1日の質問(衆院予算委員会第7分科会)。吉井氏は、大津波を引き起こしたチリ地震(1960年5月)、スマトラ沖地震(2004年12月)、明治・三陸地震(1896年6月)にふれながら、波の高さが10メートルを超え、明治・三陸地震では38メートルの記録があることを指摘。巨大津波を想定した対策を提起しました。
巨大な“押し波”による原発機能の破壊とともに、吉井氏がこの質問で強調したのは“引き波”の影響。長時間の大規模な海面低下で冷却水の取水ができなくなり、炉心の冷却機能が喪失して、最悪の場合には炉心溶融を引き起こし、燃料棒の崩壊熱を除去できなくなる危険を明らかにしました。「どんな場合にも、チェルノブイリ(原発事故)に近いことを想定して、対策をきちんととらなければいけない」と吉井氏は要求したのです。
これに対し広瀬研吉原子力安全・保安院長(当時)は「必要な海水を取水できるような設計をされている」「原子炉を冷却できる対策が講じられている」と、対応を拒否しました。
吉井氏が、電源喪失の危険を追及したのは昨年5月26日の衆院経済産業委員会の質問。外部電源、非常用の発電機(内部電源)の破壊が「巨大な地震が起こると、同時に発生することが起こりえる」と提起。「自家発電や外部電源の喪失で2次冷却系が機能しなくなって炉心溶融に至ったときにはどれだけの規模の被害が発生するか、こういうことを検討しておくことが必要だと思う」と早急な備えを求めていました。
いずれの質問も、今回の福島第1原発の危険性を予見し、対策を求める質問でした。
東日本大震災後、日本共産党の大門美紀史参院議員の質問に対し、菅直人首相は、津波の影響について「認識が結果として間違っていたことは否定しようがない。予測が低すぎて、原発建設以前のチリ地震の基準を満たしていないとすれば相当問題だ」(3月29日)と答弁。“安全神話”に深くはまり込んだ政府と電力会社の対応が今回の“人災”を引き起こしたことを認めました。
電源喪失による最悪事態を警告/福島原発事故でメディア注目/吉井議員 繰り返し追及
「想定外」政府の言い訳通用しない
東日本大震災、福島第1原発事故で最悪事態がおきる危機に直面するなか、ネット上で話題となっている日本共産党の吉井英勝衆院議員の原発質問。「東京」3月24日付の特報企画や、『サンデー毎日』4月3日号などでもとりあげられました。「質問内容を教えてほしい」と赤旗編集局にも問い合わせが相次いでいます。
水素爆発の危険も指摘
「原発8割 冷却不能も」「津波引き波5メートル取水できず 炉心溶融の恐れ」――「赤旗」がこんな見出しで1面トップで報じたのが、2006年3月1日の衆院予算委員会第7分科会の質問です。ネット上でも話題の質問で、吉井氏は大津波と原発事故についてとりあげました。
今回の大津波は福島第1原発の非常用電源を破壊し、炉心の冷却機能を奪いました。
この5年前に吉井氏は、津波の“押し波”とともに、“引き波”の影響が大きいと、チリ地震(1960年)の事例をもとに質問しました。
「(押し波が高ければ)水没に近い状態で原発の機械室の機能が損なわれ」「(引き波が大きければ)原発の冷却機能が失われる」
吉井氏は深刻な影響について、押し波・引き波、ともに想定せよと迫ったのです。
津波が東北地方を直撃したチリ地震による“引き波”は三陸海岸で約25分も続き、原発のある宮城県女川町で海水面が推定6メートル低下した記録があると質問で明らかにした吉井氏。「東北電力女川原発の1号機、東電福島第1の1、2、3、4、5号機、この6基では、基準水面から4メートル深さまで下がると冷却水を取水することができない事態が起こりえるのではないか」とただしました。
原子力安全・保安院は、非常用ポンプ吸い込み水位を下回る海面低下で取水困難になる原子炉は、4メートル低下で28基、5メートル低下で43基もあることを答弁で明らかにしました。
今回、福島第1原発の原子炉は地震で緊急停止しましたが、送電鉄塔経由でくる外部からの電源が得られなくなった上に、原子炉に付属して置かれた内部電源である非常用ディーゼル発電機が津波で破壊されて、海水を取り込むポンプを動かせなくなり、原子炉の温度が核燃料の崩壊熱で異常に上がり、原子炉建屋が水素爆発で吹っ飛ぶ事態まで引き起こしました。
津波による炉心冷却機能喪失の危険、水素爆発の事態を予見していた吉井氏。「崩壊熱が除去できなければ、炉心溶融であるとか水蒸気爆発であるとか水素爆発であるとか、要するに、どんな場合にもチェルノブイリ(原発事故)に近いことを想定して対策をきちんととらなければいけない」と政府を追及していたのです。
“安全設計”と保安院強弁
“大地震・大津波被害と原発”“電源喪失と炉心溶融”“放射性物質と広域被害”。今回の事故で注目されているキーワードです。吉井氏はこれらをとりあげ、最悪の事態を想定して政府に対応を求めていました。
昨年5月26日の衆院経済産業委員会での質問では過去の事例も示し、巨大地震で原発の外部電源や非常用の内部電源が切断されるため、炉心を水で冷やす機能が働かなくなり、最悪の事態を想定せよと迫ったのです。
「内外の例から見ると、やはり最悪の事態を想定しなきゃならない。(炉心内の)自然崩壊熱が除去できなくなる。それは炉心溶融にも至りえる大変深刻な事態を考えておかなきゃならない」
こう述べて、炉心溶融などが起きたときの放射性物質の放出量、その影響・被害調査の実施を提案しました。
政府答弁は「そういったことはあり得ないだろうというぐらいまでの安全設計をしている」「論理的に考え得る、そういうもの」(寺坂信昭・原子力安全・保安院長)。「想定外」で、現実にはあり得ない頭の中の話という姿勢でした。
福島第1原発事故で原子力安全・保安院は1号機で「炉心溶融が進んでいる可能性がある」(12日)と初めて現実問題と認めました。原子炉中心部が異常な過熱で破損され、放射性物質の大量放出につながる炉心溶融とみられる重大事態は、2号機、3号機でも進行中です。
この危機を東日本大震災10カ月前にとりあげた吉井氏は、「頭の体操ではない」と政府を叱りながら“安全神話”に縛られた原発行政の転換を訴えたのです。
原発質問の議事録を見るには
吉井英勝衆院議員が追及した原発問題の質問は、同氏のホームページで議事録を見ることができます。ホームページのアドレスは次の通りです。
原発の危険追及した吉井質問 ネットで反響
「完璧に問題点予見し指摘している」「非常に論理的でぐうの音もでない」「こうなると人的災害か」――。
日本共産党の吉井英勝衆院議員がかつて行った、今回の福島第1原発事故と同様の事態を予測しつつ対策を迫った国会質問に、インターネット上でこんな反響が相次いでいます。
ニュースサイト「Ceron」(セロン)が紹介した吉井氏の衆院予算委員会分科会での質問(2006年3月1日)。地震による原発のバックアップ電源破壊や津波による機器冷却系喪失により、最悪の場合には炉心溶融、水蒸気爆発、水素爆発が起こりうることを具体的に追及していました。質問により、津波による5メートルの引き波が発生した場合、日本の原発の約8割にあたる43基で、冷却水が一時的に海から取水できなくなることが明らかになったことも紹介しています。
同質問を読んだ多くの人がサイトへ「これ読むと、今の原発の危険追及した吉井質問ネットで反響事態を完璧に予言していて震え上がった・・・。こうなったらイデオロギー論とか二の次!一貫してもの言う人のことにもっと耳を傾けなくては」「驚いたな。ほぼ完璧な予測だ。緊急停止後の冷却系が原発の泣き所だったんだ」などの書き込みをしています。
さらに、「今回の事態は『想定外』ではない。今回の事態は、あらゆる人間が考えを尽くして予想した全てを上回る、とかではない」などと、吉井氏の指摘を顧みず「安全神話」を振りまいてきた政府や東京電力への非難が多数寄せられています。
中には、「今は、現状打開が最優先」とした上で、「落ち着いたら、大反省会をしましょう」とのコメントも。そこからは、目の前の危機回避に全力をあげつつ、「安全神話」との決別と全国の原発の総点検、さらには原子力から自然エネルギー利用へと政策を抜本的に転換する必要性も浮かび上がってきます。
TPP 食料増産の流れに逆行/投機マネーで価格高騰/自給率向上策こそ

日本共産党の吉井英勝議員は2月28日の衆院予算委員会で、環太平洋連携協定(TPP)への参加は、民主党の公約にも食料増産を求める世界の流れにも逆行することを明らかにし、「TPPへの参加も検討もやめるよう」菅直人首相に求めました。
吉井氏は、事実上の日米自由貿易協定(FTA)であるTPPへの参加は、菅首相が民主党の代表代行(当時)として発表した声明で、「米など重要品目の関税を引き下げ・撤廃するとの考えをとるつもりはない」「日本の農林漁業・農山漁村を犠牲にする協定の締結はあり得ない」(2009年7月29日の声明)と明言した公約にそむくものだと指摘。「『農業の競争力強化』を言うが、中山間地の多い日本で、豪州や米国のように大規模化できるのか。日本の農業が成り立たない」と指摘しました。
菅首相は、その姿勢で交渉に臨むことは変わらないとの苦しい弁明に終始。吉井氏が「すべての品目を自由化対象とする」とした政府の交渉方針と公約は全く違うことを追及しました。
吉井氏は、投機マネーの動きに左右されて穀物価格が高騰していることを指摘。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でも食料と投機マネーが議題になったこともあげ、「世界では食料危機克服が最大の課題なのに、TPP参加によって日本の食料自給率は13%(現在40%)低下する。政府目標の自給率50%とも両立しない」とただしました。
菅氏は、「(自給率を)下げていいとか言っていない」と弁明。吉井氏は、「今考えるべきは、食料主権にたった貿易ルールの確立だ。TPP参加も検討もきっぱりやめよ」と求めました。
TPP公約違反浮き彫り 「重要品目の関税下げない」と声明で表明
菅内閣が推進する環太平洋連携協定(TPP)への参加問題を2月28日の衆院予算委員会で取り上げた日本共産党の吉井英勝議員。TPPが民主党のかかげる公約にも、食料自給率引き上げ方針にも背くことを浮き彫りにしました。
マニフェスト修正
吉井議員は「2009年総選挙の民主党マニフェストのどこにTPPが書いてあるか」と切り出し、民主党が「日米FTA(自由貿易協定)を締結する」としていた当初のマニフェストを修正した経過を取り上げました。
農業関係者の反発を受け、民主党は声明を発表。声明は日本が「最も開かれた農林水産物市場」だとして「米など重要な品目の関税を引き下げ・撤廃するとの考えを採るつもりはない」と表明しました。
この声明を発表したのは、ほかならぬ当時、代表代行だった菅直人首相です。
吉井 今でも、この認識は変わらないのか。
首相 一般的な意味で貿易自由化は世界でもトップ水準だ。そういった(声明の)姿勢で交渉にのぞむことは変わっていない。
吉井 声明はマニフェストに匹敵するものだ。今、検討しているTPPとは全く違う。
吉井氏は、昨年11月に示された政府の「包括的経済連携の基本方針」が「すべての品目を自由化交渉対象とし…」「非関税障壁を撤廃する」としていることをあげ、「民主党の『声明』と整合性があるのか」とただしました。
首相は「センシティブ(重要)品目に配慮」すると述べるだけでまともに答弁できません。
吉井氏は「菅さんが代表代行として出した党声明までひっくり返す。言葉を失う事態だ」と述べ、公約を踏みにじる姿勢を厳しく批判しました。
世界の流れに逆行
世界の食料事情は深刻です。国際連合食糧農業機関(FAO)のジャック・ディウフ事務局長は、「10億人近くの人々が飢えに苦しんでいる」と述べ、「農産物先物市場の自由化によって悪化した投機の問題がある」と指摘しています。
吉井議員は、投機マネーによって食料品が高騰して世界中の人々がひどい目にあう一方、投機マネーを操った勢力が大もうけしたことを示しました。
吉井 20力国の財務大臣・中央銀行総裁会議で、食料問題と投機資金問題が話し合われている。
野田財務相 ご指摘の通り。1次産品が金融商品化しているのではないかという懸念もあった。
吉井氏は、「21世紀の世界では食料危機をどう克服していくかが地球的・人類的な課題だ」と述べ、その時に「TPP参加によって日本の食料危機を招いてよいのか」と批判しました。
吉井氏は、自給率を高め、農業生産に力を入れて余剰分があれば他国への食料支援にまわすことが日本の国際貢献の道ではないかと迫りました。
首相 自給率を下げていいとか言っているのではない。
吉井 (TPPで)自給率は13%に低下すると政府が算出している。政府目標の自給率50%とは両立不可能だ。食料増産を求める世界の方向に逆行する。
吉井氏は、「農業と食の安全だけではない。医薬品の承認、医療、輸入検疫、労働など広い分野で国民の安全を脅かす」とし、「TPP参加も検討もきっぱりやめるべきだ」と訴えました。
通信衛星の軍事利用/宇宙軍拡・利権を批判

日本共産党の吉井英勝議員は2月25日の衆院予算委員会分科会で、自衛隊が民間通信衛星を事実上の軍事通信衛星として使っている問題を追及しました。
自衛隊は3機の民間通信衛星・スーパーバードに軍事用の周波数のX帯中継器を搭載し、その情報をインド洋での給油活動など米軍支援の派兵活動に使っています。吉井氏は、この中継器の所有社は三菱電機など軍需産業が出資して設立した「エム・シー・シー」社だと指摘。社員の半分近く(32人)が防衛省の天下りで収入もすべて防衛省の受注という、軍需産業と癒着した「自衛隊の軍事用通信専門会社」である実態を明らかにしました。
防衛省が来年度予算案で2015年に運用が終わる通信衛星後継機のX帯中継器の製造費用も計上していることも示し、「事実上、自衛隊専用の軍事通信衛星を持つことではないか」とただしました。北沢俊美防衛相は「この分野は極めて特殊。どういう方法があるのか検討していく」と述べました。
また、吉井氏は兵器や軍事技術の輸出を禁じた武器輸出三原則は、平和国家としての理念に基づく国是だと強調。自民党政権時でさえ国是と明言してきたことを示し、見解を問いました。
北沢防衛相は、「さまざまな考えがあってしかるべきだ。新しい道を模索することも必要」と国是変更する姿勢を示しました。吉井氏は「自民党でもできない非常に危険な道を突っ走ろうとしている」と批判しました。
TPP 民主の公約にも違反/労働・安全・医療まで犠牲/予算委員会で追及

「国民の安全や命より日米大企業の利益を優先するのか」――。日本共産党の吉井英勝議員は2月10日の衆院予算委員会で、菅政権が交渉参加を進める「環太平洋連携協定」(TPP)の危険な本質を明らかにし、政府の姿勢をただしました。
吉井議員は、TPPに日本と米国が加盟した場合、国内総生産(GDP)は日米両国だけで加盟国全体の9割を占めることを指摘。政府の新成長戦略実現会議の文書でも「TPPも日米FTA(自由貿易協定)も高いレベルの自由化が求められる」と明記している事実をあげ、「TPPの本質は日米FTAではないか」と追及。玄葉光一郎・国家戦略担当相は、「日米だけでみた場合、共通の留意点としてありうる」と認めました。
吉井議員は、民主党は2009年の総選挙時に、菅直人首相(当時、代表代行)の声明や全農など8団体への回答やマニフェストで「コメなどの重要な品目の関税引き下げ・撤廃をしないことを条件に交渉する」(同回答)と約束していたことを紹介。「TPPですべての品目を自由化交渉対象にし、関税ゼロの高いレベルの経済連携をめざすという政府方針はマニフェスト違反だ」と迫りました。
玄葉担当相は、「交渉の結果、全く除外品のない結果となったら、(マニフェストに)書かれていることと違うことになる」などと、事実上、公約違反の交渉となる可能性を認めました。
吉井議員はさらに、TPP交渉にむけた24の作業部会では、農業、工業などにとどまらず、労働、安全、医療まであらゆる人、モノ、カネが自由化されると告発(別表参照)。アメリカは残留農薬など安全基準の撤廃まで求めていることをあげ、「アメリカと日本の大企業のための環境整備が最大の狙いだ」と強調しました。
吉井議員は、自由化で海外から低賃金の労働者を大量に受け入れれば、日本の労働者の雇用と賃金が低下し、消費購買力低下と税収減など景気悪化の悪循環に陥ると警鐘を鳴らしました。
国民より日米財界の利益優先
「国民の命や安全より日米の大企業の利益を優先するのか」――。2月10日の衆院予算委員会で、菅政権がすすめる環太平洋連携協定(TPP)参加についてただした日本共産党の吉井英勝議員。浮かびあがった参加の狙いは――。
実態は日米FTA/公約と国会決議に反する
吉井議員はTPP参加検討10カ国のうち、日米でGDP(国内総生産)の約90%、日米豪の3カ国でほとんどを占めていることを指摘。「それだけに日米、日豪の貿易関係がTPPの大勢を決める」と述べ、貿易交渉をめぐる政府の基本姿勢をただしました。
交渉が始まった日豪EPA(経済連携協定)をめぐり、2006年12月に衆参両院の農水委員会が全会一致で「米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖などの農産物の重要品目が除外、再協議の対象となるよう政府一体となって交渉する」と決議しています。
吉井 (交渉にあたっては)重要品目を守るという立場か。
鹿野道彦農水相 決議を念頭に置いて対応していく。
吉井 念頭に置くだけで守らなければ意味がない。
吉井議員が何度ただしても、鹿野農水相は「念頭において」と繰り返すだけ。吉井議員は「決議を守るといえないこと自体、許されない」と批判しました。
日米の貿易関係はどうか。吉井議員は政府の新成長戦略会議の文書「日米間の経済連携の在り方」では、政府自身がEPAやFTA(自由貿易協定)など2国間協定とTPPの「共通の留意点」として、「高い水準の自由化と改革を行う意思を表明し、それに伴うコストを受け入れる覚悟で臨む必要」と明記していることを指摘。「日米FTAとTPPは同じものだ」と強調しました。
玄葉光一郎国家戦略担当相は「日米だけでみると共通の留意点はありうる」と否定できませんでした。
さらに吉井議員は、TPP参加が民主党の公約に照らして違反していると追及。菅首相(当時は民主党代表代行)は、農業者の猛反発を受けて、重要品目の関税撤廃はしないと表明し、09年マニフェストを「(FTA交渉の際)国内農業・農村の振興を損なうことは行わない」と修正しています。
吉井 重要品目除外といいながら実際には促進ということになっている。おかしい ではないか。
玄葉担当相 FTA交渉で、まったく除外品目がないという結果が出たら(公約と)違うということになる。
公約違反を否定できない政府。吉井議員は「マニフェスト違反も明らかにする必要がある」と強調しました。
低賃金、食の安全崩壊・・・ くらしにマイナスまねく
環太平洋連携協定(TPP)で関税ゼロや非関税障壁が撤廃されればどうなるのか――。
吉井議員は農業だけでなく、「労働」「衛生植物検疫」「金融サービス」「環境」など、「あらゆる国民の暮らしや安全を守っている規制や基準が対象になっている」と指摘しました。
「まだ交渉参加の決定をしていない」とごまかす玄葉光一郎国家戦略担当相。安全や暮らしを守る規制が対象になっていることは否定できませんでした。
吉井議員は労働分野では、看護師などの専門職にとどまらず「あらゆる分野の海外労働者の参入に道を開く」と告発しました。
吉井 日本の労働者全体の賃金引き下げ圧力になり、国民生活にマイナスになる。
玄葉 あまり承知していない。
玄葉氏は「人の命や健康にかかわる分野は慎重に検討する」というだけで、「人・モノ・カネ」が国境を越えて自由に移動することを否定できませんでした。
吉井議員は、米国通商代表部の「外国貿易障壁報告書」や「日米間の貿易フォーラム」の「規制制度改革」でも、「医薬品・医療機器の承認期間の短縮」や「食品添加物承認手続きの見直し」などを求めていると指摘。「TPPによる障壁のない経済環境によって利益を受けるのは多国籍企業となっている輸出大企業だ」と強調しました。
吉井 国民の生命や健康・安全よりアメリカの医療機器企業や製薬会社のもうけ第 一で、参加に向け取り組んでいるのではないか。
玄葉 具体的に示すことは困難だ。
否定できない玄葉氏にたいし吉井議員は、米国が、残留農薬の規制や、牛海綿状脳症(BSE)対策のための輸入牛肉の月齢制限の撤廃まで求めていることを告発しました。
吉井議員は、米国主導のTPP参加は、「アメリカの金融投機企業と大企業・穀物メジャーの要求と日本財界のシームレスな(障壁のない)多国籍企業展開のための環境整備の要求が最大の狙いだ」と強調。「国民にとって利益になるものではない」と主張しました。
農業支援は先進国の常識
吉井議員は、日本における関税ゼロの農産物の品目割合が34.2%、工業品などその他品目では55.9%に達することを指摘。野田佳彦財務相は、「農産品と非農産品を平均すると53.0%」と認め、「米国は45.7%、EU28.9%、中国が6.4%、韓国が14.1%」と答えました。
吉井 日本は、もっとも開かれた国だ。
鹿野農水相 ご指摘の通り。
前原誠司外相は、「GDPで1.5%の農業が98.5%の他の産業分野を犠牲にしている」(2010年10月19日の講演)と発言していました。
吉井議員は、米国から言われるままに、農産物の自由化と関税率を事実上ゼロにしてきたことを示し、「日本の食料自給率はどんと落ち込んできた。自動車や電機などの輸出型産業の犠牲にされてきたのが農業だ」と批判しました。
吉井議員は、米国、英国、ドイツの食料自給率が、日本よりはるかに高いことを強調。その背景に、食料安全保障を確立し、農産物を輸出戦略品目にあげていることや、国家財政によるばく大な補助があることを指摘しました。
吉井 工業製品の売り込みのために農業を犠牲にしている国はあるか。
鹿野 先進工業国では、農業にたいして、非常に手厚い補助をおこなっている。
鹿野農水相も農業を犠牲にしている国がないことを認めざるを得ませんでした。
