悪質リフォーム「幸輝」元社員2人を逮捕/“地震くれば崩壊”だまし工事/吉井議員も追及

 不要なリフォーム工事で高齢者から現金をだまし取ったとして、埼玉県警生活環境二課は11月7日、京都府警と共同して、詐欺と特定商取引法違反(不実の告知)の容疑で住宅リフォーム会社「幸輝」の大阪府吹田市の本社などを家宅捜索し、元従業員の男2人を逮捕しました。
 逮捕されたのは、37歳と27歳の2人の容疑者。2人は「だますつもりはなかった」などと否認しています。
 両府県警は、関係書類を押収して分析し、同社の組織的な関与がなかったかも調べます。
 調べによると、両容疑者は2004年10月、埼玉県上尾市の男性(71)宅を訪れ、「大きな地震が来たら、柱が倒れて屋根が崩れ落ちてしまう」などとうそを言って、実際は効果のない屋根裏の耐震工事契約を結ばせ、不要な金具277点を取り付け、現金42万円をだまし取った疑い。
 埼玉県富士見市の認知症の姉妹が不要なリフォーム契約を繰り返され、19社から約5千万円を請求され、問題になっていますが、同社は19社のうちの1つです。19社のうち、強制捜査を受けたのは同社が初めてです。また、京都市内でも別の従業員が高齢女性宅を訪問し、今年初めに屋根裏に不要なリフォーム工事を実施、数十万円をだまし取った疑いが持たれています。
 同社をめぐっては、03年9月に中国広東省珠海市のホテルで、社員らが集団買春し、大きく報道されました。同年、大阪国税局の税務調査を受け、約2億円の所得隠しを指摘され、追徴課税されています。
 民間の信用調査会社によると、同社は1992年12月に設立。従業員は約560人。リフォーム業への参入で、売上高は01年11月期の約7億円が、02年同月期に約22億円に急増。04年同月期は約64億5千万円に上ります。


 「幸輝」の契約・認知症姉妹に「3倍水増し」

 強制捜査を受けた住宅リフォーム会社「幸輝」は、埼玉県富士見市の認知症の姉妹が不要な工事で約5千万円を請求された問題にも登場していました。特定非営利活動法人(NPO法人)「ピュアライフ・ネットワーク」の調査によると、同社は姉妹と約580万円分の契約を結んでいましたが適正価格は3分の1の約190万円でした。
 同法人理事長で一級建築士の石田隆彦さんは、同社の契約を「限りなく黒に近いグレー」と指摘します。富士見市の姉妹の場合、断熱材の取り付けや畳の表替え、キッチンの入れ替えなど、完全に不要とは言い切れない工事で、過剰かつ高額の契約を結んでいました。石田さんは「契約自体は成立しており、法律をくぐり抜けられるようなやり方」と批判しています。

 解説
 迅速な企業名公表や罰則強化を/吉井議員も追及

 捜査された「幸輝」については、本紙や、日本共産党の吉井英勝衆院議員が国会で繰り返し追及してきました。
 しかし、訪問リフォームによる苦情は年間9000件も消費者センターなどに寄せられており、リフォーム詐欺で摘発されたサムニングループや今回の「幸輝」などは、氷山の一角です。
 それも、末端の社員が逮捕されただけで、社員にノルマをおしつけ、詐欺的手口で売り上げを伸ばしてきた幹部にまではメスが入っていません。捜査を徹底し、上層部の責任を追及する必要があります。
 悪質業者がこの業界にはびこる理由の一つは、500万円以下の「軽微な建設工事」なら建設業法の許可要件なしに工事を請け負えるところにあります。
 また、消費者を保護する特定商取引法はたびたび改正されてきたものの、行政の対応は後手後手になっています。悪質企業名も原則公開になりましたが、悪質企業は公表された頃には会社名を変えるなど、巧妙に立ちまわっており、迅速な企業名公表や罰則の強化を急ぐ必要があります。
  (橋本伸)

(2005.11.8赤旗)