2005年12月

1214_耐震偽装問題・証人喚問で姉歯元建築士を追及


◎耐震偽装・証人喚問で姉歯氏証言/“民間検査が見逃した”/「木村建設側から圧力」
姉歯元建築士を追及する吉井議員

 マンションやホテルなどの耐震強度偽装問題で12月14日、衆院国土交通委員会が初めての証人喚問をおこないました。このなかで、耐震強度を偽装した姉歯秀次元一級建築士は、建築主の木村建設側から数字をあげて鉄筋を減らすよう指示され、断れば仕事を出さないと圧力をかけられ、違法と知りながら偽造したことを証言しました。また同証人は「プロならすぐわかる」偽造を民間検査機関が承認したことを指摘。現在の建築確認制度の問題点も浮き彫りになりました。
 この日、出席した証人は、姉歯氏のほか、施工会社・木村建設の木村盛好社長、同・篠塚明元東京支店長、コンサルタント会社・総合経営研究所の内河健所長の4氏。
 姉歯氏は最初の偽装を「1998年ごろのグランドステージ池上(東京・大田区)だった」と認め、偽装物件の数は「今の記憶では60件前後」とのべました。
 姉歯氏は、構造設計について篠塚元支店長から「予算があわないから」とやり直しを要求され、「一覧表で(鉄筋量の)80〜100キロを60キロとか具体的な数字を提示され」て減らすよう求められた経緯を証言。拒否できなかったことについて「『鉄筋を減らさなければ仕事を一切出さない』ということだった。やらないと生活ができない状態だった」とのべました。
 姉歯氏は「法令違反になるという意味で『これ以上は無理』と言った。(篠塚氏にも)十分に(違法の)認識はあったと思う」とのべました。一方、篠塚氏は違法性の認識は否定。「(コストダウンできないなら)『ほかの事務所があるよ』と言うことは姉歯以外のところにも言うことはある」とのべ、姉歯氏のほかにもコスト削減を迫っていたことを明らかにしました。
 姉歯氏は偽装の内容は「単純」で、「確認検査機関の構造担当者が見てわからないというのはおかしい」「イーホームズは(構造計算書を)見ていないのが実情だと思う」などとのべました。
 総研の内河氏は、ビジネスホテルなどの開業指導を238件おこない、うち27件を姉歯事務所が構造計算し、うち24件が偽装といわれているとのべました。

◎総研/構造設計でコスト減/吉井・笠井・穀田議員が追及

 日本共産党からは、吉井英勝、笠井亮、穀田恵二の3議員が尋問に立ちました。
 姉歯氏を尋問した吉井氏は、木村建設側の圧力に関連して、「平成設計の外注先は姉歯さんを含め5社ある。構造計算書の偽造は他の4社のなかにあると思うか」と質問。姉歯証人は「実際に見ていないので分からない」と答えました。
 木村建設の2人を尋問した笠井議員。「問題発覚後、社長として篠塚元支店長に姉歯氏とのかかわりや事実経過を聞いたのか」とただすと、木村氏は「聞いていない」と無責任な対応ぶり。経済的な問題で「事務所を変える」ということを姉歯氏以外にもいうことはあるとして圧力を否定する篠塚氏に「それをプレッシャーというんだ」と厳しくたしなめました。
 穀田氏は内河氏を尋問。愛知県岡崎市のホテル建設で、内河氏がオーナーの意向に反して、自分の指定する施工業者に固執した事実を示し、「建築の坪単価を60万円以下で実行する工務店でなければならなかったからだ。構造設計でコストダウンをはかるのが総研の事業の核心だ」と指摘しました。それまでのらりくらりとしていた内河氏は「返答に困ります」と神妙に答えました。

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◎12月14日、耐震強度偽装問題をめぐって開かれた衆院国土交通委員会の証人喚問で、日本共産党の吉井英勝議員がおこなった尋問要旨は次の通りです。

 吉井議員の尋問(要旨)

吉井英勝議員 98年、木村建設の篠塚氏の圧力で、(耐震強度)偽装が始まった。証人は(民間検査機関の建築確認申請の審査で)承認されないはずなのに、通ってびっくりしたというが「耐震基準を満たさない建物を建てたら危ない」という認識は持っていたか。

姉歯秀次氏 そういう認識はなかった。

 吉井氏 (アトラス設計の渡辺社長が構造計算の偽造を指摘した)2004年3月8日の会議の中で、参加した人たちは意図的な改ざんと理解したと見ていいか。

 姉歯氏 周りの人はそういうふうに認識していると思う。

 吉井氏 その会議の際、総研の四ケ所氏はどういう発言をしたのか。

 姉歯氏 「確認申請が下りているので、おかしいな」という発言はしていた。

吉井氏 その後、総研と平成設計の事後処理について、どのような打ち合わせをしたのか。

姉歯氏 渡辺氏から指摘されたので、その場で認めた。「訂正してきます」と約束したが(耐震強度を)1.0に持っていくということは相当鉄筋量が増えるということになり、その物件からおろさせてもらった。

 吉井氏(木村建設の)篠塚さんから(鉄筋を減らすよう)圧力をかけられ、何度も無理だといったようだが、「法令に触れるからもう無理だ」とはっきり言ったのか。

 姉歯氏 法令に触れるとは直接的には言っていない。

 吉井氏 平成設計の外注先リストの中に、姉歯さんのところを含めて5社ある。構造計算書の偽造は残る4社の中にもあると思うか。

 姉歯氏 実際に見ていないのでわからない。

 吉井氏 総研もそういうことを理解してあなたを使って偽造をやったということか。

 姉歯氏 総研のホテル部門の柱の断面とか、はりの大きさとか壁の位置とかパターン化されていて、断面自体が小さな断面で形成されているので、非常に無理のあるプランニングだったと思う。

(2005.12.15赤旗)

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