162国会 衆院・経済産業委員会 2005年6月8日

 ○中川国務大臣・・・・・・・中川 昭一・経済産業大臣       
 ○迎政府参考人・・・・・・・迎  陽一・経済産業省大臣官房商務流通審議官
 ○楢崎政府参考人・・・・・・楢崎 憲安・公正取引委員会事務総局審査局長        
 ○中尾政府参考人・・・・・・中尾 成邦・国土交通省大臣官房技術参事官      
 ○山本(明)大臣政務官・・・山本 明彦・経済産業大臣政務官    


○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
 私は、きょうは、不正競争防止法そのものについてと、もう一つ、現行法も徹底的に活用して、それで不正取引とか不正競争による消費者とか中小業者などが被害を受けることのないように不正の発生を未然に防止し、そして被害者の損害の補償とか被害者救済ですね、経産省も被害者救済をうたっておりますが。そして、不正を働いた者には罰を与えて、やはり公正で安心できる社会をつくっていく、こういう角度から幾つかの問題を質問したいと思っております。
 最初に、大臣も随分今関心を持って見てはると思うんですが、訪問リフォームの問題ですね。埼玉県の認知症の老姉妹が訪問リフォーム十九社から約五千万円の被害、これは大阪でも八十三歳の認知症の女性が千五百万円の被害に遭っています。
 国民生活センターの住宅リフォーム苦情相談件数というのをいただいて見たんですが、二〇〇〇年度から二〇〇四年度、一・四六倍、短い期間に急増していますね。
 一例を見ると、株式会社幸輝というリフォーム会社が六百四十一万円のクレジットを被害者の認知症の姉妹に組ませて、信販会社オリエントコーポレーションから業者の方は金を受け取るわけですね。ところが、工事の中身というのはひどいもので、天井裏に半径一メートルの中に耐震用補強金具数十個を取りつけたとか、床下に換気扇を三十個取りつけて、そのうち電源に接続されていて動かないというのが九割もある。
 本当にひどいものですが、二千五百万円も受注したある会社は、被害者の氏名、住所をここの会社から退職した職員が使ってさらに老姉妹をだます、それとともに、同業の悪徳業者にこの情報を回していたということで、このために被害総額は五千万円に膨れ上って、預金四千万円を全部巻き上げられた上で、住みなれた家を競売にかけられて取り上げられるというところまで来ているという被害、これは一例ですが、深刻な事態、随分あります。
 点検商法と結びついた耐震住宅等へのリフォームなど、不正な取引や契約というのは無効であり、業者には業務停止を命じ、そして被害者救済、被害金を返還させ損害を償わさせるということが私は経産省の大事な役割の一つだと思っておるんですが、最初に大臣の取り組む決意というものを伺っておきたいと思います。
    〔委員長退席、高木(陽)委員長代理着席〕

○中川国務大臣 いわゆる悪徳商法というのは、次から次へといいましょうか、あってはいけないんですけれども、いろいろな悪知恵を絞って出てくるわけでございます。
 去年のこの経産委員会でも随分と審議をしていただきまして法律も強化していただきましたけれども、今吉井委員の御指摘のこの悪徳商法、リフォーム点検商法というんでしょうか、何か点検商法でしょうか、これは特に高齢者をねらって、しかもお年寄りですから若干判断においても、こんなばかなはずがないんだろうという中で大変な被害をこうむったということで、これはもう犯罪ですから、特定商取引法違反ということで厳正に対処をすると同時に、これは次から次へ出てくるということで、その都度に適切、厳正に対処はしておりますけれども、やはりこういうことは今後もう二度と起こってはならないという気持ちで、厳正に対処をしていく必要があるというふうに考えております。

○吉井委員 法律としてはいろいろあるわけですね。私も以前、消費者契約法をこの委員会でやりましたが、消費者保護法、特定商取引法、割賦販売法、景表法、不正競争防止法、独禁法を適用できる場合もあるでしょうし、独禁法第二条九項による不公正取引方法の告示とか、法律はいっぱいつくってきて、法の執行状況や問題点を調べて法を機能させるということをやらないと、法律は生きてきませんから。
 この訪問リフォーム事件で見たときに、例えば金のない人でもクレジットを組ませて悪徳業者は利益を上げ、被害者と家族を苦しめる。一方、オリエントコーポレーションとか、それ以外にも業者の名前はありますけれども、ジャックスというのが出てきたり、あるいはアプラスだとかいろいろなものが出てきますが、こういう信販会社の審査も、見ているとちょっとひどいんじゃないかと思うんですね。七十七歳の老人に六百四十一万円貸し付けるもので、七十九歳の姉を連帯保証人として、本人のお勤め先というのは、これは年金となっているんですね。年金がお勤め先なんですよね。四十二回払いの契約に応じて、どうもまともな審査を行った形跡というのは見られないんですね。
 経産省は昨年十二月二十二日に、「割賦購入あっせん業者における加盟店管理の強化・徹底について」という通達を出しておりますが、これは全国信販協会などに出しているんですが、今度問題になっているような幸輝という会社とこの信金、オリエントコーポレーションなどについてきちんと調査をし、信販会社を調べたのかどうか、これは政府参考人の方に伺っておきたいと思います。

○迎政府参考人 御指摘の埼玉県のリフォーム業者の事案については、与信を行っておりました信販会社から、加盟店との取引の状況などについて現在報告を受けているところでございます。現在、各信販会社において、本件事案、このようなものが生じた原因についていろいろ御検討いただいておりまして、対応策も含めて報告をいただくことにしておるところでございます。
 私どもといたしましては、昨年十二月、加盟店の不正販売行為による消費者とのトラブルを防止する観点から、日本クレジット産業協会及び全国信販協会に対しまして、「割賦購入あっせん業者における加盟店管理の強化・徹底について」という指導文書を発出いたしまして、信販業者におきましても加盟店の取引の実態の把握を強化するように、それから、クレジットを供与するに当たっての消費者の契約の意思の確認を徹底するようにということを各社に対して徹底を求めたところでございまして、引き続きこうした加盟店管理というものの徹底を求めていきたい、こういうふうに考えているところでございます。

○吉井委員 これは、実は幸輝という会社がオリエントコーポレーションに立てかえの依頼を出しているというのは昨年の十一月十七日で、この工事、終わりましたからというので立てかえ払いの依頼をする、それでお金がおりる。ですから、私は、通達を出したら事足れりということじゃなくて、通達を出すのはこれは当然で、徹底的にやってもらわなきゃいけない。
 例えばこのオリエントコーポレーションなどをきちっと調べて、そして審査に問題ありとなれば、これは皆さんの出した文書の中でも被害の救済というのをうたっているんですね。だから、被害の救済をきちっとやっていく。信販会社の聴取は当然なんですけれども、やはりそこをきちっとやっていかなかったら本当に期待されているものにならないと思うんですが、これはちゃんと被害の救済というところまで踏み込んでやっているんですね。

○迎政府参考人 割賦購入あっせん業者に対する指導というのは、割賦販売法のもとでは、民事上の効果として抗弁権の接続というのが規定されておるわけでございまして、加盟店の実態の把握等につきましては、その文書については指導にかかわるものでございまして、具体的にどういう義務というふうなことは、民事上の義務なりなんなりを指導でやるというふうなことはできないわけでございますけれども、ただ、実際にその加盟店にかかわる苦情申し立てがあったような場合には、誠実に、速やかに対応するようにということを求めておるわけでございます。

○吉井委員 だから具体的に、例えばこのオリエントコーポレーションについては、ちゃんと誠実に対応せいと言っているわけですね。

○迎政府参考人 先ほど申し上げましたように、現在、取引の状況等を報告を受けて、原因等についても具体的にその会社においてきちっと分析をするように求めているところでございますので、そうしたものを踏まえてしかるべく対応するということであろうかと考えております。

○吉井委員 ちょっと暑いので、服、脱がせてもらいます。大臣も暑かったら脱いでくださいね。
 それで、要するに、大臣、今お聞きいただいたように、いろいろな法律をつくる、たくさん法律をつくったわけですよ。しかし、これが本当に生きてこないと、被害者の救済とかそこまで行くこととか、それから、特定商取引法六条の不当な行為の禁止、十五条の業務の停止、十四条の主務大臣の指示、罰則では二年以下の懲役または三百万円以下の罰金ですね。だから、法律をつくっているわけですから、訪問リフォームの実態を調べて、悪徳企業の行為はもう厳しく禁止するとともに、一日も早くやはり被害者が、お年を召した方たちが救済されるようにやっていただきたいと思うんです。改めて伺っておきます。

○中川国務大臣 これはもう去年からの当委員会でのたび重なる御審議でもそうだったんですけれども、国民生活センター等々、あるいはまた当委員会の委員の先生方のいろいろな情報等も参考にさせていただき、また、経済産業省としても、こういうことがあってはならないということでアンテナを高くして、そして迅速に対応していかなければなりません。
 ただ、これは先ほど申し上げたように、何といいましょうか、法律の穴をねらって、そしてまた、去年の委員会でも質疑を聞いておりまして、最初のうちはわからない消費者といいましょうか、一般の方も随分多くて、気がついたら大勢の人がこういう形で違法行為の犠牲になっているということもあるようでございますから、なかなかこれはイタチごっこみたいなところも過去にはあったわけでございますので、いろいろな法律が何となくばらばらにならないように、きちっとした適正な対応をして、特にお年寄りとかいろいろな弱い立場の方々を特にねらいやすいようでございますから、我々としても注意深く、そして迅速に対応していかなければならないと思っています。

○吉井委員 この幸輝の役員の代表取締役の米盛昌敏ら幹部は中国で買春事件を引き起こして、中国側の関係者は既に懲役刑に服しているわけですね。ところが、この株式会社幸輝の役員らはICPOを通じて国際手配をされているんですが、日本政府の方が泳がせているという、泳がせるということはないと思うけれども、要するにきちっとまだそこは対応し切れていないために、その後も日本国内で次々と訪問リフォーム犯罪を犯しているわけですね。
 この米盛という社長らは、社員には成績優秀だと御褒美として中国への買春旅行に連れていっていたが、自分たちが中国へ行けなくなって、今度は福岡市内の売春街へ旅行に行かせているということも言われておりますが、もともとこの幸輝の幹部らが中国で刑に服しておれば、この認知症の姉妹ら多数の被害というのは生まれてこないということにもなるわけですね。
 ですから、少なくとも私は、悪徳会社名の公表とか取り締まり、罰則強化というものについては本当に徹底してやっていただきたい。特にこういう問題を起こしている悪徳業者名の公表というのは、いい業者はグループで、自分たちはまじめにやっています、そういう努力も当然されると思いますが、やはり悪徳業者については公表しないと、本当にはびこりますからね。この点もきちっとやっていただきたいと思うんですが、大臣、この問題を最後に伺っておきます。

○迎政府参考人 住宅リフォームの訪問販売の場合は特定商取引法の規制対象になるわけでございますけれども、同法の執行の抜本的強化には私ども努めておるところでございまして、平成十三年度以降、毎年二十件以上の行政処分を実施してまいったわけでございますけれども、平成十六年度においては過去の倍ぐらいの四十件の処分を行ったところでございます。
 また、こういった処分を行うに際しては、その内容等、企業名を含めて公表を行っておるところでございまして、今後ともその法執行に全力を挙げて取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。

○吉井委員 冒頭に言いましたように、一・四六倍も、大体一・五倍ぐらいこの短い期間にふえているんですからね。一生懸命やっているというけれども、やっておったら減らなきゃいけないのにふえているんですから、これは本当に徹底したことをやっていただきたい。これはもう大臣が直接命令を出していいと思いますが、もうやらせるぐらいしっかり頑張っていただきたいというふうに思います。
 次に、橋梁、港湾等の談合問題が今出ておりますので伺っておきますが、資料を配っていただいております。その一の方をごらんいただきたいと思うんです。
 今回、鋼鉄製橋梁工事や道路公団の工事で公正取引委員会が談合入札と認めた橋梁メーカー二十八社のうち、多くは港湾工事の入札にも参加しております。それで、受注しています。国交省九州地方整備局が発注した港湾工事の入札例を見ると、これは資料の一をごらんいただくとよくわかりますが、九七年から二〇〇一年度に十七件ありまして、橋梁談合グループがずらりと顔を並べています。むだな大型公共事業と批判を浴びてきた北九州市ひびきコンテナターミナルの岸壁とか、福岡市人工島建設にも絡む橋梁工事などの入札などなんですが、この入札に参加した企業はほとんどすべて談合グループで占められています。
 ここで問題は、資料一の方に載せてありますが、落札率をごらんいただきますと、最低で九八・一%と一〇〇%に限りなく近いんですが、実は予定価格イコール入札価格、つまり一〇〇%というものもあります。
 公取に伺っておきますが、今回談合と認めたのは、関東、東北、北陸、各地方整備局が発注した鋼鉄製橋梁だったんですが、九州地方整備局発注の港湾工事においても談合がこの間ずっとやられてきたと見られるものです。公取として、まず調査を行うべきだと思うんですが、どうですか。

○楢崎政府参考人 御指摘の橋梁の入札談合事件につきましては、昨年十月以来、立入検査等して審査を行ってきたわけでございますけれども、その一つの過程として、関東地方整備局、東北地方整備局、北陸地方整備局が発注する橋梁工事につきまして独占禁止法に違反する犯罪があると思料して、五月二十三日、検事総長に告発をしたものでございます。
 本件につきましては、検察当局において捜査が行われていると承知しておりますし、また、公正取引委員会としても告発で終わるということじゃございませんで、行政処分等もございますので、今審査を継続しているところでございます。
 そういう状況でございますので、審査の状況あるいは措置の見通し等につきましてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

○吉井委員 九州地方整備局のものについてもちゃんと調査するんですね。

○楢崎政府参考人 全体的に橋梁の入札談合について審査をしているところでございますので、どこどこについて調査するとかしないとかということは個別の案件にかかわりますので、コメントを差し控えさせていただきます。

○吉井委員 この表を見たってわかるように、ずっと前から疑いがある話を今言っているんだから、個別がどうのこうのの話じゃないわけです。
 国土交通省の八地方整備局全体の九七年度から二〇〇一年度までの港湾工事の落札率を調べてみて驚いたんですよ。これは資料二をごらんいただきたいと思いますが、合計四千二百五十四件の入札、発注額合計一兆六百三十四億五千六百万円について見ると、落札率一〇〇%というのが全体の九・三%、三百九十五件です。九八から九九・九九%が六五・八%の二千七百九十八件です。九〇%未満というのは、わずか一・五%。
 さらに、地方整備局ごとに契約の状況、落札率を調べると、九州地方整備局は最高ですね。落札率一〇〇%の入札が、全体で八百十五件のうち一三%ですよ。百六件。なぜ、事前に知り得ないはずの予定価格と業者の札入れ額が全く同じで、一三%にもなるのか。これは余りに異常だと思うんですが、国交省、なぜこういうことが頻発するんですか。

○中尾政府参考人 港湾の工事についてでございますので、お答えいたします。
 まず、予定価格の積算でございますけれども、これを作成するために積算基準というのがございます。これは公に公表されておりまして、建設業者はこれを参考に見積もりを行っていると思います。そのために、予定価格に近い積算をすることは可能であると思っております。
 したがいまして、予定価格に近いということはあるということでございます。

○吉井委員 私、一件や二件やったらそれはあり得ると思うんですよ、一件や二件やったら。大臣もおかしいと思わはると思うんよね、大体こんなのは。落札率一〇〇%の入札が一三%。これはもう一件や二件の話じゃないんですよ。あり得ない話ですよ。
 九州地方整備局発注の港湾工事の異常なほど高いこの落札率を九七年度から二〇〇二年度まで年度別に見ると、不思議なことがあるんです。一〇〇%がそれまで全体の一割を超えていたのが、実は、これはお手元の資料につけてありますが、資料二の三枚目をごらんいただいたらおわかりのように、一割を超えていたのが、二〇〇二年度はゼロなんですね。皆無なんです。九八%から九九・九九%が六割以上だったのが、二〇〇二年度は五割台に低下するんです。
 なぜかということで見てみたんですが、実は、二〇〇一年の九月に海洋土木の大手五社、地元二十社に公取が立ち入りに入っているんですね。二〇〇二年六月には公取は、長崎県が発注した港湾工事、漁港工事で海洋ゼネコン二十五社、長年談合を繰り返してきたと、この調査に基づいて排除勧告をやっているんですよ。つまり、前年には調査に入ったわけですよ。そうしたら、一〇〇%の落札率がどんと落ちるわけですよ。ゼロになる。二十五社は国土交通省などから指名停止の処分を受けているんですが、この二十五社は九州地方整備局発注の港湾工事も受注しているゼネコンに共通しているんですね。
 今回の鋼鉄製橋梁工事をめぐる談合では、談合組織加盟十一社の担当者十四名が独禁法違反で逮捕されたその直後に、どうですか、見事に道路公団発注の橋梁工事の入札で落札率が急落して、それまで大体九七、八%台だった落札率が八五%未満でしょう。九州地方整備局発注の港湾工事の入札で二〇〇二年度に落札率が低下し、一〇〇%がゼロになる。これは、公取がきちんと調査すると一遍に変わるんですよ。この変化は、入札したゼネコン群は公取から排除勧告を受けるまでは談合を繰り返しておるということですよ。
 こういうことについて私が国交省に伺いたいのは、一体、予定価格を決定するのは国交省の中ではどの部局のどんな役職の方なんですか。道路公団でいえばだれがやるんですか。

○中尾政府参考人 お答えいたします。
 国土交通省発注の公共工事の予定価格の決定権者、これは、予算決算及び会計令第七十九条の規定によりまして、各発注機関の契約担当官等になっております。具体的に申しますと、本省にあっては大臣官房官庁営繕部長、地方支分部局にあっては地方整備局長、地方航空局長等でございます。

○吉井委員 これは一件、二件やったらあり得るかもしれぬけれども、これだけ落札率一〇〇%が多数に上るというのはおかしいんです。あり得ない話なんです。
 そうすると、私、公取に聞いておきたいんですが、予定価格を入札企業が事前に知り得るのは、発注者が入札者に情報を漏えいする以外にはあり得ないんですよ。幾ら積算したって、一〇〇%一致というのは一、二件しか本来あり得ないんです。そうしたら、結局、談合が発覚した、これは垂れ込み調査にしろ職権調査にしろ、いつも業者側の責任は確かに調べもされるし、あるいは検察に告発もされる。しかし、公取は発注者側についての調査をしたことはあるんですか。

○楢崎政府参考人 いわゆる官製談合防止法が成立したわけでございますけれども、それ以前におきましても、我々公正取引委員会が審査を開始して、官の方でかかわっている、入札談合に関与しているというふうな場合に、法的措置はとれなかったわけですけれども要望としてそういったことがないように改善を求めてきたわけでございますけれども、この法律ができましてからは、正式に法律に基づいて改善措置要求ができるという形になったわけでございますけれども、岩見沢の事件と、それから、昨年の七月でございますけれども、新潟市発注の建設工事につきまして職員が談合に関与していた。あるいは、新潟の場合ですと、設計価格を開示していたということがその法律に違反するということで、改善措置要求をしたという経緯がございます。

○吉井委員 過去の一つ、二つの経緯の説明ぐらいじゃ頼りのうてしゃあないわけよ。やはり改善措置要求ができるできぬの話じゃなくて、大体、一割を超えるほどの契約が落札率一〇〇%と異常なんですから、そうしたらこれは今問題になっている事案、発注者についても全部調査されますね。

○楢崎政府参考人 この整備局発注の橋梁工事だけじゃなくて、今、我々全体的に審査を進めているわけでございますけれども、発注者の関与も含めて、そういったものを視野に置いて全体的な調査をしているところでございます。

○吉井委員 私がきょう提起しました問題は、今初めて言うた話じゃないんですよ。もうずっとこの話をしてきました。我々が高い落札率や入札結果を示しても、公取の方はなかなか調査をおやりにならない。調査をされても発注者側にまでは入っていっていないんですよ。だから続くんですよ。官製談合そのものなんですよ、これは。だから、橋梁メーカー談合による不正入札で、道路公団発注の平均落札率が三年間で九七%、道路公団発注の鋼鉄製橋梁の昨年度までの五年間落札率九九%以上が三十八件とか、九百三十億円もの不当利益を得ていたというのが計算上出てきますが、物すごいものが、つまり、国民の財産が奪われているわけですよ。
 ですから、今回指摘した国交省の港湾工事の入札は、完全に予定価格と一致するものが、全国で見れば四千二百五十四件の工事中三百九十五件ですよ。めちゃくちゃや。平均落札率九八・七%なんですが、橋梁談合事件にかかわった企業と共通する入札者、落札者があるわけですから、国交省の港湾工事でも談合入札が行われているという疑いは極めて濃厚なわけですから、公取として、これは一〇〇%官製談合と言われる話なんですから、発注者について厳しく調査されますね。

○楢崎政府参考人 今、審査を継続しているところでございます。そしてまた、仮に審査の結果、発注者が関与しているかどうかという問題は、法と証拠に基づいて判断すべきものでございますので、全体的な審査の中で適切な措置をとっていきたいというふうに考えてございます。

○吉井委員 独禁法の担当がたしか今は官房長官かな。これは、担当大臣がだれかかれかという話じゃなくて、私は、この点では公取の姿勢をきちっとさせること、公取の体制も強化すること、それから独禁法の罰則強化、欧米並みに課徴金を引き上げることとか、やはりこうして本当にこの問題を繰り返させないという、これは内閣を挙げて取り組むべき課題だと思うんですよ。この点だけは、担当から少しそれるかなと思わぬと、内閣を挙げての課題だと思いますから大臣に伺っておきます。

○中川国務大臣 個別の案件は別にいたしまして、日本は自由主義経済、そして法治国家でございますから、きちっとした法律に基づかない契約あるいは商取引というものに対しては、公取を初めとするその法律の所掌機関が適正かつ厳正に対応をしていかないと、法治国家としての信頼性が影響を受けるというふうに考えております。

○吉井委員 談合の自由はないんだということを申し上げて、残念ながら時間が少なくなってきましたので、次に鋼材価格の方に移りたいと思うんですが、鋼材価格高騰については大臣も調査を指示して取り組んでいらっしゃいます。
 ことし五月二十七日に中小公庫研究所の発表した景況調査報告によると、二〇〇二年初めから金属機械関連製造業の仕入れ価格DIが上昇し続けております。販売価格DIも少しは上乗せして上昇傾向なんですが、しかし、依然としてここはマイナスなんですね。この結果、利益が出ない、利益マイナスという状況ですが、不思議なことに、鉄鉱石など原材料価格が高騰した中で、鋼材メーカーの新日鉄は二〇〇三年度千七百二十八億円の利益、二〇〇四年度は三千七百十億円の経常利益を上げているんですね。だから、これは産経新聞が書いておりましたが、「鉄鋼各社の経常利益はそろって倍増」と。鋼材を大量に使う自動車のトヨタの方は、二〇〇三年度も二〇〇四年度も一兆一千億円を超える利益を上げている。大手四社は皆そろって過去最高益なんですね。
 つまり、鋼材価格高騰の中で、川上も利益を上げて伸びている、川下の産業でも大手は伸びているんですね。真ん中の機械金属製造業の利益がマイナスということは、結局、この鋼材価格の値上げ分を川下の自動車メーカーから値上げを抑えられて、この真ん中の部分が吸収しているというふうになるのではないかと思うんですが、この点はどう見ていらっしゃるか伺います。
    〔高木(陽)委員長代理退席、委員長着席〕

○山本(明)大臣政務官 お答えさせていただきます。
 鉄鋼価格はずっと上昇しておりまして、今高値安定のような、そんなふうでありまして、一月から、一月に調査いたしまして、二、三カ月また上がったんですが、最近ちょっとまた一月のレベルまで下がってきたということであります。(吉井委員「吸収されている」と呼ぶ)はい。高値安定ということでありまして、今御指摘いただきましたように、川下の業界が価格が転嫁できていないというのは事実であります。大企業、中小企業はどうかというと、大企業よりも中小企業の方が転嫁ができておりまして、大企業の方が転嫁ができていない、こういった結果が出ております。
 これはどういうことかといいますと、やはり川下でありますから、どうしても消費者に対応して価格は転嫁できるかできないか決まるわけでありまして、いわゆる需要と供給の関係だというふうに考えております。やはり中小企業は大企業に材料の支給等がありますので、そういった意味で影響が少ないのではないかなというふうに考えております。
 そういった意味で、何が問題かというと、やはり景気が一番でありまして、景気がよくなってくれば価格は転嫁できるわけでありますので、それまではなかなか大変難しいのではないかな、そんなふうに私は思っております。

○吉井委員 大臣は、五月十一日のこの委員会で、しわ寄せができるだけないように、あってはならないと思っているとおっしゃいました。これは当然の答弁だと思うんです。
 ところで、全国中小企業団体中央会の「下請中小企業の最近の動向 主要下請業種団体へのヒアリング等調査結果」を見ると、自動車関連のダイカスト、金属プレス、輸送用機械、金型、鋳物の各業者の声としては、材料費転嫁問題で苦慮している、これはダイカストです。依然値下げ要請が多い、金属価格上昇で採算悪化だというのはメッキ分野ですね。大企業の好況の割には好転しないというのが金型です。一〇〇%転嫁難しく採算悪化しているというのが鋳物です。
 この報告書のポイントとして書いてあるのは、価格転嫁ができず採算は悪化しているというんですよ。これが中小企業の実態なんです。親企業の動向として、ポイントのところでは、コストダウン要請は相変わらず厳しいと。大臣はあってはならないと思っておられても、現実には深刻な事態が進行しているというのが実態です。
 そこで、中小企業の中でも深刻な従業員十人以下の中小企業について経産省として調査をしておられるかどうか、これは政府参考人に伺っておきます。

○中川国務大臣 前に、塩川委員だったと思いますけれども、同趣旨の質問がございました。
 いわゆる鉄鋼に限らず、石油とかほかの部門もそうですけれども、今の大手鉄鋼メーカーが史上最高売り上げ云々というのは、何もあれだけの鉄鋼メーカーは、鉄鋼を売り買い、買って鉄にして売っているだけじゃございませんから、トータルとしてそういう結果になったんだろうというふうに思います。
 鉄鋼メーカーの話、いわゆる高炉メーカーの話を聞くと、やはり物そのものの確保も大変ですし、価格も上がっているということですから、今一番強い分野である自動車ですら価格を上げるということでございますから、したがって、そういう中で、中小企業、今御指摘があったような分野について弱い立場になりやすいということは想像できるわけでございます。
 すんなりと価格転嫁ができればいいですけれども、できない可能性も重々ございますので、我々としては、原材料の流れ、川上から川下に至る流れをきちっと把握して、下請代金法等の観点からも、川上と末端だけがきちっとできて、真ん中の、特に中小企業分野にしわ寄せがいくということがあってはならない、場合によっては、いろいろな我々のとれる措置を含めて対応することももちろん必要があれば考えなければいけないというふうに思っております。

○吉井委員 実は事前に、業者の方たちが行かれたとき、従業員十人以下の中小企業は調査していないということを、経産省としての対応だということを伺っておりますので、やはりここはきちんとした調査をやっていただきたいと思います。
 もう時間が来ましたから最後にしておきますが、帝国データバンク産業部も、昨日発表のもので、八割が販売価格転嫁できず、中でも中小深刻と、大臣の認識のとおりなんですね。
 中小企業家同友会の景況調査報告でもそのことがずっと触れられておって、川上流通の供給絞りと先行き品不足で値上がり感が先行し、一方的に仕入れコストは上昇しているとか、川上流通では下へ材料を流すより仲間内で転がしている、バブル期の土地転がしの感がするというのまでコメントがあったりして、なかなか深刻で、最後に、機敏な行政対応が求められるというのが同友会の声として出されております。
 ですから、要望はいろいろお聞きいただいているんですが、最後にどんな機敏な対応をしていこうとお考えか、この点を確認したいと思います。

○中川国務大臣 鉄鋼に限れば、鉄鉱石から始まる、川上から始まる部分と、それから再利用というのでしょうか、電炉によるくず鉄の処理というものと、大きく分けて二つあるんでしょうけれども、特にくず鉄の部分が中国等へのニーズが非常に高いということも供給不足の原因の一つになっているんだろうと思います。
 中小企業、あるいは中小の鉄鋼を使ったメーカーといいましょうか工場については、我々としても、原材料の調査委員会、中小企業庁あるいは各経済産業局含めてきめ細かく見ていかなければならないと思っておりますし、万が一それによって資金繰り等々の影響が出れば、いわゆるセーフティーネットの対策なんかも考えることも当然念頭に置かなければいけないというふうに思っております。

○吉井委員 もう時間が参りましたので、せっかく法案について答弁準備していただいた方には、先ほど来議論がありました、職業選択の自由を侵すおそれはないかとか、確認を幾つかする予定でしたが、あらかじめ確認しておきましたので、これで質問を終わりたいと思います。