社会リポート
悪質リフォーム 急増/行政の対応 後手後手/500万円未満は許可不要/
「罰則の強化必要」吉井議員
高齢者世帯が年々増えるなか、「点検商法」といわれる悪質訪問リフォーム業者やシロアリ駆除業者による被害が急増しています。埼玉県富士見市の認知症の高齢な姉妹が五千万円もの被害を受けたのはその典型です。被害の実態と行政の対応を改めてみてみました。
「点検商法」とは、「消防署の方からきました。消火器の点検をさせてください」「排水管の点検・清掃」などといって、消費者に近づいてくる商法です。
国民生活センターが各地の消費者センターに寄せられた苦情相談を集計したところ、訪問リフォームの苦情相談は一九九〇年代後半は五千件台だったものが、二〇〇二年度や〇三年度には九千件を超し、倍増しています。
リフォームにかんする相談には、こんな事例があります。
――一人暮らしの高齢の母が、自宅内外の壁の塗装工事を契約したらしい。母は、数年来判断力等の衰えが著しく、最近、老人性痴ほうのため契約当事者になる能力はないと診断された。工事は完了しており、代金は事業者が母を訪問して集金していたらしいが、残金を支払わなくてはならないのか。
――父母が建築業者からバリアフリーのための床工事やトイレ修理等を契約させられ、年金の半分がローンの引き落としで消えていることが分かった。業者に契約書を求めても見積書しか送られてこない。父はアルツハイマー、母は半盲状態なので、今後も無理な契約をさせられないか心配である。
年老いた両親と離れて暮らしている人にとって、人ごとではありません。
なぜ、悪質リフォーム業者がはびこるのか。理由の一つが、五百万未満の「軽微な建設工事」なら、建設業法の許可要件に抵触せずに、工事を請け負えるところにあります。つまり、未熟な業者でも簡単なリフォームなら建築確認申請なしに工事できるのです。
行政の対応が後手後手になっている面もあります。たしかに特定商取引法はたびたび改正され、規制は強化されましたが、年々被害が増え続けているのが実態です。
経済産業省の資料によると、悪質な業者にたいする経済産業省と都道府県の処分は、業務改善指示と業務停止命令合わせて二〇〇四年度は四十件。〇〇年度の四件が〇一年度には二十件、〇二年度が二十五件、〇三年度が二十六件と増える一方です。〇二年二月からは業者名も原則公開することにしています。
それでも処分されたのは、氷山の一角にすぎません。
富士見市の姉妹の事件を国会でとりあげた日本共産党の吉井英勝衆院議員はいいます。
「悪質な業者は徹底して業者名を公表すべきです。取り締まりや罰則の強化も考えないと、悪質業者がはびこり、第二、第三の富士見の例が出てくる。消費者生活センターなどの支援の強化も必要だ」
(2005.6.18赤旗)
関連記事
|