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162国会 内閣委員会 2005年4月8日
〈参考人の意見陳述〉
○松下委員長 これより会議を開きます。
第百五十九回国会、小坂憲次君外五名提出、食育基本法案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、学校法人服部学園服部栄養専門学校理事長・校長、医学博士服部幸應君、食の安全・監視市民委員会事務局長水原博子君、21世紀の水産を考える会代表理事河井智康君、以上三名の方々から御意見を承ることにいたしております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、議事の順序について申し上げます。
服部参考人、水原参考人、河井参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。
なお、参考人の方々に申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願いを申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、御了承をお願い申し上げます。
○松下委員長 次に、河井参考人にお願いいたします。
○河井参考人 河井でございます。
二十一世紀の水産を考える会が何者かというのを御承知ではないと思います。一九八二年にスタートしました。二百海里法が国連で確定したときにスタートした任意団体なんですけれども、水産関係のいろいろな政策提言などをしていまして、今も「日本人とさかな」、こういう雑誌を出して、いろいろと世の中に訴えておるわけですが、何せ魚の方は余り皆さん関心がないような感じで見ておりますけれども。
せんだってといいますか、昨年の秋に、この食育基本法の問題では我々もフォーラムを開いていろいろな議論をしてきましたので、そこにも関連させながら少し提案したいと思います。ただ、きょうは水産に限らずいろいろなことを述べてみたいと思います。
うちの会の主張とこの食育基本法の中に掲げられているテーマというのはかなり一致する部分があるというふうに我々は見ております。直接国民の食生活改善に国が総合的に責任を持とう、そういう発想なんだろうと思います。これは我が国で初めてのことでして、とりわけ注目をしているところです。今まではどちらかというと、省庁別の形になっていまして、産業振興が中心だったように思っているところですね。
ただ、我々としても二つの点で、きょうは時間の制限もありますから、二つの点だけに絞って、よりよいものになるだろうと思われる点をお話ししてみたいと思います。
一つは、基本理念が六つか七つ並んでおりますけれども、いわゆる並列的で、どこかにやはりアクセントをつける必要があるんではないかというのが我々の考え方です。そうでないと、これから毎年評価をしていくわけですね、報告書も出すわけですから、評価があいまいになる可能性がある。どこに最大のポイントがあるのかということになるわけです。
皆さんのお手元に一枚紙で表が二つあるのを見ていただきたいのですが、ちょっと欧米のケースを参考にして見てください。これは内閣委員会の方からいただいた赤い資料にも載っていたものなんですけれども、私どもの方で、対照的に見た方がわかりやすいのではないかということでまとめてみました。
実は、ここには四カ国出ているわけですが、アメリカ、イギリス、ドイツの三カ国は、肥満及び虚血性心疾患死亡率が高まったこと、これが食育に力を入れようというきっかけになったんですね。そこがもう最大のポイントになってきています。例えば、アメリカの場合、虚血性心疾患死亡率というのは十万人中百八十三人という数字が出ておりますが、日本はちなみに五十七人なんですね。ですから、三倍以上のそういうあれがあって、日本はその点、我田引水じゃないですけれども、魚食の効果が出ているのかなというようにも感じているところです。
ところが、おもしろいのはフランスでして、フランスは実は、もうどんどんいろいろなファストフードなどが入ってくる中で、子供たちの味覚が減退しちゃっているんですね。味がわからなくなってしまった。これはやはりフランス料理の危機であるというところで、どうしても味覚を復活させる、そういうことをテーマに考えなければいけない、そういうことで食育にずっと予算をかけているわけです。
では、一体、日本は何を重点にすべきかということで考えてみると、日本は、食問題で最大の弱点というのはやはり食糧自給率なんですね。この下の表二というところにいろいろな項目別の自給率を比較しておきましたけれども、先進国中最低である。これが今まで長寿国をつくってきた和食離れというものを起こしている。ここに食文化の後退という問題もあります。
そして同時に、CPFの栄養バランスが崩れてきている。このCPFというのは炭水化物、脂肪、たんぱく質のことですけれども、これが世界で一番バランスがとれているのは日本だと言われていて、諸外国が日本食というのを見直したというそのきっかけになったわけです。それが今崩れてきていまして、いわゆる脂肪がふえて炭水化物が減ってきたという欧米型になってきてしまっているということなんですね。
もともと、日本人の生理機能というのは欧米とは違うということがよく言われます。これは歴史の中でつくられてきた消化管の状態が違うというような、そういうような民族的な特徴もあって、やはり欧米食というのは余り合わないというのが実態だと思います。そういう点で、ぜひこれは、やはり輸入に頼らない日本人の食事というのを構築していく必要があるんじゃないんだろうか。
同時に、輸入依存というのはほかにも欠点がありまして、一つは、御承知のようにアフリカなどの飢餓民族、こういった人たちが片方にいるわけですから、お金に飽かせてどんどん輸入して飽食の民でいるんではなくて、本当に実質的な食生活、食育をやる必要があるんじゃないだろうかなというふうに思います。
さらには広域流通、今貿易もそうですけれども、国内でも広域流通などといっていろいろなものが流れていますが、これは環境破壊のもとにもなるし、地球温暖化の遠因にもなっていくということだと思います。
私は、そういうことを考えると地産地消こそが、自給率を上げることにもつながるし、食文化を促進することにもつながるし、健康にもよいし、環境にもよい。そういうことを、やはり基本理念の大きな柱として考える必要があるのではないかなと思います。
二点目、実は、これを実行する場合、とかくスローガン倒れになる可能性がある。仏つくって魂入れずじゃありませんけれども、とりわけ基本法というと割合理想論が述べられるんですけれども、基本計画になって、五年目の見直しぐらいになるとだんだんそこが崩れてくるというのがよくある中身だろうと思います。
これは、食料・農業・農村基本計画のところで先ほどもお話ありましたけれども、一つは、安全、安心と言っていたのが、安心を削ってしまって安全だけでいいというような話になりました。この食育基本法にも安全と安心という言葉は出ています。ですから、そういう問題であるとか、あるいは先ほどの生産額ベースの自給率などという、ちょっと普通には考えられないようなことが起こるような、こういうことがあります。これらはやはり生産者中心、産業中心の物の発想がそういうものにつながっていくんだと思うんですね。
安全、安心の問題で、安心を取っていいという消費者はほとんどいないというふうに思います。あるいは、生産額ベースの自給率ということでメリットがあるのはやはり生産者の側だと思うんですね。そういう点では、今度の食育基本法はそういうごまかしは許されない。なぜならば、国が直接国民、消費者に責任を負うという、そういう今度の食育基本法ですから、生産者側には有利であるけれども消費者側には不利な、そういう物の発想というのは許されないんだろうというふうに思います。
そういう点で、今度の食育基本計画ができた後の問題をぜひお考えいただきたい。ここには食育推進会議というものが提起をされているわけですけれども、私らは、これを思い切って民間のものにして、そして議論を公開制にする。必要ならば、委員を公募して選挙もして、公開制をとれば、いわば食育国会だとかあるいは食育議会とか、それに匹敵するような、そんなイメージのもので構成すればごまかしのチェックがきいてくるのではないだろうかな、そんなふうに考えております。
やはり、この食育基本法は、この文面どおり本気にやればかなり大きな価値のあるものだと思いますので、ぜひそういう点で、本当に理想が現実とマッチしていくような、そういう仕組みをつくっていただきたい、そんなふうに思っている次第です。
時間ですので、私の方からは以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
〈参考に対する質疑〉
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。(発言する者あり)
○松下委員長 静粛にお願いします。
○吉井委員 きょうは、三人の参考人の皆さんには……(発言する者あり)
○松下委員長 静粛に。
○吉井委員 きょうは、お忙しいところ、大変貴重な御意見をお聞かせいただきまして、ありがとうございます。
それで、今もお話がありましたように、委員長、やはり、せっかく参考人の方に来ていただいてお話を伺っているときです。そして、何よりも、提案会派の皆さんが一番熱心に、一番熱心と言ったら表現がおかしいかもしれませんが、我々提案会派でない者とともに、やはり提案している会派の方がきちっと出席をして、御意見も伺って、そして法律をつくり上げるという、この立場に立たないと、本当に軽いものになってしまいますから、この点、まず冒頭に、改めて委員長の方から注意をしていただきたいと思います。
○松下委員長 委員長も全く同感でございますので、与党の理事、委員にしっかりとこの前で注意します。しっかりしてください。
○吉井委員 それで、私は、この食育基本法の理念については、これはいいものだという考えを持っております。
ですから、やはりこういう法律をつくったときに、要は、この法律を具体的にどう生かしていくかという取り組みなしには、この理念というものが生きてくるのか、それとも、この法律がただの紙くずになってしまうのか、ここのところが問われてくることになると思っているんです。
そこで、最初に、自給率の問題について河井参考人と水原参考人に伺いたいと思うんです。
まず、食育が進めば、ただ安いから食材を買うというだけじゃなしに、やはり安心できるもの、安全なものをというところに向かっていくならば、農水産物の生産過程からきちんとチェックできるような、そういった点からすれば、本当に地産地消ということにもつながってきますし、そして国産のもの、自給率を高めるものにもつながってくるというふうに思っているんです。
現実には、自給率が落ち込んできたのは、やはり牛肉・オレンジなどを初めとする農産物輸入の自由化政策を進めて以来のことなんですね。あれから急減してきたことは明白です。
今、安いものが入ってくるからというので、そこへ向かっているのを、きちんと食育を通じて、やはり安いだけがいいんじゃない、もっと大事なことがあるということを知ることも大事ですし、先ほど来お話もありましたけれども、実際、この間も委員会で私お話ししたんですが、私自身がみずから農家の方から畑を借りて、そして牛ふん、馬ふん等の堆肥化したものを入れて、よく肥えた土で、それで野菜等をつくってみたら、夏場は朝晩水やりだけでも本当に大変ですよね。肥えている土ですから、雑草がどんどん生い茂ってきますから、それを農薬を使わずに安全に食べられるものをと思ったら手で引っこ抜いていかなきゃいけませんが、本当に大変だ。農家の方たちが、安心できるものを、安全な農産物をつくるということでどんなに苦労していらっしゃるかということは、よくわかります。
だけれども、消費者には、私も実際に食品を売っているところへ行っても、要するに、圧倒的に我々は情報不足なんです。わからないんですね。
そうなってくると、結局、輸入検疫をきっちりすることとか、輸入農産物であれば、その産地の検査をどれだけ徹底して、農薬その他が使われていないのかどうかとか、安全に食することができるかどうかとか、そういう情報が本当に入ってこないことには、幾ら食育基本法だといっても、これはなかなか生きたものになってこないと思うんです。
そういう点では、私は、例えば今問題になっておりますBSEの問題にしても、日本の場合であれば、そういうところから、すべての牛に個体票をつけての管理をし、全頭検査をやり、特定危険部位と言われるものについては全部除去する。ただ、危険部位というのも、科学の進歩とともにさらに広がっていくというものもあります。
そういうふうなことを進めているときに、やはり安全がきちんと約束されないものが入ってきたりすると、消費者としてはわからないわけですから、安全なものを食するということにはならない。
そういう点では、本当の食育を学ぶとともに、やはり、安全、安心の約束されないものについては流通させないということを取り組む、そして国内でそういう安全なものをつくるという努力がなされるならば、これは確実にそういう面からも自給率を高めていくということにつながっていくというふうに思うわけですが、この点について、お二人の参考人のお考えを伺っておきたいと思います。
○水原参考人 おっしゃるとおり、私ども、食の安全というものを求めておりますね。これは、特にBSEの国内発生以来、特に大きな問題になってきたことは皆さん御存じのとおりだと思います。
輸入の農産物につきましては、これはもう残留農薬の問題がしばしば問題になっております。それをきちんと取り締まるということをやることがまず第一だと思いますが、国内でいろいろと安全のための対策がとられておりますが、例えば牛肉に関しましたら、トレーサビリティー法ができましたね。
ところが、皆さん御存じかと思いますけれども、これも、法をつくったというだけで、後の管理がなっていないということの一つの実例が出てきたと私は思いますが、北海道で耳標を取りかえたという事件が起きたことを皆さん御存じでしょうか。
畜産商が耳標を取りかえてしまったんですよ。いとも簡単に取りかえてしまった。それで、子牛を、取りかえた牛を売ったわけで、逮捕されたわけですが、去年十二月の九日に発生しました。十二月七日からトレーサビリティー法は完全実施になったんですよね。その前から、七月ごろからそれはわかっていたのに、発表したのは農水省は十二月九日でした。
地裁でもって問題になりましたのは、その耳標がなぜ取れるか、これは、農水省令でもって、耳標は取り外しができるものであってはならないということと、それから再装着できるものであってはならないということがちゃんと規格にあるわけです。ところが、それが全く守られなかったわけですね。だから、裁判官は、これは耳標ではないということを言って、その畜産商を無罪にしちゃったんです。それは地裁で三月に判決が出まして、その後、今高裁の方へ検察庁が控訴していますから、後は多分、それはどうなるかわかりませんけれども。
私が言いたいのは、法律をつくってもその後の管理をやらないということであれば、幾ら安心、安全のためにそういう法律をつくっても、私たちから見れば何だということになる、全部抜け道だらけです。これは、BSEの後の食肉の買い上げの政策のときにもそうでしたよね。あれだけ、雪印食品から端を発して偽装問題が起きたのもそうです。農水省の管理がなっていなかったからですよ。
私たちから見ますと、そういうふうに、いろいろな法律はできますけれども、その後の管理はなっていない。だから、安心、安全のためにということでもっていろいろな政策が行われますけれども、それは、私どもの中にはいつも裏にどこか不安が伴っています。そういうことがありますよね。だから、どうやって、そこを本当に完璧に行政として法律をつくったら責任を持って遂行するかということになってくると思います。
ヨーロッパにもトレーサビリティー法があるし、フランスの耳標を採用したということで農水省は私たちに答えました。だけれども、フランスでも確かに違反する事例はあるらしいんですけれども、抜き打ち検査は徹底してやっているわけです。日本はそれがないです。監視体制が全くないわけです。
だから、そういうことで、本当に食の安全、安心ということを今後推進するのであれば、私は、それだけ法律をつくって、つくりっ放しじゃなくて、やはり国民にこたえるような管理、運用をきちんとやってほしいというふうに考えております。
以上です。
○河井参考人 今農産物のことについてはお話がありましたので、ちょっと水産物について例を挙げてみたいと思うんです。
よく消費者アンケートで、何が不安ですかというアンケートをしますと、ひところは、養殖魚の安全性、これが第一位だったんですが、最近は、やはり輸入物の安全性というのが問われてきています。
そういう意味で、魚というものは、基本的には生きた資源をそのまま食材にする、そういう天然資源をとってくるという意味では農産物と少し状況が違うものですから、国産物なのかどうなのかという言い方がちょっとイメージが変わるんですが、我々は、例えば生きたものを輸入してきてどこかへ蓄養しておくとか、そういうものを含めて国産とは呼びたくない、呼ぶべきでないというふうに考えています。
少なくとも、やはり産という字は産まれるという字ですから、日本の近くの海で産まれたものということでいかないと、私は、それこそ、安全、安心というのが、いろいろなところからばい菌も入ってくるでしょうし、それから、加工品なら加工品でまたいろいろ薬を使っている可能性もありますし、そういう点で、水産物はとりわけそこがあいまいにされているなという感じがしていますから、何か見直していかないといけないんじゃないのかなと思っているところです。
○吉井委員 今、水産物のお話がありましたので、例えばアサリについても、今問題になっております外国産のアサリを、例えば有明海にぱらぱらとばらまいて、二、三カ月したら有明産のアサリということで売り出すという問題。そうすると、自給率を高めるといっても、自給率の国産の中には、本当は外国産、外国産を含めて自給率を数字の上だけで高めるというのは、やはりこれはもともとインチキな話でありますし、原産国について最長生育期間の国ということになっておりますが、そこで、私、自給率を高めるということと安全ということでちょっと心配になっている点がありますので、引き続いて河井参考人に伺っておきたいんです。
かつて、もう三十数年前ぐらいに、私などが東南アジアの方へ行くときには、はだしで歩くなと。それは風土病の問題ですね。日本の国民には耐えられる細菌はあるけれども、ちゃんと体はそうなっているけれども、東南アジアへ行ったらその独自の細菌には耐えられない。だから、はだしで歩くことは気をつけなさいということを言われました。
そういう点では、今のこのアサリにしても、外国産のアサリを二、三カ月で売るのは論外にしても、これはインチキ表示ということにしても、稚貝の段階で買い込んできて、そして、有明海だとかいろいろな干潟でそれを生産して国産ということになる。
それは、自給率の問題もありますけれども、もう一つの角度から見ますと、やはり、幾ら海洋といっても、それぞれの地域にはそれぞれの地域の細菌とか微生物、日本とは違った状況の中にいるものが簡単に日本に入ってくると、今度は、日本の独自のアサリなどがそれによって大丈夫なのだろうかとか、そういう面からも、環境というものについて、また自給率を本当の意味で高めるということについて、もう少しきちんとしたことを考えていかなきゃいけないんじゃないかと思っておるんですが、この点についての河井参考人のお考えを伺いたいと思います。
○河井参考人 基本的にはおっしゃるとおりだと思います。例えばバクテリアなどが、よその国のバクテリアが日本の海にまかれたときに、バクテリアを含む生態系がどうなるのかというのは、これはまた重大な問題になってくるんですね。生態系の問題というと、外来魚の方は、今、ブルーギルだとかブラックバスとか、いろいろな議論が生まれていますけれども、バクテリアの世界でもどんどん今そういう問題が出てきて、貝毒の問題なんかも、一部分そういうあれも騒がれています。
それから、もう一つ、今地球温暖化をしている中で、そういう条件がふえてきているということも心配なんですね。今までは日本にすめなかった、あるいは越冬できなかった、そういう生命が、温暖化でもって冬を越せるようになってくる。そうすると、日本の近海で繁殖をする、そういう状況も出てきますので、したがって、かなり環境面での綿密な再検討といいましょうか、そういう意味での再検討が必要だ。
そういう意味も含めて、少なくとも、自給した魚、いわゆる純粋な国産の魚についていえば、日本の権限でいろいろなコントロールもできますから、そういう点では安心、安全の面が保障されていくんではないだろうか、技術的に保障するのが可能だけれども、輸入物については技術的に保障できないというか、そういう面が心配だと思います。
○吉井委員 次に、服部参考人に伺いたいと思います。
冒頭申し上げましたように、私は、この基本法の考え方はいいと思っているんですね。それを本当にどう生かすかという点で、例えば最初に服部参考人のお話を伺っておりましても、結局、学校教育の中でどう充実したものにしていくかとか、あるいは、せっかく保健所や保健センターがありますけれども、そこの栄養指導に当たられる方とか、そういう方たちの役割をどう充実させるかとか、戦後の時期とは違った、今の時代における役割というのがあると思うんですね。これは、この法律でも二十条、二十一条でそういったことがうたわれております。
しかし、先ほど来お話がありましたように、その学校給食が今や大型弁当工場になってしまって、コンビニ弁当と余り変わらないようなものを給食としてやっておったのでは、本当に給食が学校教育の一部として、先ほど来のBSE問題であれ、外国農産物や魚介類の問題にしても、安全性の問題から、環境の問題から、食生活の問題から、いろいろなことをやはり学校も地域社会も含めて学び取っていける、この法律を生かす具体的な仕組みをどうするかというところが一番今大事な一つじゃないかというふうに思っているんです。
この点についての参考人のお考えを伺いたいと思います。
○服部参考人 今の先生の御質問なんですが、一言で答えるにはちょっと時間がないというふうに思っています、私なりに考えていることはありますが。
ただ、御承知のように、先ほど来お二人の参考人に御質問もされておりましたが、僕は、日本の社会というのはこの四十年ぐらいの間に物すごくいろいろな形での変化があったと思います。
食生活に関しますと、高脂肪高たんぱくで、米の消費量が四十年前は一年間一人当たり百十八キロとっておりましたけれども、今は五十九・五キロ、まさに一俵切ったわけですね。肉が四倍、油脂、油と脂肪四・一倍、スナック、清涼飲料水各四倍ですね。本当に食生活があっという間に欧米化してきてしまった。それによって自給率の問題も、それに合わせたような食生活を営まれる体制をとらなきゃならなくなってきた。
農家に関していえば、戦前六百三十万戸ありましたね。千三百万人の方が働いておられましたけれども、戦後どうなったかというと、二百七十万人減ったわけです。農家も今二百五十万軒ということです。
もっともっと、これは農家だけじゃなくて漁業も関係ありますけれども、こういう人たちに興味を持って動いてもらえるような体制で人をふやしていかない限り、自給率というのはなかなか上がらないんじゃないか、地域でいろいろと動きもあることもありますが。
そういう中で、先ほどの御質問なんですけれども、私は、日本というのは目先で割と国内のことばかり考えていますけれども、世界には八億四千二百万人も栄養失調の人がいるわけですよ。何せ、世界六十四億のうちの九二%が食にもあえいでおります、いろいろなものであえいでいる。八%というと、五億人が豊かな食生活から衣食住、享受されておりまして、日本人はこの中で一億二千六百八十万人ですか、みんなこの中に入ってしまうというような現状の中で、物の見方をきちっと根底から教えていくことによって先ほどのような問題は解決していくと思うんですね。
先生のおっしゃられたような、今後どうしていくかという問題も、実は、そこから議論を始められるような、この食育基本法というものがきちっとできて、これが通過して、その後に、先ほどから申し上げておりますけれども、我々は、みんな参加できるような体制をつくっていただくことが望みでございますので、その中でこういう議論をどんどんしていくことで大きく解決していくことがたくさんあるんじゃないか。あらゆる分野の方がやはりこれに入っていただくことによって解決する問題がたくさんあると私は信じておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
○吉井委員 時間が参りましたので終わります。
きょうはどうもありがとうございました。
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