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162国会 総務委員会 2005年3月8日
麻生国務大臣・・・麻生太郎・総務大臣
板倉政府参考人・・・板倉敏和・総務省自治税務局長
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
きょうは、地方税の徴収事務の民間委託について伺いたいと思います。
昨年12月に総務省は民間委託する方針を出したような報道もありましたが、大臣に、そういう方針を決めたのかどうか、最初に伺っておきたいと思います。
○麻生国務大臣 これは、地方税の徴収のいわゆる委託、外部発注というか、委託の件について、規制改革・民間開放推進会議というところから昨年12月に答申というものが出された中で、読み上げますと、個人情報保護政策との整合性に留意しつつ、民間事業者のノウハウを活用できる業務の民間開放を一層推進すべきであるという御指摘を得ております。私どもは、この答申を踏まえて、取り組みの方針として、3カ年計画というのの取りまとめに向けた検討が今進められている段階で、この3月の下旬には一応の方向を、どう取り扱うのかということについての方針は取りまとめたいと思っております。
これは、いろいろ微妙な問題がいっぱいありますので、いきなりぽいと、個人のプライバシーの話からいろいろありますので、そんな簡単に民間に全部委託できるような種類の話と思ったことはありません。
○吉井委員 今のお話なんですけれども、要するに、民間委託ができるかどうかということ自体を検討するのか、それとも、民間委託を前提にして、どういうものが民間委託できるのか、それを検討しているのか。つまり、今いろいろ検討したりというところなんですが、何を検討しておられるのか、もう少し具体的に伺いたいんです。
○麻生国務大臣 まことにごもっともな御指摘なんだと思いますが、いわゆる徴税をいたしますのは、国が持っております最高権力の1つに徴税権があるんだと思っておりますので、こういった強制処分を伴いますような権力の行使ということになりますと、これはいろいろな意味で、それこそプライバシーの話から何から出てきますので、その種のいわゆる賦課とか徴収とかいうような基本的なところに関しては、今後とも民間に委託するのは不適だ、基本的にはそう思っております。
その上でいろいろやってみますと、例えば、民間委託可能で既に先例事項があるというものは、差し押さえてあります物品を管理するというものに関しましては外部委託とか、コンビニエンスストアへの地方税の収納を委託するというようなこと、これは365日、24時間の収納受け付けというのが可能でありますので、そういった意味であります。
さらに、今どういったことがということで、納税通知書の印刷、自分で印刷する、それで印刷されたものを袋に詰める、発送するまでだから袋に詰める、それからそういったものを入力させる、あて名書きを全部入力させる、こういったものは民間に委託しても別に、人力の方がえらくかかる話でもありますので、そういった部分に関しては外部委託も可能なのではないかということで、私ども今検討いたしております。
重ねて申し上げますが、徴税等々の公権力の行使を伴うようなものに関しては、今後とも外部委託をするつもりはありません。
○吉井委員 ただ、ヒアリングがあったときの話と、それを受けての答申というのを見ておりますと、昨年12月の分ですが、「強制徴収権の行使はいわゆる「公権力の行使」であり、公務員でなければ行えない」との意見を、今おっしゃったように、言っているわけですね。「民間では公平・中立な徴収が行われない可能性がある」ということも意見として言っておられる。「徴収業務に際しては個人情報を扱うことになり、厳格な守秘義務を負う公務員が扱うことが適当」という意見も述べておられるんです。
ヒアリングでは言っておられるんだけれども、ところが、3つの意見に対する反論というのをそれぞれ答申の方は書いておるわけですね、答申では言っているわけですよ。そしてその上で、上記の意見以外の意見についても、民間開放を否定する定量的かつ具体的な論拠があるとは言えず、民間開放できないとする根拠は存在しないと言わざるを得ない、民間開放による徴収業務の効率性の向上が期待できる、だから積極的に開放を推進すべきだというのを推進会議の結論として言っておる。
だから、総務省は民間開放の難しさを説明しているのはよくわかるんですよ、読んでおればわかるんだけれども、推進会議側は民間開放ができない理由にならぬと言う。つまり、総務省には民間委託にする余地があるじゃないかということで、向こうが言ってきたことについてはきちんとした反論がないわけですから、これは総務省の側が推進会議の方に白旗掲げて降伏という感じなんですが、ここは大臣、どうなんですか。
○板倉政府参考人 今の点でございますけれども、御指摘がございましたとおり、規制改革・民間開放推進会議に対しましては、私どもの方から、強制徴収や立入調査などの公権力の行使は民間委託できない、ただ、徴収の効率化の観点から、民間活用が可能な補助的な業務については個別に民間委託等を推進することは適当と考えている、ただ、個人情報の保護については特に留意する必要があるのではないかということを申し上げてまいりました。
その結果、答申が出ているわけでございますけれども、昨年12月の答申の中におきましては、地方税の徴収の民間開放について、個人情報保護政策との整合性に留意しつつ、民間事業者のノウハウを活用できる業務について民間開放を一層推進すべきというふうにされたところでございます。
こういうような表現の答申とされたのは、ヒアリングなどを通じまして御説明をいたしました私ども総務省の考え方について御理解をいただいたのではないかというふうに私どもとしては受けとめております。
○吉井委員 今のお話を聞いていますと、何か民間委託できるものとできないものを切り分けできるような感じなんですね。しかし、そんな簡単に切り分けできないんですよ。現在でも、公権力の行使に当たらない事務とか、あるいはプライバシーの漏えいの可能性がない事務だという理由をつけて、実際には税務の事務の一部は民間委託されていますね。そこで問題を起こしているでしょう。
例えば、これは新聞でも報道されましたし、雑誌「地方税」の昨年1月号にも掲載されておりますが、仙台市の例を見ますと、市民税の税額算定を行うために各事務所から提出された給与支払報告書の数字をコンピューターに入力する作業を民間委託したんだけれども、その際、入力作業の過程で574人分のデータが流出するという事件が起こっていますね。
この契約を私も見ましたけれども、再委託禁止とちゃんと契約にうたってあるわけですね。あなたのお話だったら、切り分けして、契約でちゃんとうたったらいけるようなことで、何かあたかも推進会議に抵抗して頑張ったようなお話なんだけれども、しかし、実際には、委託した会社が別の会社に再委託、再委託されたところはまた再委託、4回にわたって再委託が続いているでしょう、仙台の例の場合は。何と、仙台市の委託なんだけれども、渡した資料の一部は北海道の在宅のキーパンチャーにまで渡っておったということがわかりましたね。
ですから、個人情報の保護について、規制改革会議の答申では、「現在公務員に課せられている守秘義務と同等の守秘義務を法令又は契約で課せばよい」と言うんですが、実態はそんなものではない。とりわけ、公務員の場合と違って、守秘義務といっても刑事罰は全然かからないわけですから。ですから、仙台の場合は、再委託は禁止されているにもかかわらず再々委託が4回も繰り返されて、結局情報が漏えいするということがあったわけでしょう。これはあなたの方はよく御存じのところです。
ですから、こうした委託業者のミスで個人情報が他人に漏れる事例が、一昨年は所沢市、小金井市、昨年は豊島区でも起こっております。東京近辺の自治体の事例ですが、全国的に見れば随分あるわけですよ。仙台で事件が起こったときに河北新報社が調べてみたら、県庁所在地の五市と宮城県内九市、全部電算入力の外部委託だと。現実には委託が進んでいるんですが、しかし、仙台市のような例が次々と起こってきております。
ですから、規制改革会議は地方税の徴収事務の民間委託と言うんですが、納税者の個人情報を守るという観点からいえば、現在各地方自治体で行われている税関係の事務の民間委託の見直しこそ今求められるんじゃないか。大臣もプライバシー保護、個人情報保護をおっしゃったんですが、今この見直しこそ必要だ、大事な点だと思うんですが、これは大臣に伺っておきます。
○麻生国務大臣 今の仙台市の関係は、言われたことに関しましては、もう仙台の税務当局も事態を認めて、間違いなく管理の不行き届き、これはもうはっきりしておりますので、そういった点においては、私ども今後ともきちんとやっていかないかぬなと思っています。
これは基本的には徴税コスト等の話なんだと思うんですね。徴税コストに金がかかる、国家公務員でやらずに、入力とかなんとかいうようなことは外部委託した方がはるかに安く済むではないかというところから多分スタートしているんだと思いますけれども。
こういった点は、地方税の関係でいきますと、私どもとしては地方団体というものに対して、外部委託して安くするのはいいが、その分だけ危険が伴う、いわゆるプライバシーの流出等々の危険が伴うという点は、業者の選択に当たっては、これはただただ安かろう悪かろうじゃとても済む話ではありませんので、きちんとした業者、しかもその業者がまた再委託なんてしたら、これは仙台の例ですから、そういった点は、地方の税務当局からしてきちんとした対応をやらないと後々問題になりますよという点で、私どもとしては、各地方団体にその周知の徹底というものは重ねて言い含めてあるところであります。
○吉井委員 要するに、定率減税の縮小、廃止とか高齢者への課税強化の一方で、こういう徴税実務の中で民間委託をしてプライバシーがどんどん漏れる、これでは地方税そのものに対する信頼が失われていくということを申し上げまして、時間が参りましたので、質問を終わります。
《反対討論》
○吉井委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました地方税法改正案に反対の討論を行います。
本改正案は、小泉内閣の消費税増税までをにらんだ連続的な大増税、負担増路線の一環をなすものであります。
反対理由の第1は、定率減税の縮減が納税者全体への負担増となることであります。家計消費の減少が続く中での定率減税の半減は、国民の暮らしを直撃し、景気を冷え込ませるものだからであります。
定率減税の半減により、納税者全体の負担は3880億円も増加し、とりわけ働き盛りの世帯や子育て世帯の負担増は重大です。こうした負担増は、既に決定されている配偶者特別控除廃止などによる増税や、年金保険料の引き上げなど社会保障改悪による負担増とともに、ただでさえ収入減にあえいでいる家計に追い打ちをかけ、個人消費を一層冷え込ませるなど、国民生活と経済に重大な打撃を与えるものとなります。
反対理由の第2は、65歳以上の非課税制度の廃止が高齢者の生活を脅かす負担増となるからであります。
65歳以上の高齢者の非課税制度の廃止により、新たに課税される人は100万人にも及び、個人住民税だけでも171億円もの負担増となります。これによって、既に決定されている公的年金等控除の縮小や老年者控除の廃止と相まって、個人住民税が新たに課税される人が大幅に拡大されます。この影響は国民健康保険料、介護保険料などの負担増につながり、自治体の公営住宅の家賃へのはね返りから住民税非課税が課税となることによるシルバーパスや老人医療費の負担まで、雪だるま式に負担がふえることになります。
反対理由の第3は、庶民増税を強め、フリーターなどへの課税強化を進める一方で、大企業優遇の特例措置を延長、拡充しているということであります。
大都市での大規模な開発を行うための都市再生特別措置法による大企業優遇の特例措置の延長や拡充、実態として大企業が主に担っている民間資金の活用による公共施設整備、PFI事業推進のための特例措置の延長や拡充など、担税力のある大企業への特例を延長、拡充することは容認できません。
以上で反対討論を終わります。
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