162国会 総務委員会 2005年3月2日

 ※小泉内閣総理大臣・・・小泉純一郎・内閣総理大臣
  麻生国務大臣・・・麻生太郎・総務大臣
 

○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
 きょうは、補助金を廃止して税源移譲するということで地方の自由度を高める、政府はこれをずっと言ってきたわけですが、この問題について見ていきたいと思います。
 いざ税源移譲の段階になったら、ちょっとその額は多過ぎる、8割程度でとか、あるいは実は必要額の全額はこの程度だと値切ってくる、こういう作業が所管官庁でやられています。
 普通は、補助金を削減ということは100%税源移譲と行くはずなんですね。ところが、税源移譲100%になっているわけではないという問題がある上に、実は、税源移譲したということになりますと、つまり、補助金をなくしたということは、国の関与をなくすから自由度が高まるという議論でしょう。ところが実際は、2005年度の税源移譲の額1兆1160億円、対象の国庫補助負担金の目の数で見れば36、このうち廃止される補助金は目の数として15なんですね。税源移譲対象補助金の半分以上が引き続き補助金として残るということになっています。
 税源移譲は、補助金を廃止するから税源移譲するということが最初の説明だったと思うんですが、実際には廃止されていないというのが実態ではありませんか。

○麻生国務大臣 御指摘のところ、8割と言われたのは、多分、3兆に対して約2兆4000億、だから8割という数字のことを言っておられるのかと存じますが。
 もともとスリム化の2003のところから、これはもう先生よく御存じのとおりに、少なくとも、今まで100を切ったものは少しはスリム化してくださいよと。例えば今、保育園が出ていましたけれども、保育園の事務経費などというものは少しは努力してください、構成人員も少し若返りを図ってくださいとか、いろいろな形でスリム化をお願いするというのは、前々から基本方針2003でも決めていたところでもあります。
 不要不急と言われるところは少し削減をしていただく、スリム化していただくということはやはりある程度していただきませんと、全体にならない。ただ、全体として、きちんとした譲れないもの、必要なものに関しましてはほぼ全額ということだと私どもは理解をいたしております。

○吉井委員 スリム化しろといって圧力をかけたら、これは自由度を増す話と全然違ってくるんですね。
 財務省資料を見ていましても、税源移譲額1兆1160億円の積み上げの基礎となった補助金名が挙げられております。それを見ると36ですが、その中には暫定的に補助金カットがあった義務教育費国庫負担金もありますから、それを除いて目の数で見れば35なんですね。そのうち廃止されて目がなくなるのは15の補助金です。半分以上は存続するんですね。
 大臣は、昨年4月に経済財政諮問会議に提案されたものの中で、国庫補助負担金の改革の目標として、地方の自由度の大幅な拡大を目指し、税源移譲に結びつく改革を中心に推進するということを挙げていたわけですよ。ところが実際は、補助金は切るんだけれども、切った分が100%税源移譲されるわけではなしに、廃止するとともに補助金がなくなっているのかと思ったら、半分ぐらいは残る。つまり、国の関与が続いていく。そして、スリム化しろという話ですね。
 一体これで地方の自由度が拡大することになっているとお考えなのかどうか、伺います。

○麻生国務大臣 今言われましたように、例えば義務教育費等々は、教育に係ります教職員の給与の半分がそのまま移転するだけですから、全然ふえないではないかという点等々、挙げれば例が出てくるんだと思います。
 例えば、独居老人対策として生活支援ハウス運営補助金というのが、吉井先生はよくお詳しいところだと思いますが、利用定員についておおむね10人としつつ20人を限度とする、調理室を設置しなければならないなどなど、国から示された補助基準というものを満たさなければならないということで決められております。しかし、この補助金が一般財源化されたということによりまして、国の補助基準というものに縛られることがなくなりましたので、地方の判断によって、地域の現状に合わせて、独居老人対策というのは結構できるようになった。私どもの筑豊なんかでもよく見られた例ですけれども。
 そういった意味からいきますと、いろいろな意味で、現実問題としては自由度が増して、首長さんはその範囲内で随分できるようになったという意見は聞かされておりますので、全部が全部うまくいったとも申し上げませんけれども、全部が全部全く自由度が1つもふえていないではないかというようなことではないのではないかと思っております。

○吉井委員 補助金をカットすれば、それに見合う税源移譲があって当たり前です。実際には税源移譲はきっちり行われていないし、それから、補助金を切るということは、少なくとも目はなくなるはずなんです。しかし、目は半分残っているんですから、国の関与は続いているんです。昨日やりましたように、交付税の方は税源保障機能の縮小ということで縮小へ行くわけですから、これでは地方の自由度が高まるということにはならない。
 私は、この点では、こういう三位一体の改革というものはやめるべきだということを申し上げまして、時間が来たという札が来ましたので、質問を終わります。

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《反対討論》

○吉井委員 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
 反対の理由の第1は、地方財政が毎年巨額の財源不足を生じる事態にありながら、抜本改革を放棄し、依然として、国の責任放棄と言われる折半方式を継続していることであります。2005年度の財源不足は7兆5129億円と見込まれ、法定額の63%に当たるという巨額なものであります。
 本来ならば、地方交付税法第6条の三の第2項の規定によって、96年度から財源不足額の全額を補てんする抜本改革が求められています。ところが、政府は、抜本改革を回避して、折半方式をもって法第6条の三第2項の制度改正と強弁し、続けているのであります。しかし、法第6条の三第2項は、国が責任を持って地方の必要な財源を確保する旨の規定であり、財源不足の半分を負担するだけでは、到底国がその責任を果たしたと言えるものではありません。
 第2は、赤字地方債の増発をも地方団体に強要するものだからであります。2005年度も、3兆2231億円の赤字地方債の増発が予定されています。この赤字地方債による補てんは、それぞれの地方団体が自前で借金をして調達する方法だから、法第6条の三第2項の国の責務が果たされたことにはならないとの理由から、採用できないとされていたものであります。
 ところが、政府は、元利償還の全額を交付税に算入するという条件をつけるだけで、強引に制度改正に該当すると強弁しているのであります。しかし、元利償還の全額を交付税に算入するということは、地方の共有財源である交付税をその償還に充てるということを言っているだけで、国の責務が果たされていないことには変わりはありません。加えて、赤字地方債は、地方財政法で原則禁止されているものであります。そうしたもので財源不足を補てんするやり方は、二重の脱法的手法であり、容認できません。
 第3は、国の歳出削減を優先する三位一体の改革の関連法案だからであります。2005年度の三位一体の改革は、交付税はほぼ前年同額に据え置かれた形をとっているものの、国庫補助負担金の削減額1兆7681億円に対して、税源移譲額は1兆1160億円、7割と、昨年に続いて、地方の自由度の拡大よりも国の歳出削減に重点が置かれたものになっています。
 数合わせのために、税源移譲とは関係のないスリム化、補助負担金を温存する手段とも言える交付金化を改革の額に含めるなど、改革の理念のかけらもないことを申し上げ、討論を終わります。


《総理質問》

○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
 GDPの約6割は家計消費ですが、家計の可処分所得を奪ってしまうことになると、消費不況を拡大するということになっていきます。景気にも税収にもマイナスになることは明白です。
 今回の高齢者の個人住民税非課税措置の廃止で、65歳以上の高齢者の中で約100万人が非課税から課税対象になります。しかも、それに連動して、国保や介護保険、地方自治体のシルバーパスから医療費助成に至るまで、全部負担増につながってきます。ですから、非課税から課税世帯になることで、地方のサービスも含めて考えると、これは高齢者の世帯の構成とか年齢とか所得とかいろいろ違いはありますが、例えば基礎年金ぐらいの所得の高齢者夫婦で見れば、3倍に負担が重くなるという例もありますし、また、単身高齢者で4倍に負担がふえるという例もあります。ですから、今回の問題は高齢者から悲鳴が上がっております。
 そこで、高齢者、所得の低い方たちにとってこうして雪だるま式の負担増も出てくるということについては、総理は思っておられるかどうかを総理に伺います。

○小泉内閣総理大臣 定率減税が高齢者に対して負担増になるという御質問ですか。(吉井委員「住民税非課税措置廃止でね」と呼ぶ)この定率減税と住民税について、別に一体ではありませんが、税というのは、だれでも負担しなきゃならない問題なんです。共産党が常々主張されているように、消費税、これは国民全体が負担するから反対だという主張はよく聞いております。
 そういうことを考えますと、税というのは、どういう税をやっても、負担になるということは避けられない。国民の負担なくしてあらゆる福祉政策というものは遂行できない、だれかに負担をお願いしなきゃならないということでありますので、負担になるということの議論については、私は否定しません。しかし、予算等、支出の方も考えないと、これは、だれも負担しないで政策が実行されるというのは、どこの国でもあり得ないんですから、そういう点をよく考えて私は判断すべき問題ではないかなと思っております。

○吉井委員 定率減税廃止による負担増ももちろんあります。同時に、高齢者の住民税の非課税措置を廃止した場合に、それだけにとどまらないで、高齢者、特に所得の低い方たちの中には、雪だるま式に、国保も介護保険もそうですし、さらに地方自治体、いろいろなことをやっていますね、取り組み、シルバーパスの問題にしろ、そういったことにあわせて雪だるま式に負担がふえてくるということは総理もお考えでしょうということを聞いているんです。

○麻生国務大臣 基本的には、国民健康保険料と今言われましたけれども、負担額にある程度の影響が出てくるということは、もう間違いありません。
 雪だるま式と言われると、何かえらい騒ぎで、そういう形容詞にちょっとひっかかるんですけれども、雪だるまと言われるほどむちゃくちゃな感じはしませんけれども。

○吉井委員 総務大臣は国保にかかわりがあるから国保が気になったんでしょうけれども、そうじゃなくて、高齢者の非課税措置、これを廃止して、そうすると課税世帯になりますね。だから、税額がふえるという分はもちろんあるんですが、その負担だけじゃなしに、国保も介護保険も、さらに地方がシルバーパスその他負担がふえてきますから、雪だるま式に負担がふえてくるでしょう、それは総理もお考えでしょうというのが1つなんです。
 その1つと、時間が迫ってまいりましたから、もう1つあわせて。では、その措置に対して、高齢者の非課税措置廃止による低所得者の負担がふえて暮らしが困ることにならないように、国がきちんと責任を果たす必要があると思うんですが、その場合、何か総理として対策をお考えなのか、この2点を総理に伺います。

○小泉内閣総理大臣 それぞれの負担がかかる部分にどのような配慮をなすべきかというのは、当然国だけでなく市町村等考えていかなきゃならない問題だと思っております。

○吉井委員 時間が参りましたので。要するに、負担増が雪だるま式にふえるんです。考えていかなきゃならぬというお言葉ですが、これは本当に、そこを考えたならば、とりわけ住民税の非課税措置の廃止などで負担を重くするようなことはやめるべきだ、このことを申し上げまして、質問を終わります。