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162国会・総務委員会・2005年3月1日
※麻生国務大臣・・・麻生太郎・総務大臣
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
私は、地方交付税に関連して質問をしたいと思います。
財務大臣の諮問機関である財政制度審議会が、2005年度予算編成の基本的考え方の中で、地方交付税による財源保障は、地方公共団体が国へ財政的に依存し、地方の自主性、自立性が生まれにくい状況をつくり出しているというふうにして、将来的廃止を打ち出しておりますが、財務省などは、この立場に立って、交付税の財源保障機能の縮小を今主張しております。
こうした主張に対して総務省は、これまでは交付税の財源保障機能と財政調整機能は表裏一体のもので分離できないんだと反論をしてまいりました。ところが最近、総務省の方は財源保障機能を守るとは余り言わなくなっていますね。
総理は、この前の本会議で、私が伺いますと、「地方交付税の財源保障機能については、その全般を見直し、縮小する」と答弁をしております。
総務大臣も廃止、縮小の方向で考えているのかどうか、これを最初に伺います。
○麻生国務大臣 今の吉井先生の引かれた例は、多分、地財計画のスリム化という話をされたと思いますけれども、交付税の話をといって、この調整機能というのは、町村合併が仮に進んで財政指数の差が今までよりは少なくなるであろうとは存じますけれども、それでも、今後ともこの種の差というのは、町村の絶対総数が2000を切るような事態になったとしても、その地域によっての財政指数に差がなく皆同じであるかというのはとても考えられませんので、ある程度の行政サービスの維持のためには交付税というのは避けて通れないものだと思っております。
○吉井委員 総理ははっきりと、「地方交付税の財源保障機能については、」調整機能はもちろんとして、「保障機能については、その全般を見直し、縮小する」ということで答弁をしているわけです。
これまでは、もともと財政調整機能それから財源保障機能は一体のものとしてずっと総務省の立場では考えてきたわけですが、総理はこう言っているが、総務大臣はこれまでどおりの立場できちっと臨むのかどうか、それとも廃止、縮小するということを考えておられるのか、これを伺っています。
○麻生国務大臣 量というものと本来の質というものと二つあると思いますが、吉井先生の御懸念になっておりますそういった調整機能というものは、今後ともなくなることはない、必ず必要なものだと思っております。
ただ、量につきましては、先ほど申し上げましたように、法定率が変わってみたり税収がふえてみたりいたしますと、そういった交付税というものが不要になってくる団体というものを少なくとも人口比で全人口の3分の1ぐらいとしたい、交付税をもらいにこなきゃどうにもならぬという団体、そういったものの数を減らしていくということになりますので、その意味では、地財計画を含めまして、財源の絶対量が縮小するということは十分に考えられます。
しかし、傍ら、今後ともそういった交付税を必要としないというような町村だけになるかということはとても考えられませんので、そういった意味からいきますと、交付税の持っております本来のいわゆる質の部分、本来の地方交付税の持っている性格、そういったものは今後ともなくなることはありませんし、その点に関して、総理が今後ともそういった機能をなくす方向に考えているということは、とてもじゃないけれども、ありません。
○吉井委員 いや、総理答弁は割とはっきりしているんですよ。答弁は、「地方交付税の財源保障機能については、」財源保障ですよ、「保障機能については、その全般を見直し、縮小する」と。これは私の本会議質問への総理の答弁なんです。
どうも今までの総務省はそうじゃなくて、財務省はそういうことを言ったとしても、いや、総務省としては、財源保障機能と調整機能、2つの機能があるわけですから、これを守っていくんだということで言ってこられたんですが、総理答弁がこうなっているものだから、それで、総務大臣の方が廃止、縮小という方向をとられるのかどうか伺っているんです。
○麻生国務大臣 今総理の言葉を言われましたけれども、縮小ということは、それは豊かになってくれば絶対量が減りますので、縮小するということになり得る可能性はもう間違いなくあり得ると思います。縮小というのは財源の総額ですよ。
しかし、問題として、交付税の財源保障機能というものがありますので、この機能は今後とも重要性を増すことはあっても減ることはありません。
○吉井委員 片山前大臣が一昨年4月の経済財政諮問会議に出した資料、「三位一体改革の進め方について」では、地方交付税の改革の財源保障機能と財政調整機能に触れて、「地方交付税のウェイトは低下するが、地方団体に対して行政任務に見合った財源が全て地方税によって財源確保されない限り、地方交付税により財源保障を行いながら、一体的に財源調整を行うことが必要。したがって、地方交付税の財源保障機能と財源調整機能は一体不可分の関係にあり、どちらか一方を切り離して廃止するという考え方はとれないもの。」ということを言っております。
総務省がこの立場をとってきたことは間違いないと思うんですが、この点は確認しておきます。
○麻生国務大臣 片山さんとそんなしょっちゅう意見が合うわけじゃありませんけれども、その意見に関しては間違いなく合っております。
○吉井委員 ところで、昨年11月の麻生大臣の経済財政諮問会議への提出資料、「三位一体の改革を推進するための地方税財政制度 地方交付税改革を中心に」というところでは、参考二のところで、財源調整については、財源調整機能の確実な発揮という言葉が入っております。ところが、財源保障の方は、財源保障のホの字も出てこないんですね。一般財源総額の確保とか総体としての保障という言葉、その表現はあるんです。
片山さんは、一体不可分の関係、どちらか一方を切り離すことはできないと言っていたんですが、麻生大臣は、切り離すことができて、廃止はできないが縮小はできる、こういう考えに立っておられるのかどうか、伺います。
○麻生国務大臣 今御質問の意味は、縮小する方向で考えているかということなんだと思いますが、考えておりません。
○吉井委員 廃止はできないが縮小はできるということじゃなくて、その縮小はできないという考えですね。
○麻生国務大臣 言葉が足らなかったかもしれませんが、景気がよくなってくればそこのところが小さくなるということは十分に考えられると思いますけれども、本来持っております機能というものが縮小されるというようなことはありません。
○吉井委員 景気にかかわる話はまた後ほど少し触れようかと思いますが、この財源保障機能の廃止という議論は、マクロの議論として、地方分権推進会議の議論の中で一部の委員から出ていた話ですね。それは大臣もよく御存じのとおりです。
そのねらいとするところは、交付税総額を、国税5税の一定割合の部分は法定率分という表現をとり、国税5税の一定割合以外の部分には法定率以外の部分、これは一般会計において行われる上乗せ分ということでの法定率以外の部分という表現を使っていますが、このそれ以外の部分については財源保障しないという主張でありました。
こうした乱暴な議論というものは委員会での委員の意見の一致を簡単に見ないというのは当たり前だと思うんですが、ところが、一致を見ないうちに強引に意見に盛り込まれたために、11名の委員のうち、鹿児島の市長さん、石川の知事さん、筑波大学の岩崎教授、東大の神野教授が明確に反対され、吉永みち子さんは反対とか賛成とか態度を問う問題じゃないと言って署名を拒否された、こういう事態になっています。審議会委員の半数に近い委員がその審議会の答申する内容に反対とか署名を拒否するということ自体は、政府の審議会では極めて異例のことですよね。
さすがにこの意見というのは経済財政諮問会議の決定などには反映されなかったんですが、ただ、問題は、一部の委員の方が財政制度審議会と地方分権推進会議の委員を兼任しているということがあって、その考えが財政制度審議会に持ち込まれてくる、それが財政制度審議会の昨年の答申の形になってきたということを言わなきゃならぬと思うんです。
そこで、この法定率以外の部分の財源保障をしないということを少し現状に当てはめて考えてみると、2005年度交付税の算定の基礎の中で、2005年度で見ますと、交付税総額は16兆8979億円、そのうち法定率分が11兆9810億円というふうに表に書いてありますから、差し引きすれば、残る4兆9169億円が法定率以外の分ということになってきます。これは交付税総額の29%で、非常に大きいものです。これだけ巨額の交付税を現実に財源保障から除外するというのは不可能ですが、除外の方向に向かっているんじゃないか、そこが非常に懸念されるところですね。
この点について伺います。
○麻生国務大臣 基本的には不可能です、今言われたのは。
○吉井委員 総務大臣、あなたが昨年11月に経済財政諮問会議に出しておられる資料によれば、2006年度までは2005年度並みの一般財源総額は確保するということははっきりしておられます。それ以降を策定する中期地方財政ビジョンでは、「歳出見直しと税の増収による地方財源不足の早期解消」というふうにあるわけですね。
これは、財源不足の中で歳出見直し、つまり抑制をどんどんやって、税の増収が仮にあるとすると地方財源不足の早期解消ということになるんですが、財源不足がなくなれば、分権推進会議の一部の委員や財政審の答申の言っている財源保障を廃止するということを実現することになってきます。そういうことをねらっているのではないかというふうに思われますが、この点はどうでしょうか。
○麻生国務大臣 ねらってもおりませんし、ならないと思います。
○吉井委員 そこで、景気の方を少し見ておきますと、今の景気はとてもじゃないが財源不足が解消されるような状況にありません。そういう現状のもとで定率減税の廃止などで景気を冷やすことになってしまうと、景気回復の方はますます遠のいてしまうという問題がありますが、仮に景気が回復して、通常収支の不足額7兆5000億円を超える11兆1621億円の財源不足を解消するということは、やはり不可能に近い話だと思います。
2005年度地財計画の概要によれば、2005年度で、財源不足11兆1621億、うち通常収支の不足7兆5129億円とあるわけです。普通は財源不足のところは交付税ということになるわけですが、この財源不足を税収の増税で圧縮するか、あるいは歳出見直しによる財源不足の圧縮、これを並行して進められていくという。これは、現行制度のもとで考えれば、財源不足を減らそうというときには、増税すれば減る方向に行きますし、それから歳出の見直し、抑制をかけることによって財源不足の圧縮ということにはなるわけですね。
増税なり歳出削減なりを徹底的に進めることによって財源不足をなくす取り組みをした上で財源不足を解消していく、そういうふうに進めていく方向で、その上で、大臣が出した文書を見ていますと、法定率分を再セットするというのがありますね。これは現行の交付税率を結局引き下げるということを意味してくるんじゃないか。
財源不足を解消するという方向に、要するに、片方増税で圧縮になりますね、歳出抑制で圧縮になりますね、それで財源不足をなくす取り組みをやってくれば、結局そこで出てくるのは現行の交付税率引き下げ。つまり、法定率分を再セットするということを文書に書いておられるんですが、法定率分再セットというのは現行の交付税率を引き下げるということを意味してくるんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○麻生国務大臣 先生、こういうのを見られて、よくそこまで、想像力は大したものだなと思って感心して聞いていたんですけれども。
私ども、自由民主主義でいきますと、法定率を再セットするということは、現行の29%やら何やらの、たばこ税やら何やらの分を上げる、そういった形にいたしまして地方の収入はふやすということを意味するのであって、それを上げた分だけ交付税の率を下げるとかいうつもりは全くありません。交付税やら何やらの、それを下げる方に使うんじゃないかという、邪推もしくは思い込みなんでしょうけれども、それは全く違う。反対の想像をいただいた方がよろしいんだと存じます。
○吉井委員 もともと地方の財源不足のときには交付税率引き上げを考えなきゃいけないんですね。しかし、現実には、それをやらないで特会借り入れでやってきたんです。特会借り入れをやったとしても、それは国の方の財政の都合で特会借り入れで地方交付税の補いをするわけですから、本来、国が全部持たなきゃいけないんですね。しかし、それを後年度において地方に負担させるというやり方をやってきているぐらいですから、とてもじゃないが、この再セット、リセットという話は交付税率を引き上げるという方向で考えておられるようにはなかなか理解しがたい。
これは邪推という世界じゃなくて、実際に財源不足があって、増税によって財源不足分を減らす、歳出抑制によって減らしてくる、こうして解消してくれば、もともと財源不足に充てる地方交付税の方は率を減らしてやっていけるという話になってきますから、だから、法定率分再セットと書かれている文は、こういうやり方をするならば、つまり、増税なり歳出削減なりを徹底して進めることによって財源不足をなくすという取り組みをした上でのことであれば、これは現行の交付税率を引き下げるということを意味するのではないですか、こういうことなんです。
○麻生国務大臣 今、差が7兆ありますので、7000ぐらいならまた話は別かもしれませんけれども、それはとても今の段階で考えられる話ではありませんので、私の生きている間にそういうことになれば最高だなとは思いますけれども、なかなか簡単な話ではない、よほど景気がよくなったといたしましてもちょっとなかなか難しいなという感じがいたしますので、今の御懸念のことは当たらないと存じます。
○吉井委員 交付税の方が、もともとこれは非常に財源不足の中で必要なわけですから、簡単に減らせる話じゃない、これは当たり前なんです。しかし、縮小の方向で考えるというのが総理の答弁にもあったわけでありますし、そういう点では、この法定率分の再セットということが現行交付税率引き下げということを意味するというふうに読み取ることもできるし、またそれは大変懸念されることだというのは、麻生大臣のお話はわかったんですよ、しかし、総理の本会議での答弁からすると、なかなかそうはいかない。
だから、財務省や総理がそういう地方財源を圧縮する方向で考えていることについては、そんなやり方を進められては困る、三位一体改革と称して、結局国の財政対策で地方にしわ寄せをやるようなやり方はとてもじゃないが許されないことだ、このことを申し上げまして、時間が来たという札が参りましたので、質問を終わります。
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