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第162国会・2005年1月28日衆議院総務委員会
※麻生国務大臣・・・麻生太郎・総務大臣
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
今年度に生まれた交付税の増額、一兆一千六百八十六億円のうち、六%に当たる特別交付税の七百一億円、それから調整戻しの六百三十九億円、これなどを今年度地方に配分する、残る交付税の一兆三百四十七億円は翌年度に繰り越すというわけですが、その理由は何ですか。
○麻生国務大臣 先ほどの西村先生の御質問とほぼ同様の趣旨だと存じますけれども、重複するかもしれませんが、基本的には、今年度当初に比べて増収分が極めて多かったということは、もう御存じのとおりに、国税五税はいずれも伸びましたので、それによりまして、いろいろな形で、補正予算等々は災害等々に合わせまして組んだ。しかも、各地方からいただいております要望は、ほぼそれを満たすような形での補正予算も組めております。
また、その他、災害以外にもいろいろ特別交付税等々やらせていただいたところなんですが、そういったものをやらせていただきました上で、なおかつ余ったという分に関しましては、過去数年間に比べれば、極めて増収率が高かったということになろうかと思います。そういった意味で、私どもとしては、十六年度の分を十七年度に繰り越すことによりまして今地方税等々が極めて潤沢な時代なら結構なんですが、来年も多分バランスするほどのところまでとてもまいりませんので、その分は何らかの形で補わないかぬということになりますので、今申し上げた形で来年度に送ることによりまして、来年度の税が、バランスしません、来年度はまだ多分足りないと思いますが、その中でも、その分を充てるのに使えるというように考えるということだと存じます。
○吉井委員 大臣も繰り返し言っておられるように、もともと交付税というのは地方の固有財源ですから、交付税を今年度地方団体に普通ならば配分するのは、これは当たり前の話なんです。では別の角度から聞きたいと思うんですが、来年度に繰り越すことによって、地方団体にとってどんなメリットが生まれてきますか。
○麻生国務大臣 メリットといえば、今申し上げましたように、今回の繰り越し措置をとることによって、地方財源の不足の圧縮というところは、やはり地方にとりましては大きなところになるんだと思います。
これを、基本的に、十七年度の財源不足というものを、十七年度が財源不足に絶対なるかと言われれば、私自身の予測ではこれまでの経緯からなると思われますので、財源不足が来年めちゃくちゃ景気がよくてもし出なかったらどうすると言われるとちょっとお答えのしようがありませんが、通常ですと、ことしぐらいふえたって財源不足がまだ続きますので、その財源不足に充てるということに関しましては、効果的に活用できるものだと思っております。これは、地方にとりましては、地方の団体を経営する立場に立って考えれば、それなりのメリットはあると存じます。
○吉井委員 交付税の増額分というのは、これは本来、この特例法をつくらなかったら、交付税法第六条の三第一項の規定によって地方団体に配分されるんですね。だから、わざわざ特例法をつくって先送りするというわけですが、入るものが地方団体からすれば先送りになるんですね。今、地方団体はそんな余裕がないんですよ。だから、地方団体の側からすればどんなメリットがあるのかということをもう一遍聞いておきたいと思うんです。
○麻生国務大臣 今言われましたように、地方交付税法の特別交付税額の変更等、第六条の三の話なんだと思いますが、「交付すべき普通交付税の総額」、補正によります増分も含めまして、「総額が第十条第二項本文の規定によつて各地方団体について算定した額」ということになっておりますが、合算額を超える場合におきましては、「当該超過額は、当該年度の特別交付税の総額に加算するものとする。」という条文を言っておられるんでしょう。(吉井委員「そうです」と呼ぶ)
多分そうだと思って今の話を伺っていたんですが、基本的には、厳しい情勢、予算編成を強いられたというのはことしの当初の話で、いろいろマイナス一二%の話やら何やらございました。平成十六年度の中でそういった話があったことは確かなんですが、これは、財政の健全化に向けて、各地方団体、約二千五百ぐらいになろうかと思いますが、いろいろ取り組みをしていただいておるところなんでして、抑制された分をいろいろ努力された結果、それなりに一応の形ができ上がってここまで事は経過をし、その後、交付税、特別交付税、いろいろな形でそこそこのものが出ております。
そういった意味では、厳しい予算編成を強いられたという声が多いことは承知をいたしておりますが、今の段階では一応形としてでき上がっておりますので、来年度のことを考えて、やはり、ことし余った分を全部ことしじゅうにばらまいちゃえという話には、ちょっとなかなかくみしがたいというところだと存じます。
○吉井委員 要するに、年度間調整でという議論ですよね、今の話は。だけれども、それをやるんだったら、交付税特別会計の世界じゃなくて、地方の固有財源であるわけですから、まず配分して、ことしなんかは既に、もともと地方交付税と交付税見合いの臨財債などで三兆円削っていますから、だから、基金は取り崩す、空財源は組む、いろいろな苦労をして歳入歳出を合わせてやってきているわけですから、当初の段階で。ですから、まず、交付税で増額分があれば、これは地方に配って、その結果として、地方で必要なものにお使いになる、あるいは取り崩した基金の埋め合わせをするとか、地方が年度間調整というものを考えればいいので、もともと、昨年の大臣の所信のときも、大臣がおっしゃったのは、三位一体改革の議論の中で、地方の自立性、自主性の拡大を強調されたんですよ。それから、質問に答える形で、地方交付税というのは地方の固有財源ということが一番肝心だということを言っておられるんですよ。固有財源なんです。
だから、国の方で考えて年度間調整ということじゃなくて、これはちゃんと今年度に配るべきものは配る。この特例法をつくらなければもともと配るわけですから、そこは地方の固有財源なんですから、地方の判断で基金に積むとかあるいは災害による必要なものの支出を行うとか、こういうふうにやるのが本来の筋なんですよね。だから、なぜそういうふうにしないのか、このことを聞いているんです。
○麻生国務大臣 これは吉井先生御存じのように、基本的には、来年度の地方財政の健全化に寄与するというのが一番のところなんですが、それは国の知ったことじゃない、地方にやらせておけばいいのだということなんだと思いますけれども。
では、ことし余った分をどのような基準でばあっと全部やるのかと言われると、これはなかなかさようなわけにいきませんで、足りないところというのと、地方交付税というものをある程度それによってバランスさせている部分、足りないところ、多いところ、いろいろありますので、そこのところはきちんとやらぬと、一律にやるわけにもまいりません。
そういった意味では、これはある程度地方のことも考えてやはりやらぬと、来年のこともある程度考えてやるというのは、これはやはり国としては、最終的に、ことしじゅうに全部やっちゃって、来年足りなかったらそっちでやれよというわけにもなかなかいかぬところなんだと思いますので、そこらのところは、過去もそういう形でやってきておられるんだと思いますが、地域主権だ、地方分権だからといって、余ったらその分を全部配っちゃえというのでうまくいくかどうか。吉井先生、そこのところは私自身も、それでいくかいなという感じが率直なところであります。
○吉井委員 一兆三百四十七億円の繰り越しというのは、来年度の財源不足を圧縮するための手段ではないかという声がありますね。実際、さっき大臣もおっしゃったように、地方の固有財源なんですよ。来年度の財源不足を地方の固有財源である地方交付税で補てんする、それはどう考えてもやはりおかしいんですよね。
もともと、七百一億の特交が今度増額されるわけですけれども、しかし、年度当初では、特別交付税の総額は前年比七百六億円減なんです。今度の増額で昨年度並みに戻るだけの話なんですよ、まだ少し少ないですが。
ところが、ことしは、災害をとってみても、昨年度は災害救助法を発動された災害件数は三件だったのが、これが三倍の十件ですね。適用自治体は、昨年度十四市町だったのが今年度は百四十九市町村と十倍にふえているんです。
だから、今回の特別交付税は、とてももともと十分な額じゃないんですよ。特交は災害など予測せぬ財政事情に対応するためにあるわけですが、加えて今年度は当初で一兆二千億の交付税の削減があって、臨財債を含めれば二兆九千億、大体三兆円の削減なんですね。だから、さっきも言ったように、予算が組めないから、基金を取り崩したり、空財源を組んだり、何とか予算編成をしてきたのが実態です。
そういうことを見たときに、やはり、十年前の阪神大震災のときには翌年度の交付税を前倒しして配分した例もあって、災害復旧を初め、地方団体は常にも増して非常に深刻な財政状況にあるわけですから、そのときに何で配分しないのか。もちろん、配分を受けても、昨年取り崩した基金をもう一度戻そうとかいろいろなところはあるでしょうが、固有財源なんだから、本来地方がそれをやっていくということが筋じゃないですか。
○麻生国務大臣 数字でおわかりのように、特別交付税は今年度の分できちんとやっていけるということはおわかりいただいているところなんだと思いますが、地方固有の財源というのは正しいんです、そのとおりです。
その分なんですが、それでも足りない分を今国で補てんしておりますので。それはもともとは足りませんから。足りていればまた話は別なんでしょうが、今絶対量が不足しています分を国で出していることを考えますと、ある程度来年の分も考えておかないかぬという話に、やはりこれは来年また国ということになりますので、そこらのところも考えて、ある程度バランスよく、それは差し出がましい、地方に全部やらせればええやないかというと、じゃ、来年国からの補てんなしでいいですねとはなかなか言えませんので、今申し上げたような形になっているんだと存じます。
○吉井委員 これは、要するに、地方交付税というもののそもそもの基本を崩してしまうということになるわけですよ。大臣が何度も言ってこられたように、交付税というのは地方の固有財源なんですね。ことし三兆削って圧縮した。一兆余裕が出てきたから戻すにしたところで、まだ二兆削っているんですよ。来年は、もともと一兆削る話なんですが、それを地方の固有財源の一兆円でもってとりあえず今年度並みにしましょうという話ですから。
ですから、これは本来、やはり交付税というもののそもそもの基本の性格をゆがめるようなやり方はおかしいわけで、地方が固有財源をどう使うかは、年度間調整をするにしても地方の考えでやっていくのが筋だということが一番大事な点だということを申し上げたいと思うんです。
地方交付税の大型補正というのは四半世紀ぶりですね。一九八〇年の補正のとき、すべての野党がこぞって反対したのが今回と全く同じ特例措置の法案でした。
財源不足を地方の固有財源である交付税で補てんする、こんなことが許されたら、何のために交付税法第六条の三第二項の規定があるのかということになってきますよ。総務省自身が、その前身の自治省時代に、かつて交付税率の引き上げで財源不足の全額の補てんを求めてきました。それが、国、地方の折半方式になり、赤字地方債の増発、交付税特会の世界では認められない国の方の年度間調整、こういうふうにどんどん後退してきておるわけですよ。
大臣は中長期的には交付税率の改定があるんだという旨の答弁もこれまでしておられますが、今回の法案を見ると、その中長期的な観点からの交付税率の改定というのが地方財政の拡充強化の方向での改定になるのかどうかというのは、大変危惧の念を抱かざるを得ない。
このことを申し上げて、時間が来たという札が回ってまいりましたので終わりますが、私は、地方交付税法というこの法律の趣旨、ここから外れるようなことはやるべきじゃないということを重ねて、質問を終わりたいと思います。
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