○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。

 まじめなお年寄りの皆さんから、あるいは震災などの被害者まで食い物にしようとしているおれおれ詐欺というものは、本当に許せません。これを規制する手法の一つとして、銀行など金融機関の口座売買を禁止する、そのために、口座売買に罰則を加える法律として本人確認法の一部改正を行うことは、これは一歩前進だというふうに思うんです。

 そこで、実効あるものにしていくという立場から若干お聞きしますが、まず、やみ金規制法ですね。やみ金の取り締まりを強化するということを昨年夏にやりましたが、そのやみ金業者や暴力団が、今度はおれおれ詐欺を資金稼ぎの手段に使っている問題などもふえてきているということも伝えられておりますが、こうした実態について警察庁に最初に伺います。

○岡田政府参考人 いわゆるおれおれ詐欺といったものが数字として大変ふえてきているというのは一面、実態としてございます。他方で、その内容としても、従来、一人二役程度の犯人であったものが、多数の犯人グループを形成して、しかも広域的に行われるようになっているというのは先ほど申し上げたとおりでありますが、登場人物も、警察官や弁護士さん、あるいは保険会社の社員であったり、あるいは自衛隊員が震災詐欺のときには出てきたり、非常に多様化しているというのが一つございます。

 他方で、御指摘ありましたように、暴力団がリーダー格となって不良少年グループ等にいわゆるおれおれ詐欺を敢行させたりとか、あるいは、それに使用される口座、プリペイド式携帯電話について、暴力団員が多重債務者等に不正に開設、契約させていた事案などが検挙されてきたりしております。

 また、さらに、必ずしも犯人たちが暴力団であるかどうか判明しないものがありますが、暴力団を名乗る者を登場人物とさせて、だますことに加えて恐喝的な手法が加わってきている、そういったものも出てきているところでございます。

○吉井委員 そこで、預金口座に振り込ませるのが常套手段になっていますから、口座開設時にどれだけ本人確認を徹底して厳格に行うかということが結局大きなかぎの一つだというふうに思うんですが、警察庁の方のお考えを簡潔に伺っておきます。

○岡田政府参考人 口座開設時につきましては、かなり丁寧に本人確認がなされるようになってきているだろうと思いますけれども、引き続きそれを徹底していただきたいというのが私どもの希望であります。

○吉井委員 今回、おれおれ詐欺対策で、預金通帳等の売買を禁止するということになるわけですが、そのために、現行の三条四項に言う「本人特定事項を偽ってはならない。」に違反した場合、法十六条で罰則が加えられるというこれまでの体系にあわせて、十六条の二を設けて、預金口座の譲渡、つまり売却という行為そのものに罰則を加えるということは、当然のことだと思うわけです。

 ただ、これは結局、預金口座を売却した名義人が本人であれば、これはとっ捕まえるのは簡単ですが、偽名その他で口座が開設され、それが売買されるとなると、犯人逮捕というのは極めて困難なものになってくるということになります。

 そこで、金融庁の方に伺っておきますが、銀行などが本人確認を厳格に行う、これをどれだけ徹底させるかという点では、金融庁の指導といいますか取り組みが大事だと思うんです。つまり、義務違反の本人には罰則があるわけですけれども、銀行の本人確認が不十分であることについては、銀行には努力しなさいという話はあっても、それで銀行は特に罰を受けるわけじゃありませんから、どの程度銀行がしっかりやっていこうということが、そのインセンティブが働くかということですね、そこがやはりありますから、これは金融庁としての取り組みが物すごく大事だと思うんですね。この点を伺います。

○増井政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のように、金融機関の口座の本人確認が非常に大事な問題だというふうに思っております。特に、先ほど来問題になっております不正利用といった観点からもしっかりやっていかなければならないというふうに思っておりまして、私どもといたしましても、これまで金融機関それから警察当局に対して、預金口座の不正利用に関する情報提供を行う、あるいは金融機関に対して口座管理の徹底を要請してきたところでございます。

 今後、いずれにいたしましても、こういった本人確認制度の周知徹底を図っていくことが非常に大事だと思っておりまして、そういったことに努力をいたすとともに、警察当局等とも連携いたしまして、こういった不正利用に係る情報があった場合に迅速な対応をとるような要請をするなど、適切に対応していきたいというふうに思っております。

○吉井委員 この問題については、口座開設時の本人確認を厳格にやる。もちろん普通は本人そのものがなかなか売買なんかやったらこれは危ないということで、今度の法律で徹底されると思うんですが、罰則強化で、口座売買そのものをできない仕組みをつくっていく。同時に、開設した口座といえども、引き出しに来た者についての本人確認も徹底するというふうに、本人確認というのは何重にも厳格にやらなきゃいけないと思うんですね。

 この点では、ちょうど二年前の二〇〇二年十二月の財務金融委員会で取り上げたことがありますが、今も出ておりました過誤払いの問題ですね。国会の方はピッキングを規制する法律をつくったわけですよ、警察庁の関係を。それでもちろん規制するんですが、盗まれた預金通帳でもって過誤払いが行われる。その被害者に対して銀行は償いをしないということできましたが、しかし、これは裁判があり世論もあり、私たちも国会でもこれに取り組んで、それで結局過誤払いの問題については、かなりの場合、今では裁判でも勝つ、あるいは裁判になる前に、判決が出る前に和解という形で、過誤払いについては盗まれた通帳から引き出された人に預金が返されるということがふえてくるなど、前進が生まれてきたと思うんです。

 そのことが、金融機関の側からすれば、やはり引き出し時の窓口でしっかり本人確認しないと銀行自身が大きな損をこうむってしまう、それはやはり非常にインセンティブとして働いて、過誤払い対策が、本人確認が進んできたと思うんです。

 私は、今度の場合もやはり銀行口座開設時の時点で徹底した本人確認、今度の場合は偽りの届け出等をやった本人の方の問題になりますけれども、銀行については過誤払いのようなマイナスはないにしても、しかし、それを銀行として徹底して行う、このことを通じてこの法律が実効のあるものになるように、犯罪抑止につながるものとなるように、銀行への一層の皆さんの指導も期待をして、大体時間になってまいりましたので、質問を終わります。

 以上です。