○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。

 我が国の犯罪被害者支援というのは諸外国に比べて著しく立ちおくれています。犯罪被害者支援を法的にきちんと確立するというこの基本法の制定が被害者団体などから強く求められてきました。

 そこで、基本理念を初め、基本施策を規定し、施策を総合的に推進し、犯罪被害者の権利利益を図る犯罪被害者基本法の制定というのは、これは犯罪被害者施策の一歩前進であり、意義あるものであります。

 しかし同時に、基本法という、枠組み法という性格のものですから、その効果や実効性というものは、今後の具体的施策にかかってきます。

 私は、これを契機に、犯罪被害者の施策は大きく改善されることを期待し、行政府の基本法にのっとった施策が前進するように、立法府に身を置く者として、これからもフォローしていきたい、その努力をしたいと思います。

 そうした立場から、若干質問したいと思うんですが、犯罪被害者は、加害者からの被害、それに続く、被害者の方たちは捜査段階とかあるいは司法、マスコミ、地域など、いろいろなところから第二、第三の被害が生まれております。精神的に、あるいは経済的な被害を含めて、深く傷ついてきておられます。

 そこで、法案の基本理念では、「すべて犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。」と被害者の権利を明記しているわけですが、この権利規定というのは、国際人権宣言の権利規定や被害者団体などが提起する権利規定と比べると不十分さはありますが、何らの権利規定もない現行の被害者施策から見れば、これは改善であります。この被害者の権利規定がこれからの犯罪被害者施策のすべての根底に流れるというものになっていきます。

 現行の被害者の施策の一つである犯罪被害者給付金支給法ですね、この考え方というのは、社会の連帯、共助の精神という、こういういわばお見舞い的考え方に立った制度でやってきましたが、犯給法は、給付水準が低いということや対象範囲が狭いということ、犯罪被害者の皆さんの要望にこたえるには一層の拡充が必要だというのが実態です。

 本法案の基本施策の中でも、犯給法の充実が規定されておりますが、そこで警察庁の方に伺っておきます。

 被害者の権利を保障するという立場から、犯給法を充実する、見直しを進めることが必要だというふうに思うんですが、どのように取り組んでいかれるかを簡潔にお答えいただきたいと思います。

○片桐裕警察庁長官官房総括審議官 お答え申し上げます。

 警察は、犯罪被害者に最も早い段階から、かつ、密接に接するという機関でございまして、したがって、そういう立場から、これまでも被害者支援のための施策に組織的、総合的に取り組んでまいったところでございます。

 御指摘の犯罪被害者等給付金の支給法でございますけれども、平成十三年に改正をされまして、重傷病給付金の創設、障害給付金の支給対象の拡大、また被害者に対する警察の支援といったような規定が設けられまして、その充実が図られたところでございます。そして、今回の犯罪被害者等基本法におきまして、御指摘のように、給付金の支給の充実を含めた、さまざまな基本的施策が規定されることとなったものと承知をいたしております。

 警察としましては、この基本法が制定された際には、その御趣旨を踏まえて、なお一層の被害者の救済に資するため、関係機関等とも連携、協調しながら、犯罪被害者等に係る施策の見直し、充実を図ってまいりたいと考えております。

○吉井委員 また、この法案は、国が行う基本的施策を十三項目に規定していますが、今の給付金の支給に係る制度の充実、保健医療サービス及び福祉サービスの提供、安全の確保、居住の安定、民間団体に対する援助などがあります。

 このように、施策のほとんどを見てみると、これは財政措置に皆つながってくるわけですね。財政当局は、この法律案の犯罪被害者の権利の保障という趣旨を踏まえて、やはりきちっと財政措置をとっていくということが必要でもあり、また財政措置をとるようにされると思うんですが、まず、このことを確認しておきたいと思うんです。

○松元崇財務省主計局次長 財政当局といたしましての犯罪被害者のための施策についての御質問でございます。

 この犯罪被害者等のための施策につきましては、本法案を踏まえた具体的な手続や内容の検討が今後行われることになるというふうに承知いたしております。財政当局といたしましては、具体的な手続や内容が明らかにされておりません現時点におきましては、何とも申し上げられないということを御理解いただきたいと存じます。

○吉井委員 九条関係で財政措置は触れているわけですよ。だから、具体的にこれにこう金をつけますという話じゃないんですよ。財政措置をきちんととって、この枠組みが本当に生かされるように取り組んでいくんですね、そのことだけ確認しておるんです。

○松元崇財務省主計局次長 お答え申し上げます。

 繰り返しで恐縮でございますが、現時点で具体的なお話としては何も申し上げられないということを御理解いただきたいと存じますが、一般論として申し上げますと、財政当局といたしましては、法律が成立いたしましたら、当該法律の趣旨や基本理念も踏まえつつ、適切に対処してまいりたいと考えております。

○吉井委員 これは、国会の方が今から法律をつくるわけですね。この九条関係、よく読んでいらっしゃると思うんですね。「この法律の目的を達するため、必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。」国会はこれを法律で定めようとしているときに、何とも頼りないお答えなんです。

 基本法ですから、枠組みをつくって臨むわけですから、具体的なものを今問うているんじゃないんです。こういうものを、きちっと法律に基づいて財政措置をとるんですねということを聞いているんだから、当たり前のことだと思うんです。きちっと答えておいてもらいたい。

○松元崇財務省主計局次長 お答え申し上げます。

 法案の趣旨に従いまして、関係諸方面と御相談の上、適切に対処してまいりたいと考えております。

○吉井委員 立法者の意思を体して対処するのは当たり前なんですが、法律にきちっと私たちは明記するわけですから、この立場で予算措置をきちっととるとやっていくのが当たり前のことです。

 第三章の内閣府に設ける推進会議の十人の委員に、被害者代表、民間支援者、弁護士、専門家などを入れるとともに、確実に犯罪被害者の意見を施策に反映し、施策策定の透明性を確保する制度を確立する、こういうことが大事になります。

 このことを、これは、この法律がつくられたときにその立場で臨んでいくことを政府の側に強く求めて、発言を終わりたいと思います。