○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。

 きょうは最初に、警察の裏金問題、ずっとことしに入ってから何度もこの委員会で取り上げてきておりますが、質問をしたいと思います。

 警察庁の方に最初伺っておきますが、幾つかの都道府県で、不正支出について、県や国に返還したりあるいは返還する意向を示しているというところが出ておりますね。これまで都道府県が国や県に返還あるいは返還の意向を示した、その都道府県と返還額はどういうふうになっているかを伺います。

○安藤隆春警察庁長官官房長 お答えいたします。

 警察の会計経理をめぐり、個別具体的に疑惑の指摘されました関係警察におきましては、それぞれの公安委員会の指示を受けながら、みずから調査し、既に調査の途中経過を報告するなどしておりまして、その結果、不適正なものが判明した北海道警察、福岡県警察及び静岡県警察では既に一部を返還し、また返還に関する方針を示しているところであります。

 個別に御説明申し上げますと、北海道警察では、北海道警察弟子屈警察署の平成十二年度の捜査用報償費のうち、本年四月二十八日の住民監査請求に対する北海道監査委員の……(吉井委員「簡潔で結構ですから。数字だけで結構です」と呼ぶ)はい。勧告において示された判断基準に基づきまして、十三万六千百四十三円を北海道に返還しております。

 また、福岡県警察では、平成十年度から十二年度の銃器対策課の捜査費等のうち、支払い事実が確認できなかったものなど総額四千八百十万円を返還することを明らかにしておりますし、このうち、住民監査請求の監査結果に基づきまして、三百九十万九千二百三十六円を既に福岡県に返還しております。

 最後に、静岡県警察でありますが、これは、県警察本部総務課におきます不適正な旅費の執行及び食糧費の執行が認められた件につきまして、合わせまして、平成七年度及び平成十年度から十二年度までの不適正支出等の総額、これは今申し上げましたのは全部法定利息を加えたものですが、静岡の場合、合計二千三百三十七万七千十円を静岡に返還しております。

 以上でございます。

○吉井委員 最近、岩手県警が激励慰労費三十万円を県に返還するという通知をしたということも伺っております。

 それで、今回、会計検査院の検査報告の中でも、この報告書の中で、激励慰労費、その支払い対象が飲食に関する経費となっているということで、再検討する必要があると。

 そこで、会計検査院に伺っておきますが、要するに、これは飲食に使われるというので、ぐあいが悪いものだから、見直してやめるべきだ、そういう趣旨で報告を出されたと思いますが、確認をしておきます。

○石野秀世会計検査院事務総局第一局長 今お尋ねの激励慰労費の件でございますけれども、これにつきましても、直近の十四、十五両年度において、慰労費の実績のあった都道府県警察における執行内容を確認したところでございますが、一部の都道府県警察で、必ずしも警察庁の指導に適合しない形態で執行されていたということでございますので、仮に執行するとしましても、真に必要なもの等に限定するなど、その予算の執行について再検討する必要があるのではないかということを述べております。

○吉井委員 ここで大臣に伺っておきたいんですけれども、要するに、会計検査院の報告書の中でも、再検討する、こういうまずいものは出さないということをきちっと指摘しているわけですから、この報告書の立場で警察庁を指導していかれますね。

○村田国務大臣 会計検査院の決算検査報告でございますが、それによって指摘された事項、各都道府県警のもとで、国家公安委員会の指導を受けながら、問題事案については引き続き調査を要すれば進めていく、その結果、問題が出れば処分を行い、必要とあらば返還をする、そういう形で厳正に対処してまいりたいというふうに考えておりまして、そうした形で警察を指導してまいりたいと考えております。

○吉井委員 次に、北海道警の方、中間報告に関連して、裏金十一億円のうち、六億七千万円が捜査活動以外に使われたか使途不明だったとして、それで道や国への返還対象だと道議会で答えております。この額は概算の額のようなんですね。一定の算定根拠はやはりあるはずなんですね。

 六億七千万円の算定根拠、根拠は一体何なのかということを伺います。

○安藤隆春警察庁長官官房長 九月十三日の北海道警察による報告では、平成十年度から十二年度の捜査用報償費及び捜査費約十四億二百万のうち、約七億三千百万は捜査活動に要する経費として支出し、それ以外の約六億七千百万はその他の経費として支出したものと承知しておりますが、捜査活動に要する経費の使途というのは、御案内のとおり、協力者への情報提供者料とか協力者との接触費、あるいは追尾中のタクシー代などであります。

 今委員がお尋ねの、その他の経費、すなわち捜査活動に要する経費以外の経費の使途につきましては、主に交際経費や激励経費でありまして、調査に際しましては、所属長などからの聴取に加えまして、交際費につきましては、これは、相手側の会議開催案内等、これを確認したり、あるいは激励経費につきましては、激励会開催文、過去のものでありますが、そういうものを確認しながら積み上げていったものと承知しております。

○吉井委員 実は、この根拠がかなりあいまいなんですね。

 道警の島根さんという警務部長さんは、裏金の支出内容を示す領収書をとったケースはほとんどないということなんですね。支出の内容について直接の物証がない。それを捜査以外に使われたとか使途不明だと区分けしているわけですが、いつ、だれが、どこで、目的外使用をしたのかとか、使途不明金は、いつ、どこの部署で支出したのかとか、やはり具体的資料できちっと説明しなきゃいけないと思うんですが、それができないという状態なんですね。

 ですから、これは報道の中でもありますが、北海道の知事が、捜査員らの聴取による心証で適正とした道警の裏金返還基準については、道警は捜査する立場、裁判などで客観的に認められる証拠がどういうものか、当然認識はあろうと指摘していますね。

 やはり何か丸い数字で六億七千万円返しますという話じゃなくて、返すからには、きちんとした物証なり、きちんとした客観的根拠を示すということが必要だと思うんですが、それなしに、この話は丸い数字としての六億七千万円ですか。

○安藤隆春警察庁長官官房長 まず、捜査活動に要する経費以外というものの算定根拠をちょっとより詳しく申し上げる前に、中間報告でありますが、捜査活動に要する経費をどういうふうに北海道警が積み上げたか、算定をしたかといいますと、これは、例えば、捜査員に支払い精算書などの支出関係書類を示しまして、捜査員しか知り得ない協力者の人物像とか協力内容とか事件内容あるいは接触状況など、そういうものを聴取いたしておりますし、さらには、こういう聴取のほかに、協力内容が記載されました文書とか、事件概要の記録されました捜査報告書、あるいは捜査員、同僚等の関係者の備忘録とかメモ等の照合、さらには複数の捜査員等の説明を突き合わせながら、一層具体的、詳細に調査を行った結果、その上で確証の得られたものを捜査活動に要する経費として積み上げたということであります。

 それで、その捜査活動に要する経費以外につきましても、先ほども申し上げましたような、会議開催といいますか、あるいは激励会開催文等、こういうもので確認をしたということでありますが、よりもう少し具体的に言いますと、交際費につきましては、関係団体等の懇親会費とか部内会議の懇親会費、あるいは職員に対する慶弔費、物証がないということでございますが、そういうものは、警察の部内の中でいろいろ聞き取りをしながら確認をしていったということであります。

 ただ、この報告書、九月十三日の報告は、あくまでも中間報告でございますので、北海道警といたしましては、さらに精査をして金額を確定するものと思われます。

○吉井委員 要するに、積み上げをしたというお話なんですが、物証がなくても、心証によるもので適正としての積み上げなどなんですね。

 ですから、道警幹部の発言などについて、報道を見ていますと、こういうふうに言っていますね。知事の判断も待たずに、道警は一方的に裏金を返そうとしているということを指摘して、複数の関係者によると、道警は十一月下旬にも最終報告を行い、関係者の処分と裏金返還を行うことを検討している。つまり、調査は調査なんですが、確認監査を経て返還額は確定するということからになると思うんですが、ところが、そうなると年明けになっていく、警察庁が示した年内決着に間に合わないためだから、こういうことになっているということも伝えられております。

 私、確認しておきますが、数字の根拠が、確認監査を経て根拠を確定すると思うんですけれども、その根拠をはっきりしないまま、調査を年内で終わらせて幕引き、そういうことはありませんね。

○安藤隆春警察庁長官官房長 今委員御指摘の十一月下旬というのは、これまで、もう半年以上、全所属、過去五年間の捜査費、捜査用報償費について所属の調査をした結果、最終といいますか、道警としての最終的な結果を、それを目途に今鋭意精査しているということでありまして、その上で、額を確定した上で、返還という話もありましょうし、それから関係者の責任の所在というものも明らかにしなければいけませんが、いずれにいたしましても、あくまでも真相解明、そして、その結果に基づいて責任の所在を明らかにし、返還すべきものは返還する、そういう姿勢でございますので、委員の御懸念のようなことではなくて、積極的に今調査を続行しているということであります。

○吉井委員 裁判などで客観的に認められる証拠をきちっと固めてというのは、皆さんの捜査のイロハですよね。ですから、調べて、同時に、それはどこかで根拠をはっきりさせて、確定していかなきゃいけませんね。だから、その点では、確認監査をきちっと経て、それからになると思うんですが、そこがあいまいなままに、とにかくもう返しました、あるいは終わりということになってはとんでもないことですから、この点では、さっきの会計検査院の報告の中でも、所見の中で、警察庁における事態の全容解明と原因究明、さらにこれらを踏まえた上での再発防止ということがあります。

 ですから、この問題の最後に大臣に伺っておきますが、やはり、裏金問題の徹底的な全容解明の立場できちんと臨んでいく、これは、マスコミ等で幕引き云々の話が言われたりするときだけに、大臣の姿勢としても、徹底解明、この立場で臨むということが大事だと思いますので、この点を伺っておきます。

○村田国務大臣 国家公安委員長の立場としては、こうした警察の会計経理をめぐる不祥事がこのように国会でいつまでも議論されるということは、警察の信頼をとにかく回復するという意味からいうと、まことに不幸なことでありますので、私の立場としては、できるだけ早く解明を済ませて、それで真相を公表して、厳正な処分に臨むというのが望ましいことだ、こういうふうに思います。

 一方において、委員がおっしゃるように、やはりしっかりとした厳正な調査がその前提であるということでございます。まさにそこはそのとおりでございますので、私どもも、各都道府県警におきまして、問題があったところにつきましては厳正な調査を今も行っている、こういうふうに考えておるわけでございます。

○吉井委員 では、徹底解明の立場で取り組んでいただきたいということで、もう結構ですから、次のテーマに移りますので。

 次に、ITER誘致に関する国際協議について伺いたいと思うんです。

 二〇〇一年六月のモスクワ会合でITER候補地としてカナダのクラリントンの提案があったりとか、それからずっと協議が続いてきているんですが、三年半たつんですけれども、要するに、この間マスコミ報道で、何か今度また話し合いがあるとか、いろいろ報道はあるんですけれども、結局どうなっているのか、国会にはさっぱり知らされないまま国際協議というのが進んでいっております。

 簡潔に一言で、今どういうことなのか、答えていただきたいと思います。

○坂田東一文部科学省研究開発局長 先生お尋ねのITERの交渉の状況でございますが、この間の交渉の経緯につきましては、国会においてもいろいろと御質問を賜りまして、累次審議が行われてきております。

 現状を申し上げれば、最近の状況だけ申し上げますと、ITERの交渉、とりわけサイトをどちらにするか、日本の場合は六ケ所村が候補地でございますし、ヨーロッパはフランスのカダラッシュというところが候補地でございます。この交渉が本格化いたしましたのは昨年の六月からでございまして、昨年の十二月には閣僚会議もいたしました。この間、実は六回の次官級会議もやっております。現時点においては、結論が得られておりません。

 それで、一番新しい状況といたしましては、私ども、このどちらかがホスト国になり、いずれかが非ホスト国になるわけでございますけれども、お互いの役割をどうするかということをしっかり議論することがまず何よりも大事であろうという観点から、この九月にホスト国と非ホスト国の役割分担にかかわります日本なりの新しい提案を出させていただきました。

 もちろん、どちらがホストになるかという点につきましては、ホスト国としてどれだけの資金負担をするかというのは非常に重要な要素ではございますが、その資金負担にかかわらず、今申し上げましたとおり、どういった役割をお互いになし得るかという提案をいたしました。

 ヨーロッパ側からも、十月には一種の対案というものが示されまして、実は、今週の九日でございますけれども、火曜日でございますが、六回目の次官級会議、これは六極でやりました。日米韓欧中ロでございますけれども、ウィーンで行いました。

 お互いの提案を述べ合い、また他の四極からもそれぞれ意見をちょうだいいたしましたが、残念ながら、合意というところにいきませんで、六極の一つのコンセンサスといたしましては、日欧でさらに議論を深めてもらいたいということでございますので、私どもそういうことで、いましばらく日欧間でしっかり議論していきたい、こう思っております。

○吉井委員 私は、ITERの問題というのは、ITERの工学設計、これに取り組んできて、いよいよこれが物になるかどうかということになりますと、大事な問題の一つは、やはり炉材料が既にきちんと開発が終わっているのかどうかという問題とか、あるいは、ITERからさらにずっと将来の核融合による動力炉を展望しておるわけですから、その時代を展望した炉材料の見通しがついてくるものなのかどうかということがきちっとないと、何かそういうところを抜きに、どこへ誘致するかばかりの議論をしても、これは余り意味のあるものにならないと思っているんです。

 文部科学省のITER安全規制検討会の報告書では、やはりその中でも、核融合炉のブランケットというのは、燃料であるトリチウムの生産と回収、エネルギーの転換、中性子遮へいなど複合的機能を果たさなければならないということを示して、高熱負荷、高中性子負荷に耐えられる材料の開発、必要ということを言ってきたわけですね。

 それで、技術開発が可能なのか、それはいつごろのことになるのかなど、やはり見通しを持たないと、実はITERがプラズマ物理の実験施設というふうに割り切れば、それはそれで一つの考え方ですが、これまで言ってきているような、将来の動力炉を展望してとなりますと、そこがないと次につながらないわけですよ、将来に。

 そこで、ITERから実用炉のブランケット開発の可能性を見通した高速中性子実験施設というのは、きちんとあるのかどうか、伺います。

○坂田東一文部科学省研究開発局長 先生御指摘のとおり、核融合を実用化しようといたしますと、材料の開発というのは非常に大事でございます。

 御指摘のとおり、高いエネルギーを持ちました中性子に耐え得る材料、とりわけブランケットに使う材料というものをしっかり開発いたしませんと、実用化に向けての課題は克服できないと認識しております。

 ただ、まず、ITERに使う材料のことから申し上げますと、ITERに使いますこのブランケットの材料あるいは炉壁の材料、これにつきましては、既にこの間の関係各国によります研究開発の結果、十分信頼性のあるものができておりまして、ITERを建設する上では材料の問題は十分対応できるというのが関係六カ国のコンセンサスでございます。

 一方、さらに先の実用化までをにらんだ際には、先生も御指摘がございましたように、ITERで使う材料、そこで使われる中性子のエネルギーよりもさらに十倍以上強い中性子の照射に耐えられるような、そういったブランケットの材料を開発する必要がございます。この点につきましては、関係六カ国の考え方は、まずITERをつくり、そこで核融合によってエネルギーをきちんと生産する、それを一つの課題としてしっかりやる、並行的にこのような材料の開発を別途進めていく。

 現実に、実用化のための材料の候補といたしましては、低放射化フェライト鋼、あるいはバナジウム合金、セラミック複合材料、こういったものが検討されております。研究も積み重ねておられまして、徐々にではございますけれども、実用化に耐えられる、それに向けての研究蓄積も図られております。

 最後に先生がお尋ねの高速中性子の実験施設の問題でございますけれども、現在、日本、EU、ロシア、そして米国、この専門家が集まりまして、非常に高いエネルギーの中性子を照射する実験施設を将来つくるべく、概念設計、また、その要素の技術確証、こういったことが行われております。いずれ、関係各国間におきましても、この高速中性子関係の材料の実験施設をどのように実現するか、どこで、どういう時期に実現するか、これは検討していかなければいけない課題であると考えております。

○吉井委員 実のところ、これはITERで、一億度水準の高い温度のプラズマの閉じ込めとか、強い高速中性子による格子欠陥とか材料脆化の問題などで、今おっしゃったけれども、ITERの段階でも、これまで出てきたデータをプロットしたものを外挿して多分大丈夫だろうという話であって、まだ、これがきちんと確立されたわけのものでもありませんし、原型炉を展望すると炉材料はないし、実証炉を考えるとさらに厳しいというのが現実の問題だということを見ておかなきゃいけないと思います。

 次に、仮にITERの規模のものでいけたとしても、それを実際の、例えば今の軽水炉原発のように、電力を取り出すとなると、電気に転換する施設などを加えなきゃいけませんから、昨日もレクに来られたときに伺っておりましても、大体今のITERの建設費五千億のさらに三倍ぐらいのコストを見なきゃいけないんじゃないかというお話もありましたが、ITERで熱出力で五十万キロワットなんですよ。原発で考えますと、電気出力でいったら大体十五万キロワットぐらいなんですね。

 今、百万とか百五十万キロワットの時代ですから、十五万キロワットぐらいのものですと大体建設費で二千億円ぐらい。仮に、ITER水準の熱出力のものをつくっても、これは電気として取り出すことを考えると、その三倍の一兆五千億ということでいきますと、七、八倍ぐらい今の原発より高い発電コストになってくるわけですね。専門家の間でも、これは軽水炉などをやってきた人でも、出力当たりのコストでいえば大体四倍から六倍ぐらいになるだろうという見通しもあります。

 つまり、ITERを、プラズマ物理の実験炉という点での意味合いはあるにしても、本当に将来につなげたものを考えていくとすると、今のところでは、これは動力炉としてのコストの面からいったら、とても引き合うものにはまだ見通しが立っていないというのが現実じゃないかと思いますが、この点はどう見ておられますか。

○坂田東一文部科学省研究開発局長 核融合炉が発電をした際のコストの問題でございますけれども、先生もよく御存じのとおり、現時点では、核融合は世界的にはまだ科学実験装置でございます。それから、ITERはもちろん実験炉ということでございます。これは工学実験装置というぐあいに言ってもよろしいかと存じます。

 つまり、技術の発展過程ということを考えてみますと、もちろん、実用化までにはまだまだ克服すべき課題がたくさんございます。そういう意味では、今の現状の技術の水準をもとにして、将来の発電コストを確実なものといいますか、確たる見通しを推察すること自体が非常に難しいかと思います。

 そういう意味で、今私どもとして申し上げられることは、この核融合というのは、日本だけではなくて、世界の最先端の国が集まって、人類のためにぜひ実用化していこう、そのために重要なステップ、どうしてもくぐり抜けなければいけないITERというものをつくり上げようということでございますので、こういう努力を積み重ねて、しっかりと実用化できるような技術の財産というものをきちんと将来につなげていきたいと思います。

 ちなみに、もちろん、現在の専門家がいろいろ将来のコスト見通しについて計算したようなスタディーはございます。先生がおっしゃったようなものも一つかもしれません。

 しかし、例えば核融合の実用化のために、非常に理想的なといいますか、今目標としているのができ上がれば……(吉井委員「次の質問がありますので」と呼ぶ)済みません。経済性のあるものがちゃんとできるということを言っている専門家もございますので、御理解を賜りたいと思います。

○吉井委員 実は私、見通しを持って巨大科学に当たらなきゃいけないと思いますのは、原子力船「むつ」ですね、六十億で始まって、二十倍の一千億円をはるかに超える金を使って、結局失敗してもう廃船となったんですね。

 だから、やはりそういうことを考えたときに、私は、核融合の研究そのものは賛成ですし、大事だと思っているんです。ただ、そのときに、いろいろなタイプのものがあって、基礎的な研究もあれば、炉材料を初めとする技術を進めていくこととか、汎用技術と結びついたものの活用、あるいは汎用技術につながるものとか、全体を見通したことをやらないと、そこが抜けてしまって、いや、カダラッシュか六ケ所かというとり合いみたいな話になってしまっていたんじゃ、私はそんな水準でITERというものを考えておったんじゃとてもだめなんじゃないかと思うんです。

 そこで、最後に大臣に伺いますが、実は六ケ所については、六ケ所再処理工場運転の理由にも、地元との関係をつくってきた苦労を考えよとか、工場運転をやめたら地元雇用や経済は大変だとかいって、だから再処理路線の変更はできないとする主張も今現にあるわけですよ。むつ小川原開発という巨大プロジェクト、大型開発破綻の後始末に、六ケ所の再処理工場建設と運転問題が出てきて、さらにITERの誘致というふうに続いてくるとなると、これはエネルギー政策でもなければ科学技術政策でもない。政策破綻の後始末のための科学技術をかぶせた巨大公共事業を持ってくるという発想ということにもなりかねないんです。

 かつて、町村文部科学大臣と議論したときも、町村さんも、新しい町おこしじゃないか、こういう発言もありましたが、私は、そういうようなことになってはならないという立場を踏まえた科学技術政策というものをこれからは考え、進めていかなきゃならぬと思うんです。そのことについてだけ大臣に伺って、終わりにしたいと思います。

○棚橋国務大臣 吉井委員にお答えをいたします。

 先生御指摘の観点から、特に科学技術政策全般の予算、基礎研究も含めてでしょうけれども、きちんとバランスをとって確保することというような多分御趣旨かなと思っております。

 ちなみにITERにつきましては、平成十四年の五月の二十九日の総合科学技術会議におきまして、「ITER計画については、政府全体でその推進に取り組むとともに、所要経費については、第二期科学技術基本計画を踏まえつつ、他の科学技術上の重要政策に影響を及ぼすことがないよう、既存の施策の重点化、効率化を図り、」というふうにしておりますので、そういう観点から着実に進めてまいりたいと思っています。

○吉井委員 時間が参りましたので、これで終わります