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2004年11月9日 衆議院総務委員会
国家公務員、地方公務員の災害補償法について質問いたします。 まず最初に、公務災害の現況について確認を一言しておきたいと思います。 国家公務員の場合、災害補償法適用職員数が減少しているのに応じて、認定件数も減少しております。地方公務員の場合は、災害補償法適用職員数は減っているんですが、認定件数の方は増加している。だから、普通で考えますと、適用する職員数が減ればそれに応じて公務災害も減少すると考えられるわけですが、現実の姿は逆になっている数字が出ております。 まず、逆になっているというこの事実だけ、最初に一言確認しておきます。 ○杉原正純地方公務員災害補償基金理事長 お尋ねの件につきまして、お答え申し上げたいと思います。 我々の地方公務員災害補償基金が発足以来、公務災害の認定件数は確かに、当初三万七千件ほどございました、それ以後ほぼ一貫して減ってまいったわけでございまして、昭和六十三年に三万件を下回りましてからは、しかし、ずっと、二万八千、九千、七千、その辺を前後しながら、ここ数年推移しております。 一方、御指摘のございましたように、対象となります地方公務員数は、平成六年以降、毎年少しずつ減少してきております。例えば、五年前の平成十年度には約三百二十五万人でございましたのが、平成十五年度には三百十二万人と減ってまいってきておるわけでございます。 そうしますと、対象職員千人当たりの認定の件数といいますか割合、それを見ますと、基金発足当初は千人当たり一五・六という高い数値で、それが順次減ってまいりまして、平成二年になりますと、九・三まで実は減ったわけでございます。その後、大変残念なことなのでございますけれども、九・幾つという数値を前後しながら推移して、ごく直近ですと、やや微増というような状況になっております。 とりあえず、実情を申し上げた次第でございます。 ○吉井議員 要するに、国家公務員で見てみますと、一九九九年と二〇〇二年で比べてみれば、適用職員数が百十一万人から百八万人に減っていますね。これに伴って、認定件数は一万四千百七十七件から一万三千五百七十九件と確かに減っているんです。民間の労災の場合も同様の傾向があるんですね。 ところが、地方公務員の場合は、適用職員数が九九年の三百二十六万八百二十七人から三百二十二万六百六十一人と減っているんですが、認定件数の方は三万六百四十八件から三万二千三百八十二件。ですから、認定率でいいますと、一・〇二から一・〇五とふえていっているんですね。 ですから、普通で考えれば、民間も公務員の場合も、年度によって多少でこぼこはあり得るわけですが、対象となる労働者の数が減少すれば、それに連動する形で災害認定の数が減っていくというのが普通だと思うのです。ところが、地方公務員の場合は、災害補償法の対象となる職員数は減っているのに公務災害の認定件数が逆に増加している。 となりますと、なぜ地方公務員だけがこういう傾向になってくるのか。やはり何らかの要因があると思うのですね。この要因についてどのように研究しておられるのか伺っておきます。 ○杉原正純地方公務員災害補償基金理事長 どうも原因を特定することが大変困難でございますが、実態的に推定いたしますと、例えば平成十年度と平成十五年度で認定の状況の変化といいますか、それを仮に職種別に比較いたしてみますと、職員千人当たりの認定の割合といいますか、その比率で非常にふえておりますのは、運輸、船員を含みます運輸事業関係、それから義務教育、警察といったような分野でございます。絶対数として非常にふえているのは警察職員、それからその他の職員。ただ、警察職員は職員数そのものもふえております。しかし、さきに申しましたように、認定の比率といいますか、それも大変ふえているようでございます。 片方で、職種別にどんな災害がふえているのだろうかというふうに見てみますと、特に警察とか義務教育学校職員関係でございますと、自己の職務遂行中の負傷事故、これがふえているのがいわば主要な原因となっているというようなことでございまして、公務災害防止事業といったものを積極的にやっているわけでございますが、さらに、予防が最大の対策である、安全管理、健康管理に十分注意しまして、事故のないように、あっても軽くて済むようにというようなことを関係機関とも協力しながらやっておるわけでございますけれども、今申しましたような実態にあろうというふうに思っておりまして、なお一層その方面の努力が必要だろうと考えておるわけでございます。 ○吉井議員 要するに、地方公務員の場合はこの三年間、通常想定されるケースとは逆の傾向がはっきり出ているんです。 これは、地方リストラなどが今どんどん進んでおりますが、職員数は減ってくる、業務はふえるとか、過労死、脳、精神、心臓疾患などの増加が見られるのではないかということもあります。 ですから、何かやはり原因がないとこういう逆転現象はないわけで、その要因の分析を、私は、通告はしてありましたけれども、今きちんとした回答というのはできないでしょうから、まず、ここの点、基金としてもしっかり研究する、よく分析をするということを求めておきたいと思いますが、これはちゃんとされますね。 ○杉原正純地方公務員災害補償基金理事長 公務災害補償の実務を担当する組織の者といたしまして、そういった原因調査をしながら、どういう対策をしていけばいいかということは大変大事なことでございますので、十分検討してまいりたいと思います。 ○吉井議員 次に、地方公務員の公務災害認定で、災害の種類によっては、認定に当たって基金本部と協議をしなければならないというものがあります。その協議にかなり時間がかかっていますね。これは以前から問題になっておりました。この本部協議の事案について、大体どのくらいの期間で結論を出すという基準はありますか。 ○杉原正純地方公務員災害補償基金理事長 特に本部協議に入ります案件は、脳疾患、心臓疾患あるいは精神障害、そういった関係で大変、判定といいますか、困難な分野が多うございます。したがいまして、一律にあらかじめ何カ月以内という目標を設定することはできかねるわけでございますので、特に目標は設定しておりません。 ただし、迅速に適正に処理するということは大変大事なことでございますので、本部に当たりましても、特に、今年度も、いわば私どもは最重点施策といいますか重点目標としまして、迅速な処理というのを掲げまして、人員の重点配置をいたしましたり、有能なるOB職員もさらに再活用しながら、短期に迅速に処理できるようにといったようなことで、少しずつ実績を上げる方向に進んでおりますが、引き続きそういう方向で努力してまいりたいと思っております。 ○吉井議員 これは公務員部長に伺っておきたいと思いますが、以前の部長のときでしたが、今おっしゃった心臓疾患とかあるいは精神的な疾患とかいうような場合には認定がおりるまで大体どのくらいの平均的な日数がかかっておりますかという質問に対して、当時の自治省の柳公務員部長の答弁は、「本部に上がってまいりましてから三月以内に処理できるように努力しておるということでございます。」これは衆議院地方行政委員会での答弁です。 公務員部長に確認しておきますが、今でも、この三カ月以内に処理できるように努力と、努力という言葉がついておりましたけれども、こういう立場での運用ですね。 ○須田和博総務省自治行政局公務員部長 お答え申し上げます。 本部協議の処理期間でございますけれども、三カ月以内で処理できているものの今現在の数字が約二割でございます。一年以内には全体として七割はおさまっておりますけれども、三カ月以内でおさめるということは、現状ではかなり難しい問題があろうかと思っております。 と申し上げますのは、先ほど基金の理事長からのお話にもありましたけれども、本部に協議される事案といいますのが、公務遂行性、それから公務起因性の有無、これを判断するためにかなり詳細な調査あるいは十分な医学的な判断を求めざるを得ないことが多うございますので、そういった意味でやむを得ず長時間を要するものも生じているのではないだろうかと思っております。 ○吉井議員 個々にはいろいろなこともあり得るでしょう。 ただ、これは古屋自治大臣のときも中島部長答弁でありましたし、それから、もう少し古い世耕自治大臣の時代も、審査は迅速にやると大臣答弁があり、それから今の柳部長の答弁もあり、九〇年に、当時奥田敬和さんが自治大臣のときですが、この間まで自民党の理事席にいらっしゃった滝さんが公務員部長で、認定業務は迅速処理が基本原則だと。ですから、一貫して、迅速に処理するんだ、これは基本原則だということを言ってきているわけです。 ことしの最重点課題が迅速処理だというお話が今ありましたけれども、公務員部長、もう一度私はあなたに重ねて聞いておきますが、やはりずっとこれまで迅速処理が原則ということでやってきて、三カ月以内に処理できるように努力するということも言ってきているわけですから、この立場できちっと臨んでいきますね。 ○須田和博総務省自治行政局公務員部長 本部協議に関する案件につきましてのお尋ねと理解しておりますけれども、基本的に、私ども総務省といたしましても、こうした公務災害につきましての認定というものは、やはり被災者の方あるいはその遺族の方、このような方の福祉の向上あるいは生活の安定ということを考えますと、何よりも、迅速に処理する、これが非常に大切なことだと考えておりますし、我々としても、そのような観点から適切な技術援助を行うこととしているところでございます。 ○吉井議員 それで、資料をいただいておりましたが、これを見ておりますと、さっき二割ぐらいというお話がありましたけれども、実は、二〇〇一年度は三一・七%が三カ月以内ですね。二〇〇二年度が二三・六%と落ちてきて、二〇〇三年度は一八・四%、つまり八割以上が三カ月をオーバーしてしまう、今はそういう事態ですが、だんだん時間がかかり過ぎてきているんですね。 これは、中には、数は少ないですが、二年を超すものとかがあります。やはりまず改善を要するべきだと思うのです。これは一言でいいですから、基金の方に聞いておきます。 ○杉原正純地方公務員災害補償基金理事長 先ほどもお答え申し上げました。今も御指摘がございました。迅速な処理、適正な処理というのは大変大事なことでございますので、さらに引き続き努力してまいりたいと思っております。 ○吉井議員 改善に努力するということですから、これは本当に努力をしてもらわないといけないと思うのです。 災害補償の制度として、認定に不服があれば、これはもちろん労働者は再審査請求ができます。さらに、再審査請求の結果について不服がある場合には、裁判という道があります。それぞれ、期間を非常に要するわけですね。 昨年度、基金本部が再審査請求に対して結論を出した事案三十二件のうち、取り下げの一件を除いた三十一件の再審査請求を処理するのに要した期間が、平均で十カ月ですが、二十六カ月というものもあれば、二年以上かかったという例もあります。さらに、この処分に不服ならば裁判という道はもちろんあるんですが、非常に時間がかかります。 とりわけ、再審査請求されたものの一〇〇%近くが却下されてしまっていて、仕方がないから裁判、ところが、この裁判で公務災害と認定されたもの、つまり基金の側の敗訴が、二〇〇一年度からの三年間をとってみますと、三十七件の中の十九件、つまり基金の側が半分以上敗訴しているんですよ。つまり、裁判の方は、これは公務災害として認めなさいという判決を下しております。それなのに、公務災害と認められるまで、最初から数えれば、数年かかるとか、長い人は十年を超えるという人がありました。 これが現実の一端ですが、その間に、基金の方は、認めようとしないんですが、申請者には膨大な資料の提出が求められます。いずれにしても、認定まで余りに時間がかかり過ぎて、被災者を苦しめるということになっている。時間がかかるから、苦しい思いをするからということで、はなから公務災害の申請をあきらめる人まで生まれてくるなど、公務災害の申請の足を引っ張ってしまっているという指摘も今出ております。 裁判のことはおいておくとして、やはり行政内部でかかる期間については、これは短縮できるはずなんですね。もともと、公務に際して災害に遭った者への救済制度なんですから、基金には当然その立場に立って事務処理をやってもらわなきゃいけないし、総務省としてもやはりそのことをバックアップしていく、これは体制からいろいろな面を含めて、やはりきちんとそのことをやって、公務に際しての災害に遭った人については、救済制度なんだから、これがきちんと生かされる、その取り組みは、行政内部で時間をとって被災者の救済に時間がかかることのないように、これは世耕大臣のときもそうでした、それから古屋大臣のときも葉梨大臣のときも奥田大臣のときもずっとそうなんですが、大臣それぞれにやらないかぬと言いながら、なかなかこの間進んできておりませんので、麻生大臣のときにはかなり強い決意でもって取り組んでいただきまして、この迅速処理が進められるようにやっていただきたいと思います。 大臣の答弁を求めます。 ○麻生国務大臣 今、三カ月というお話があっておりましたけれども、いわゆる労災対象になりますものは、本部の話だけですけれども、これは支部の話がありますから、支部はほぼ二カ月以内で九割前後が上がっておりますので、全体がすべて一年ぐらいかかるわけではありませんので、本部に上がってくる、難しくなったものがかかるという話ですから、もともとの部分は、九割は二カ月以内に全部終わっておりますという点はちょっと念頭に入れておいていただかないと……(吉井議員「よくわかっているんです。本部へ来てから三カ月以内という話ですから」と呼ぶ)わかっておられて、何となく追い込むような手口なのかなと思って、うかつには聞けぬなと思って聞いていたんです。 おっしゃるとおりに、これは時間がかかるようになっておりますのは、比率で見てみますと、精神疾患とか難しい問題が結構数字に上がってまいりますので、これはなかなか難しいという点は確かなんだと思いますが、従来と少し内容が変わってきておりますので、単純な労災とは少し違うような気がする点もあろうとは思います。 時間がかかるという点は今言われたとおりでもありますので、なるべく早くやるようにするのは当然のことであります。私どもとしても、その方向で基金においてきちんと対応が図られるように努力してまいりたいと思います。 ○吉井議員 努力を求めて、質問を終わります。 |