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「今年初めての国会発言は憲法調査会から」
衆議院憲法調査会が22日に開かれ、日本共産党からは私が政党間の自由討議に参加 して、次のように4回発言しました。
〔1回目〕
1.今日、憲法問題の中心課題は、憲法違反の現状に憲法を変えて合わせようとする改憲 の立場をとるのでなく、憲法の全条項を厳格に遵守すること、平和的民主的条項の完全
実施をはかることです。
21世紀の世界の大局の流れを見れば憲法9条は、時代遅れどころか、時代の先駆をな すものです。それは、憲法9条の戦争放棄の精神が、独立と主権の尊重、武力行使の放棄などを大原則とする「ASEANの平和憲法」と呼ばれるTAC(東南アジア友好協
力条約)に、中国とインドが加入して、二十数億人が参加する強力な平和の流れがアジ アの大勢になっていることでも明らかです。
2000年の国連ミレニアム・フォーラムの(「平和・安全保障・軍縮」グループ)報告 書では、「総ての国がその憲法において日本国憲法第九条に表現されている戦争放棄原
則を採択するという提案」が強調されています。
21世紀こそ、憲法9条の理想が世界に生きる世紀となる。世界に誇るこの宝を放棄し 、改悪しようなどというのは前世紀の帝国主義・植民地主義・侵略戦争の時代に逆行する時代錯誤の愚行であります。
2.さて小泉総理は、イラクへの自衛隊派兵を、憲法前文の一部を持ち出して合理化しよ うとしていますが、これは憲法をつまみ食いし、その上で歪曲するもの。憲法前文は自
衛隊派兵を正当化するものとはなりえないものです。
第一に、総理が引用した前文第2段には、総理があえて無視した最初の一文がある。 すなわち、「日本国民は、恒久の平和を念願し、・・・、われらの安全と生存を保持し
ようと決意した」は、第9条の戦争放棄の基本的立場を示したもの。この「決意」とは 、侵略戦争の反省から導かれたものであり、自国の安全と生存は、武力と戦争によって
維持するのではなく、平和を愛する諸国の公正と信義を信頼することによって維持しよ うと決意したのであり、そこに9条の戦争放棄、戦力不保持の原則が現れてくる。前文と9条とが密接に関係していることは、憲法制定の経緯を見ても明らか。
第二に、総理が引用した「全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のう ちに生存する権利を有する」という言葉は、戦争やテロの背景である人権侵害や貧困を克服し、それを解消していくことと平和のうちに生きることとが不可分であるとの認識にたって、それを「全世界の国民」の権利としてうたったもの。いまこの権利をもっと
も乱暴に侵害されているのがイラク国民であり、それをもたらしたのが国際法違反・国連憲章違反の米国の無法な戦争であり、それに続く軍事占領であることは明白です。
第三に、「いづれの国家も自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」と いう前文第3段の言葉は、戦前の日本の「偏狭な国家主義を排撃」することを意味する
ものです。戦前の日本は、『万邦無比』の『国体』の原理を盲信して、日本帝国主義・ 軍国主義が、利己的で、偏狭な国家主義・侵略戦争に走り、アジアで2千万人、日本の国民310万人が犠牲となった歴史の教訓の中から、「従来の我が国に見られたような他国を無視する独善的な態度が排除されなければならぬことを示し、そこから『政治
道徳の法則は、普遍的なものであり』と述べているのです。
さらに海外派兵に反対することが自国本位の立場だとか「自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」との文句に反するものとか、集団安保体制に積極的に参加することが「この文句の趣旨に合致するものであるとするような解釈、或いは「一国平和主義ではダメ」というのは全くのねじ曲げです。この文言の本来の意味を誤解し、ね
じまげているものです。
小泉総理は、自衛隊を派兵しないと国際社会から孤立するかのようにいうけれど、イラク派兵は圧倒的多数の国が拒否しているのが事実です。
3.今日、イラク派兵と結んででてきている改憲論の目的は、海外での「武力行使はできない」、米軍支援をするにも「武力行使と一体になった支援はできない」と答弁してきた立場を捨てることにある。また、踏みにじられながらも海外での武力行使の手足を縛っている憲法9条を改定して、自衛隊を「国軍」と認め、海外での戦争に武力行使を行
う参加が公然と出来るようにしようとするところにある。
日本がなすべきことは、自衛隊派兵ではなく、米英軍主導の占領支配から国連中心の復興支援に枠組みを変更し、そのもとでイラク国民にすみやかに主権を返還するための外交努力をおこなうこと。それこそ、憲法9条を持つ国にふさわしい国際貢献であるこ
とを指摘するものです。
〔2回目の発言〕
1.改憲論の主張の大きな1つは、「押しつけ憲法論」。事実はあべこべ。
1947年憲法施行。
1948年アメリカのロイヤル陸軍長官の国防長官へのメモランダム
〔主題〕日本の限定的軍備
7.軍事的観点からのみ考えれば、日本の軍隊の創設は、
日本の防衛を分担し、従って米国の限られた人的資源の
効率的活用をもたらすものとして望 ましい。
12.防衛のため最終的に日本の軍備を認めるという立場から、
新憲法の改正を実現するための探究を行うべきである。
1950年占領軍マッカーサー命令----警察予備隊創設
1953年〜54年日米相互防衛援助(MDA)協定締結交渉
米側 集団的自衛権行使を日本に求める主張
日本 (一定以上の)防衛力の増強、集団的自衛権の行使には
憲法改正が必要だ」「国会で反対党の論議の的となる」
として終始反対。
----共同ニュース03・12・24「外交文書公開で判明」
アメリカの側が、憲法違反の軍隊を作らせる。その軍隊に集団的自衛権を行使させる(アメリカと一緒に戦争をさせる)と憲法違反になる。そこで、違憲状態となることの
解決のために改憲を迫ってきた。これがアメリカの一貫した流れです。
1954年に警察予備隊を自衛隊と改称。
その後、憲法を変えようとする立場から急に「押しつけ憲法論」が叫ばれるようになったのが経過。
もともと改憲は国民の中からでてきた声ではない。最近でも2000年10月にアーミテー ジ国務副長官が中心になって作成した対日報告では「集団的自衛権を禁じていることが両国の同盟協力を制約している」とし、集団的自衛権の行使を求めてきたことが、政府
・与党や財界側の海外派兵法の強行や改憲論議横行の起動力になっている。 経過をみれば改憲の主張が「押しつけ改憲論」であることは明瞭。
イラク派兵の強行が始まっているこの時に、憲法を変えるというのは、「自前の憲法 を持つ」どころか、日本の憲法まで異常な対米従属国家の道具に転落させる試みだとい
わなければならない。
2.改憲、創憲、加憲・・改憲論の言葉はいろいろ。しかし、もともとアメリカが求めて きたのは集団的自衛権の行使のための改憲であり、今日では日米安保を地球的規模で発
動しようというもの。昨年5月の日米首脳会談で言われた「地球規模の日米関係」とい う言葉が示している。
その憲法9条を改憲するために、「環境権」「プライバシー権」「新しい時代には新しい憲法」などの主張で、9条を迂回しながら、外堀を埋め、内堀を埋め、9条本丸を落とす作戦。
アジアと世界で憲法9条を持つ国として信頼されてきた国が、アジアと世界の軍事的 緊張をつくり出す根源になってしまうことを、いま深く考えなければならない。
憲法違反の最大のねじれの現実に合わせて憲法を変えるのでなく、憲法違反の状況を 憲法に合わせてただす努力が政治の責任だ。
改めて、憲法9条は時代遅れどころか、世界のなかでは時代の先駆けだと指摘する。
〔3回目の発言〕
1.(自民党議員の発言に関して)イラク復興ビジネスに参加する発言力を確保すること の意が込められているし、石油利権の確保はハッキリ口にしている、そういう「国益論
」が語られた。その国益論こそ、戦前の日本が、大陸の権益、アジアの資源の確保、国 益論や生命線論を口にして、戦争へと道を誤っていった。イラクへの自衛隊派兵を国益
論で正当化するのは危険だ。
2.人道復興支援のためともいうが、もう一つ挙げている安全確保支援活動、即ち、治安 維持、掃討作戦など軍事活動への協力、まさに軍の派遣の意味がここにある。
3.フランス、ドイツ、ロシア、中国など多くの国が、イラクへ派兵を行っていない。こ れらの国と一緒に、国連の枠組みに戻す外交努力を尽くすことこそ憲法9条をもつ国の
役割だ。
4.イラクへの支援をどうするかは明瞭。米英占領軍の占領支配を止めること。イラクの ことはイラクの人々が決めるのが必要で、イラクの人々の主権の回復をはかる。国連の
枠組みで人道復興支援を行う。その実現のために、フランス、ドイツ、中国、ロシアな どと外交努力をすることが必要。
〔4回目の発言〕
テロに反対するのは当然。問題は、イラクの事態は、フランスのドビルパン外相など多くの人が語っているように、アメリカの空爆、襲撃で家族が殺され、家を失い傷つい
た人々の反感や恨みや怒りから生まれた市民の抵抗運動とフセイン残党や外国のテロ組織などが渾然一体となっているところにある。
米英占領軍が占領支配をやめて、イラクの人々に主権が戻ってこそ、テロの温床がなくなる。国連の枠組みでの人道復興支援こそ必要。
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