住基ネット訴訟/「違憲と断定、勇気100倍」/
“憲法13条に光あてた”・原告・弁護団が記者会見/吉井議員同席
「住基ネットの違憲性を断定した画期的判決」――5月30日、金沢地裁の勝訴判決をうけて、全国の住基ネット差し止め訴訟の「原告団・弁護団・支援する会」は、東京・霞が関の弁護士会館で記者会見し、住基ネットの憲法問題にふみこんだ判決の意義を強調しました。
弁護団事務局長の渡辺千古弁護士は、「判決は、住基ネットにプライバシー権を侵害してまでの必要性を認めず、住民基本台帳法の条文は憲法13条に違反すると結論付けた。住基ネットは基本的人権を著しく侵害する憲法問題だと訴えたことに、まっこうから判断してくれた。画期的だ」と高く評価しました。計13地裁で争われている差し止め訴訟の判決にも
「重大な影響を与えるの は間違いない」としまし た。
山本博弁護団長は「3つの点で画期的」だと指摘。@プライバシー権は憲法13条が保障する権利であり、そのなかに自己情報コントロール権が入るとしたA住基ネットについて「住民一人ひとりを行政の前に丸裸にするようなもの」と明らかにしたB住基ネットに高度の必要性を認めず、
「嫌だという人に無理にやるものではなく、離脱した自治体の選択を正しいとした」――の3点を明らかにし、評価しました。
東京訴訟の原告の碓井邦夫さん(元MIC=日本マスコミ文化情報労組会議=議長)は「憲法の改悪をめぐるきわめて切迫した議論がされているなかで、住基ネットが憲法13条に違反するとの判決が出たことは勇気100倍。感動的に受け止めている」と話しました。
会見には日本共産党の吉井英勝衆院議員が同席。吉井議員は「国会では、基本台帳法に野党が反対したが、私たちが主張してきた論拠が判決で大きく確認された。憲法13条の大事な内容が認められ、確信を深めている。個人情報の削除を命じたのも重要だ」とあいさつしました。
石川県のコメント
石川県は5月30日、金沢地裁判決について総務部長名で「県側の主張に認められない部分があり、大変遺憾」「関係機関と十分に検討のうえ、適切に対応したい」とするコメントを発表しました。
「影響力大きい」
住基ネットをめぐる金沢地裁判決を受け、原告団は5月30日、金沢市内で記者会見。弁護団長の岩淵正明弁護士は「住基ネットからの離脱請求を認める全面的な勝訴判決。同意しないのに個人情報を勝手に使っているのはおかしいという論旨で、他の訴訟への影響力は大きい」と語りました。原告団の1人も「予想した以上の判決内容」といいます。
全国で提起されている住基ネット差し止め訴訟の原告団・弁護団・支援弁護団長する会は「判決は住基ネットの違憲性を明快に断定したもので、意義の大きさは計り知れない。政府・総務省は住基ネットの運用を直ちに中止すべきだ」との共同声明を発表しました。
憲法13条と自己情報コントロール権
憲法13条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と規定しています。
今回の金沢地裁判決は、プライバシーの権利について「憲法の基本原理のひとつである『個人の尊重』を実現するうえでのかなめとなる権利のひとつ」と指摘。そのうえで、プライバシーの権利を「私事の公開や私生活への侵入を拒絶する権利」とするだけではなく、「自己に関する情報の他者への開示の可否及び利用、提供の可否を自分で決める権利、すなわち自己情報をコントロールする権利」もふくまれると積極的にとらえています。
(2005.5.31赤旗)
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